碑文の間 ~精霊の守り人・ヨゴ文字解読プロジェクト~

NHK-BSで放送されていたアニメ「精霊の守り人」の作品内で使われている【ヨゴ文字】を解読しようというヒマなブログ

聖導師の建国正史 (第2話)

2007-07-15 20:08:11 | 碑文の間
長らくお待たせしていたが、第2話で聖導師が広げていた方の建国正史の内容をアップしたいと思う。
シュガの建国正史衝立の例を見ると、長文のヨゴ文字の場合、その文章が原作中から取られているケースがいくつか見受けられる。聖導師の読んでいた建国正史もその可能性が高いと見て、次のようなアプローチを考えた。
まず、比較的鮮明に見える判別可能な文字や、画数の少ない「い」「う」「に」「わ」などを優先的に抜き出した上で、それらを元に原作と照合して合致する文章を探し出す。
もちろん書かれているヨゴ文字が原作に依拠したものでなければ破綻するやり方だが、やってみる価値は十分あると判断した。

元の画像を1文ごと短冊状に分割し、判別可能な文字を横に書き出していく。
まずは見開きの右ページから解読開始。


(クリックで大きい画像が出ます)

これを元に原作の中から当てはまりそうな箇所を探し出す。建国にまつわる伝説が書かれているページであると考えられるので、絞り込みにはさほどの苦労はなかった。
その結果、新潮文庫版「精霊の守り人」の49ページ15行目からの文章と一致することが判明した。
大部分は日本語をかな書きにして、1文字ずつ対応するヨゴ文字に換えているだけであったが、中には文字数が合わない部分や、ヨゴ文字の輪郭から明らかに違う文字だと思われる部分も多少あったため、解読は慎重を要した。

そして見開き右ページの解読結果はこのようになった。


(クリックで大きい画像が出ます)

なお、ここでは「しゃ」・「みゃ」などの拗音は1文字表記となっており、「ヤクー」は伸ばす音を省略して「やく」と表記されている。
また、原作の文章と違う部分は「皇家(おうけ)」が「すめらぎいえ」に、「星心ノ剣(せいしんのつるぎ)」が「ほしごころのけん」に置きかえられたりしている。
最終行はページのノドの部分が見づらく、文字の判別がつかなかったので、カッコ内に原作で書かれている文字をそのまま書いている。

次に見開きの左ページ。ここから文字がさらに小さくなり、ほぼ原作通りの文章だと分かっていても解読は困難を極めた。


(クリックで大きい画像が出ます)

さきほどと同様、見づらい部分は原作で書かれている文字をカッコ内に書いている。そのほとんどは、文字数が合わないものの文字の判別がつかないため解読できなかった箇所である。
ここでも書かれている文章はほぼ原作通りだが、部分的に語順を変えたり、単語を置きかえたりした箇所も見られる。また、「星心ノ剣(せいしんのつるぎ)」はこの左ペ-ジでは読み方が「せいしんのけん」になっている。

以上で建国正史の解読はひとまず終了。カッコ書きとした部分については心残りではあるが、現段階での最大限の解読の結果なのでご勘弁頂きたい。

最後に、完全版画像のご提供を頂いたさたさんに改めてお礼申し上げます。