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組踊上演300年の公演が目白押しですね。今年は1月から12月まで毎月「組踊」が目に入ってきますね!

2019-01-26 22:02:33 | 琉球・沖縄芸能:組踊・沖縄芝居、他

       (琉球新報1月25日金)  

1879年の廃藩置県以降、辻遊郭の端道や仲島遊郭の近くの仲毛に芝居小屋ができて、当初盛んに宮廷芸能、舞踊や組踊を木戸賃をとって見せるようになったのですね。その後大和の芸能を模倣する時がやってきて、そのピークは明治39年。当時東京大学に留学していた伊波普猷が帰沖した年でもあったのです。翌年の40年には一挙に組踊が40回以上も舞台公演されるのです。琉球王府時代の芸能の再現はある面、民族のアイデンテイティの高揚をもたらしたのは事実でしょう。その後、あらためて沖縄独自の琉球歌劇や史劇が誕生していくのです。とても興味深いです。組踊をモデルにして多くの史劇や時代劇などが作品として登場していくのです。

現在そうした機運は組踊保存会を中心とした組織ではなされませんね。古典組踊を土台にしてさらに新しい時代の空気や感性を汲み取った新作組踊の登場です。大城立裕先生は22作品でしょうか?創作されました。またほかの方々も一作、二作と新しい創作組踊が登場しています。

新作組踊とは何か?古典組踊の様式やリズム、詞章、音楽を踏襲しながら新しいセンスのテキスト(台本)に新しいセンスの音楽を加味し、この間の沖縄芸能のエキスがちりばめられた形態になっています。

ところが、新しい歌劇が登場しません。新しい史劇も登場しません。新作組踊が現代的センスと古典作品を融合させた展開になっています。斬新さは歴史上の系譜と現在の感性の交わりなのですね。新演劇ということばも聞こえてきます。しかし秀作歌劇の誕生が弱いです。多くの民衆の心をひきつけてきた歌劇です。

沖縄伝統芸能が家父長制度を増長するように男性芸能者がますます表に出ている現況でしょうか?古典、民謡にしても男性が中心の組織で、唯一琉球筝曲は女性陣が圧倒的ですね。王府時代からユカッチュ〔士族層〕を中心に、そして辻や仲島の遊郭の女性たち(芸妓)が担ってきたのですね。まだまだ現況に至っても男性中心の沖縄芸能史です。女性舞踊家の家元が多いのですが、その弟子たちの中で男性舞踊家を中心にした勢いがあるのが現況です。女性舞踊家の魅力をどう継承していくのか。「組踊」から阻害されてきた女性舞踊家の行く末が気になります。女性だけの組踊実演家集団も誕生していますが、頼もしいですね。古典、伝統が脈々と現代に続いているゆえに、組踊を根として包摂することが要求されていますね。

その様式を土台に時代の感性を汲み取った新たな作品が誕生していくのですね。それから、現代の表象文化のあらゆるエキスがこめられてもくるのですね。弁証法は沖縄芸能史でも貫かれています。

 

 

 

 


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