志情(しなさき)の海へ

琉球弧の潮風に吹かれこの地を掘ると世界と繋がるに違いない。世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

漫画やコミックが好きな若者はディストピアのイメージを結構持って成長したと思っているがー。

2018年05月23日 12時47分51秒 | 表象文化

      (琉球新報:5月23日2018)

ディストピアである。身近な若者の成長過程を見ると、漫画もコミックもアニメも小説も読みまくっていた。おかげで少年向けの漫画やアニメを見た。謝!「ガンダム」など、死のイメージだらけだと思ったのだがー。戦士の目の前で科学者の母親が殺される場面などが登場する。また地上と宇宙基地の闘いなども物語として登場していたと記憶している。今漫画もコミックもアニメとも疎い状況。「デスノート」の漫画や寄生獣の漫画などまでは見たがー。

新聞でこの風間ミチコさんの木版画の記事を見て、ディストピアが迫ってきた。

彼女のプロフィールを見ると、若くはない。40代半ばでディストピアである。この感覚が70年代に生まれた方々の中にも蔓延していたというより、彼女が若い頃は日本経済の衰退期なんだ。90年代の停滞期に身近な若者は生まれている。

ディストピアというと、アメリカで同じ大学を卒業している英語の先生で敬虔なクリスチャンの女性が「今から世の中益々悪くなりますよ」の暗示を意識させる。聖書をよく研究している彼女は終末論を信じているようだ。昨今の日本の嘘だらけの官僚や政府首脳の問題も彼女によると、「ジャーナリストが毒殺されるロシアよりいいでしょう」ということになる。ひょっとすると、彼女の感覚は日本の若者の感性に近いのだろうか。つまり中国・ロシアや中東や、他の独裁的国家よりはるかにいい日本というイメージだろうか。まして小さい頃からディストピアが多く描かれているSFを含めたアニマや漫画、ゲーム(戦争物が多い)を見慣れた若者たちにとって、この停滞・腐敗気味の「セクハラ擁護大臣のいる日本」はまだいい国なのだということだろうか。

ともあれ、風間さんの版画の批評性(なにやらきなくさいものを予兆させる)はハットさせた。

風間サチコ

風間サチコ ブログ「窓外の黒化粧」より

風間サチコ CV

1972
東京都生まれ
東京都在住
1996
武蔵野美術学園版画研究科修了

「現在」起きている現象の根源を「過去」に探り、「未来」に垂れこむ暗雲を予兆させる黒い木版画を中心に制作する。一つの画面に様々なモチーフが盛り込まれ構成された木版画は漫画風でナンセンス、黒一色のみの単色でありながら濃淡を駆使するなど多彩な表現を試み、彫刻刀によるシャープな描線によってきわどいテーマを巧みに表現する。風間は作品のなかで、現代社会や歴史の直視しがたい現実が、時には滑稽でコミカルに見えてしまう場面を捉えようとしている。そこには作家自身が社会の当事者であるよりも、むしろ観察者でありたいという意識が反映されている。作品はフィクションの世界だが、制作に際しては古書研究をするなど独自のリサーチを徹底し、現実や歴史の黒い闇を彫りおこすことで、真実から嘘を抉り出し、嘘から真実を描き出す。

受賞歴

2016
「第8回 創造する伝統賞」公益財団法人 日本文化藝術財団
2006
「第9回 岡本太郎記念現代芸術大賞(TARO賞)」 優秀賞
1994
「パルコ アーバナート#3 奨励賞」 山本容子賞
1992
「パルコ GOMESマンガグランプリ'93」 岡崎京子賞

 

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