函館2歳S回顧~良馬場で牙をむく獅子

2016-07-24 17:24:20 | 血統予想

函館11R 函館2歳S
◎4.メローブリーズ
○6.モンドキャンノ
土曜の函館芝はなかなか速い時計が出ていた。モンドキャンノの母レイズアンドコールは2歳暮の芝1200mのフェアリーSで3着入線(失格)、古馬になってアイビスサマーダッシュで3着したスプリンター。キンシャサノキセキはアウトブリードなので相手牝馬を立てるタイプの種牡馬だから、モンドキャンノも母譲りのパワーで短距離を走るタイプで、洋芝1200mは合っている。前走で負かした馬たちが続々と勝ち上がっておりレースレベルも高かった。
マイル王モーリスなどを出して成功しているスクリーンヒーローだが、父グラスワンダーと種牡馬としての傾向は似ていて、産駒のJRA全勝ち鞍61勝のうち牝馬はたった8勝、うち6勝が1400m以下と、牝馬はあまり走らないし牝馬はスプリンターが多い。メローブリーズもいかにも短距離向きの体型だが、デビュー戦は4角で前に取りつく脚が速くて楽勝。配合も父スクリーンヒーローがノーザンダンサー4×4とヘイルトゥリーズン4×4、母父エルコンドルパサーがヌレイエフ≒サドラーズウェルズ3×2、しかし母母リープフォージョイのところだけはノーザンダンサーの血が皆無でミクスドマリッジ4×4という傍系のクロスがある。このスクリーンヒーロー産駒としても好形といえる配合パターンと、相手が弱かったとはいえ新馬戦の勝ちっぷりの良さ、2歳牝馬とは思えない手先の強い走り、そして差しに回れる脚質も込みで狙ってみたい。

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予想コメントに書いたようにモンドキャンノに死角なしと思われましたが、いつも書くようにキンシャサノキセキは基本的には相手牝馬の尻に敷かれる種牡馬で、つまりこの馬は主として母レイズアンドコールのスプリンター資質で走っているというべきかと

となると、オープンで活躍したけれど重賞には少し手が届かなかった母を超えられる配合なのかどうか、そこまでの確信がなかったので、好走は間違いないだろうけど単勝は他の馬を買ってみたくなった

それで頭をひねったあげくメローブリーズに着地したわけですが、モンドの後ろからモンドと同じぐらいの脚で差してきたし、ワイドはほしかったところですが結果には納得するしかないです…

レヴァンテライオンの父Pioneerof the Nileはサンタアニタダービー(米G1・ダ9F)の勝ち馬で、ケンタッキーダービーはMine That Birdの2着でした
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014110043/

その父エンパイアメーカーがIn Reality4×3、Buckpasser5×4など北米血脈のクロスを重ねていて、それに対して北米血脈を一切引かないLord at Warを母父にもってきてアウトブリードとした配合で、ようするに私がよく言う緊張→緩和のリズム

代表産駒は北米三冠の名馬American Pharoah、他にシューメイカーマイルS(米G1・芝8F)のMidnight StormやホーリーブルS(米G2・ダ8.5F)のCairo Princeなどを出して成功をおさめていますが、父エンパイアメーカーほど自己主張は強くないというか、わりといろんなタイプを出す種牡馬じゃないかと思いますね

特に母母父Key to the KingdomはBold RulerとPrincequilloの組み合わせ、いわゆるナスキロ血脈なので、日本の高速芝を走るにはここをいじくるのが有効手の一つでしょう

レヴァンテライオンも母系の奥にStar Spangled(Round Table×Bold Ruler)、Sir Gaylord(Turn-to×Princequillo)と二つのナスキロ血脈を持っており、母の姉、つまり伯母にあたるHour of Justiceは短距離重賞のロイヤルノースH(米G3・ダ6F)を勝っています

レヴァンテライオンのしなやかな身のこなしにはエンパイアメーカー系らしい力馬っぽさは微塵も感じられないので、In Realityの継続クロスとMr.Prospectorの薄いクロス、そしてナスキロのクロスによって、主に牝系のスピードで走る短距離馬に出たというべきでしょう

リトルゲルダなんかも父系がValid Appealで母父がUnbridledでIn Realityのクロスで、一方でGone WestとStorm Catを通じてBold RulerとPrincequilloのクロスも持っていて、字面の血統以上に柔軽いスピードがありましたが、あれに近いイメージでもあるかな

新馬勝ちは稍重で少しタフな馬場でしたが、今日は良馬場だったので更にパフォーマンスを上げられたと思います

モンドキャンノはスタート後にちょっと行きっぷりがよすぎるシーンがありましたが、でも勝ち馬の直後を追走してロスなく運んで、あれで負けたのだから今日のところは仕方ない

結びの一番を見たら出かけるので、中京記念の回顧は後ほど雑感とともに…


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