志情(しなさき)の海へ

琉球弧の潮風に吹かれこの地を掘ると世界と繋がるに違いない。世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

『沖縄古語大辞典』も方言表記だらけですね。伊波普猷の時代よりはるかに後退した認識《言語⇔方言》

2012-07-21 10:02:46 | 言語

外間守善編集代表だから、そうなるのだろうか?完璧に日本の中の沖縄=方言でくくられる地域認識の編集なんですね。論稿を書くために見ていたら、ちょっとうんざりした思いになった。この編集の面々が現在の沖縄文化推進母胎の知的リーダーですか?やれやれ!

編集者と関わっているメンバーをよくごらんください!おそらく方言表記をどうにかした『沖縄語大辞典』が編集されないといけないね!『琉球語大辞典』でもいいけれどー。世界基準の言語学者のみなさん頑張ってほしい!彼らのセンスでは世界に通用しないよね!狭い知的ビジョンではねー、だめ!伊波普猷は帝国主義の足枷を見据えていた。でもね、辞書の編集でさえ事大主義的で、自律性の片鱗も見せないのは時代の流れとはいえ、御用学者=権威《力》から資金援助をもらって秩序維持に邁進する知識人、のアカラサマなる表示なんですね。やれやれ!

最も、琉球諸語が独立言語でかつ危機言語だと認定されたのは2008年か2009年だったのかな?それ以降のセンスを問題にしたい。2002年、2003年時点でわたしも論文に方言と表記した。しかし、ユネスコの指定から意識が変わった。真喜志康忠氏からたくさんお話を伺ってきたのだが、氏はウチナーグチ芝居がウチナーグチでやる芝居ゆえに先々に絶望されていた。差別され卑下され、見下された沖縄芝居であり芝居役者がいた。共通語は日本語であり、日本語ではない沖縄の土着言語は遺棄すべきもので、時代の流れにそわないという意識の中にあったのだ。その中でかたくなにウチナーグチにしがみついて舞台に立った沖縄芝居役者の矜持・情熱と絶望を身近に見てきた。日本語の亜言語としての位置に甘んじてきた130年が経過して、現在1879年から134年目である。世界の多様なコミュニティーや国々の事例に照らしてユネスコの言語認識は危機言語と認定し、それは琉球弧固有の独立言語だと確認したのである。されど、この『沖縄古語大辞典』の編集人のみなさんは、あくまで沖縄方言のレベルの認識で様々な文化運動推進に関わっているのだろうか?

彼らは組踊の詞章も首里方言と記述する。ユネスコは世界無形文化遺産として組踊を登録した。しかし、方言芝居なのである。この麗しい研究者たちの認識からするとね。芸能の面ではヤマトンチューの矢野輝雄氏の方がその点研究書の中に琉球民族芸能という表記をし、琉球語という認識で書いておられる。しかし、優れた沖縄の研究者のみなさんは沖縄方言である。琉球語でもない。やれやれ!いつ思考を180度転換されるのだろうか?それを注視しよう!このままのセンスの彼らに沖縄のより自律的な未来をリードする知性も感性もないと考えている。大学の看板を尊重するメディアや既成の概念のおそまつさがある。その裏にはまた「金」がからんでいる。研究と「金」の関係も追及されていいね。

ウチナーグチが方言ではなく独立言語だという誇りの上で舞台に立つ真喜志康忠氏を見たかった!時間は残酷である。氏はその事実を知らずして他界してしまった!琉球の芸能は首里那覇言語を中軸に成り立っている。宮古語は宮古の伝統、文化、慣習の上にに成り立つ、八重山語もまたその地域の歴史文化の表象の軸である。それぞれの文化継承の中軸にある言語を保持‥継承・存続させるための文化運動が試されているね。

上記はあくまでわたしの主観的な思いであり、現時点の情報に間違いがあるかもしれない。間違いに関しては考慮して改めたい。

 *****これは以前、多言語研究会の研究発表を拝聴したときのブログです!********

2010年3月9日(火)

琉球諸語は危機言語!

ウチナーグチ(琉球語、沖縄語)は2009年2月19日、ユネスコで指定された世界の2500語の危機言語の一部として指定された。琉球諸語、沖縄語、国頭語、宮古語、八重山語、与那国語、奄美語、これらの6つの言語は国際的基準からすると、独立した言語として扱うのが妥当、というのがユネスコの見解である。一方で琉球諸語というこれらの6語を総称した言語名もあり、それらに対してあくまで琉球方言の表象にこだわる研究者もいる。

 ちなみにウィキペディアの『琉球語」は独立言語の志向派と方言志向派の両方の見解をバランスよく紹介しているのが目を惹いた。

 さて第二回琉球継承言語研究に関するワークショップが3月5日~6日までの二日間東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所で開催され、参加した。とても熱い発表と論議の二日間だった。「琉球諸島における言語の存続性と危機度、また「琉球諸島に逆行的言語シフトの可能性」の題で有意義な時が流れた。将来的(すで)にオンラインで琉球諸語が紹介されていく時勢である。英語によるサイトもあり、また直に琉球諸語がネットで聴ける時代である。ITの発達がまたローカルの言語を世界に発信し共有できる時代はまさに多文化・多元化の可能性が開かれていると感じさせるのだが、どう受容されているのだろうか?その辺の研究発表も聞きたい。

 アフリカの少数言語について発表された京都大学のブレンツィンガーさんの発表を聞いて思ったのは、例えば彼は言語の体系を1、地域語(琉球諸語)2、県や州単位の言語(例えば沖縄では首里・那覇言語)3、国家言語(日本語)4、国際的枠組み(英語、中国語など世界の地域別の言語体系)5、グローバル言語(英語)の5つに分けて紹介したが(英語の方がわかりいいが)、グローバル時代の今だからこそ、地域語である琉球諸語は大切に継承されなければならないと痛感した。

 いわゆる演劇や芸能などの研究からみると、それらの表象はまさに集団的営為の集成であり、集団の夢や希望や願望や思いが込められている。その中軸にあるのが、琉球諸語である。沖縄芝居や組踊、琉球舞踊や歌三線の古典や民謡もまたそれらの言語なしでは成り立たない。なおさらの事、それぞれの言語の危機度はまた違うにしても、首里那覇ことばは中央ウチナーグチとして沖縄の表象文化に欠かせない。その言語そのもののキワドイ状況が気になり、言語学者の研究成果をわざわざ拝聴したのである。

 関西学院大のデキサス・ジョーさんはアイヌ語の歴史と現況を取り上げ、アイヌ語の教室を強調された。ハワイの状況・成果も踏まえ、教育の場での琉球諸語の実践を今言語学者は提唱している!ラジオ・パーソナリティーのバイロンさんに「ウチナーグチ」の保育園から始めたら?のアドバイスも聞こえてきた。学校でウチナーグチが教えられる日も近そうだ。その際誰が教えるかもまた課題になりそうだが、固く考えないで、柔軟に現在ウチナーグチが達者な方々を教師に身近な場からすぐはじめた方がいいに違いない。

 (写真は琉球語は独立言語だと主張するドイツ人で与那国語を研究するハインリッヒさんと琉球方言を主張するかりまたしげひささん) 

 作成者 なさき : 2010年3月9日(火) 09:50 [ コメント : 0]

 

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