夜のキャンパスで見た満月ーーデジカメは綺麗に月を捉えない！

ただそこにあるだけでいいのかもしれない
月がそこにあり見つめてくれる
見つめる

あふれるものをあふれるままに
流されまいと月を見る
流されたい
流れたい


学生が「悲夢」という哲学的な映画を紹介した

夢が正夢になり人が死に、自殺する
究極的な愛の真実を求め囚われ
存在を抹殺しあう

夢を彼女が生きる
そんなことはありえない
そのありえない夢と現実の境目の
人間の狂おしいまでの観念の形相を
描いていたのか

おれも経験あるんだと韓国人の彼
欲望なんだとポツリ
ではなくて愛の狂気・固執のようなもの

Desireと彼が言った後ろの映像の若い男女
は車の中の花火
男は愛しているはずの女の心を
問い詰めていると彼
韓国語だから意味はわからない

女の表情は苦しげで男もまた苦しそうに
満たされない渇きを激しく求めている

観念のカプセルの中をゆらゆらゆれてはじける
月のように満ちては欠けてそしてーーー

夜の月の神々しさを写真に撮る
これから向かう先のその先にあるもの
すでにレールが敷かれてそこを埋める義務のようなもの

月の光はいつでも不思議な幻想そのもの
こうして後何年この月を見てそして永死/永生

受苦の惑星
存在の重さ軽さ
太陽を巡る地球

地球の周りを回る月
存在が月になればいい
満ちては欠ける

しかし「悲夢」の映画は縛られた人間の観念の物語
観念が解かれる時、存在は消える
（永遠を生き、死ぬ！）

夢と現実
錯誤の空間

月に囁く

つぶやき
つぶやき
つぶやき

黒いもの
陰謀や冷笑が見え隠れ
彼らの小さな小さな観念なんてね

と月が応えた

そうだったの？

灰になるまで、
だってよ
と
７０代の女優が
語った

なるほど！

あの女
がね！

嫉妬は怖い？
人間的でいいのよ

そうね

「悲夢」か！
一度レンタルで借りて
しっかり見てみよう！

それぞれの「悲夢」

「死ぬまで人はあなどれないよ！」