羽田空港の飛行ルート変更と横田空域、その関係がおぼろげながらようやく見えてきた。
2008年に横田空域の日一部返還が行われたが、それにより、経済効果があったとされた一方、それまで高い壁があってその上を飛行機は飛ばなければならなかったが、高さが緩和されたことに伴い、西側に向かう飛行機の一部が大田区上空を通過するようになった。
横田空域一部削減により、飛行機が大田区上空を飛ぶようになったことで、半年強で213件の区民からの苦情が寄せられるなど、大田区民は大混乱に陥った。
どれくらい低くなったかというと、返還前は、1万2千フィートだった横田の空域の壁の高さが8千フィートになっている。2/3になったわけ。
当時の担当課長が羽田空港対策特別委員会で
その8,000フィートぎりぎりに飛んでしまうと、アメリカ空軍の接触、危ないので、それより高く飛んでいるのは事実でありまして。蒲田上空で9,000フィートは確保となっておりますので、幅がありますが、9,000フィートから1万フィートの高度で大田区の上空を通過していると認識しております。
と「蒲田上空で9千フィートは確保となっていて、幅がありますが、9千フィートから1万フィートの高度で大田区の上空を通過している」
と答弁している。
今回、横田空域がどうなるのか、気になっていたが、国交省との交渉や5月の共同通信配信の新聞記事の地図で、旋回部分が横田の空域に入っていることが判明したので、もういちど国交省の地図をみたら、3千フィートを飛ぶことがわかった。
横田空域の壁は、少なくとも3千フィートより低くなるということだ。
これは、南風時15時から19時だけの問題だろうか。埼玉県上空だけの問題だろうか。
そうではなくて、横田空域の一部削減、あるいは全部?が行われるということではないか。
そうなると、蒲田上空はじめ区内だけでなく、都心上空を3千フィートで飛ぶ可能性があるということだ。
今は9千フィートから1万フィートだから、もし、空域削減が行われると蒲田上空の高度が3分の1になるかもしれないということ。
最近、飛行機が低く飛ぶようになっているとよく聞く。すでに米軍からの了承は得ていると国交省交渉で説明を受けた。あとは、管制の部分だけだそうだ。
2008年の空域一部削減の時、公明党の議員が、羽田空港対策特別委員会で、
横田の空域が削減され、戻ってくればもっと効率的な飛び方もできるよということも言っているはずです。言っているということは、そういう何といいますか、要するに騒音が出たり、頭の上を飛ぶという、そういう事態も想定しなければいけないわけなので、その点について私たちはちょっと間違えましたと思っているわけ。そこがないとおかしいと思っているのです、私。
こう発言している。
横田の空域の返還だけ言っていると、騒音や頭の上を飛ぶという問題も考えなければいけない。ということだ。
地図に書かれていた3千フィートというのは、こういうことを意味していたということではないか。
羽田空港対策特別委員会で横田空域の問題について、特別区議長会を通じ要望を出してはどうかと提案したが、自民、公明、民進など、共産党以外反対。取り上げてもらえなかった。
国交省も東京都も大田区も、知っているくせに肝心の問題を説明しない、ということだと思う。知らないはずない。
横田空域返還で、大田区上空を飛ぶ飛行機が今までより低く飛ぶようになるかもしれないということを説明しない、のは、どういう意図でなのだろう。
*地図の青まるで囲った部分に高度3千フィートの文字
現在南風着陸において 千葉市(真東)方面から進入させてくる航路は明らかに不自然です。「結果的に」大田区が羽田空港の真北に位置し騒音負担が生じるかもしれませんが、安全を最優先するとそういうことになるのはやむを得ないのではないでしょうか。
(補足までですが URL欄記載のとおり、東京都は「横田空域を全面返還させ、首都圏の空域を再編成して、我が国が一体的に管制業務を行うことが不可欠」としており、それが東京都の総意かと拝察します。)