第76回阪神JF回顧~京都の荒れ馬場、ハービンジャーの末脚が映える

2024-12-09 23:12:18 | 血統予想

京都11R阪神JF
◎13.コートアリシアン
○10.ブラウンラチェット
▲7.ミストレス
△2.テリオスララ
×8.カワキタマナレア
×9.ショウナンザナドゥ
×15.リリーフィールド
×17.メイデイレディ
ブラウンラチェットはフォーエバーヤングの7/8同血ぐらいの妹で、いかにも中距離馬然とした加速で悠然と2連勝。素質は認めるが、ここでの課題はマイル戦でもっと緩みなく流れたときに反応よく差せるかどうか。ミストレスは前走◎にしたようにマイラーとしての才能は買っている。スピードがありすぎてここも行ってしまいそうだし、となると他も速いだけに、高速巡行マイペースで押し切れるかは半信半疑だ。リリーフィールドも好配合でここでも一、二を争うスピードがあるが、頭の高い走りで外マイルで正攻法で押しきれるかとなると何とも微妙。テリオスララは良血のシスキン産駒で馬っぷりもよい。1800タイプだろうが、差しにも回れそうなタイプだから馬券には組みたい。メイデイレディは母父モアザンレディが強いマイラーで完成度が高いし自在のレースができそうだが、中山マイルっぽい機動力型には見える。
原点回帰で、今年のメンバーで「ハッとする脚」を見せたのは、パンツをチラ見せてくれたのはどれか。出馬表を見ながら思い起こしてみたが、やっぱり新潟2歳のコートアリシアンだろう。サートゥルナーリア産駒らしく初めて馬群に入るとエキサイトしていて、それが響いたかゴール前で差し返されてしまったが、残り400mからの最速ラップのところでトータルクラリティを並ぶ間もなくビュンと差してしまった脚はやはり一級品。ああいう脚は後天的に身につくものではない。ストロングリターンやレッドオーヴァルの姪で母系は筋が通っているし、戸崎さんはJFは4回騎乗してレッドリヴェール5人気1着、リスグラシュー2人気2着、マウレア4人気3着、レッドアネモス6人気9着で、なんだかんだ言われるが繊細な牝馬をソフトに乗らせたら現役屈指だ。桜花賞から逆算して、桜花賞で最も爆発できそうな馬はということで、今年のパンツはコートアリシアン。

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例によってNETKEIBAの全頭解説より1~3着を

アルマヴェローチェ
モンドキャンノやカリボールの姪で、母ラクアミはJRA3勝(芝1400~1600)。母母レイズアンドコールはアイビスサマーダッシュ3着で、子孫にサクラバクシンオーのスピードをよく伝えている。父ハービンジャーはキングジョージ勝ち馬でディアドラ、ブラストワンピース、ナミュールなどを輩出。本馬はわりと父ハービンジャー似で、母方のスピードで先行し父のスタミナで粘るしぶとい中距離馬。外マイルだとスピードの絶対値で少し見劣る。(距離○スピード○底力○コース◎)



ビップデイジー
ブラックスピネルやインフィナイトの姪で、母ローズベリルはJRA2勝(ダ1700~1800)。ダンビュライトやラブラドライトも近親で、マリアライトやクリソベリルも同牝系。父サトノダイヤモンドは有馬と菊に勝ちサトノグランツやスズハロームなどを輩出。サトノダイヤモンド×キングカメハメハはシンリョクカと同じ。母母父アグネスデジタル譲りのマイラーっぽい体型だが、血統は中距離だからマイルの速い時計に対応できるかがカギに。(距離○スピード○底力◎コース◎)



テリオスララ
セラフィックコールやサンライズアースの半妹で、マーティンボロやフレールジャックの姪で、シュヴァルグラン、ヴィブロス、ヴィルシーナのイトコ。父シスキンは愛2000ギニー馬で、数少ない初年度産駒(血統登録数7頭)が活躍中。萩Sはスローの逃げで後続を寄せつけず。ここまで芝1800ばかりを使われて[2-1-0-0]で、母方が強い中距離型でヘイロー的な脚捌きで立ち回りが巧い。フラワーCタイプとみるが、ここで好位差しでどんなケイバになるか。(距離○スピード○底力◎コース○)



今年のJFは連続開催で馬場が荒れている京都外1600で行われ、レースラップが12.1-10.6-11.5-12.3-12.0-12.0-11.5-11.4、前後半でいうと46.5-46.9でやや前傾ですが、中盤に12秒台が3つ入って上がりが速く、前走1800を使ってきた馬が1~3着を占めたように、中距離寄りのタイプが脚をタメて差せる質のレースではあったかと

アルマヴェローチェはハービンジャー×ダイワメジャーですからナミュールと同じ配合で、しかし札幌2歳のレースぶりをみるとナミュールのようにビュンとくる末脚のイメージは全くなかったんですが(^ ^;)、岩田望来が直線斜めに外に出しながら追うとハービンジャーらしいストライドで駆け抜けて豪快に差し切り

安田記念では届かないけれどマイルCSでは間に合うハービンジャー、連続開催の超速ではない秋の京都で末脚が映えるイメージはたしかにあります

ビップデイジーの幸も4角から直線にかけてイン→アウトで斜めに走らせて、内が荒れてるバイアスの京都外回りではあれが一番末脚を伸ばしやすいのですが、京都を知り尽くしているベテランらしい差しでした

テリオスララは手堅い好位差しで確り脚は伸ばしていて、シャンドランジュのような真っ当な中距離馬にシスキンを配したらちゃんと真っ当な1800型が出るのだ、ということがわかったのが喜ばしい

コートアリシアンは外枠を引いたのでこれは戸崎さんレース運びが楽やと思ってたんですが、あそこでインに潜ってしまうとは…まあでも私のパンツはまだコートアリシアンにしときます(^ ^;)

少頭数の新馬を才気溢れる走りでポンと勝って、ところが昇級戦で思ったほど走れないというのはサートゥルナーリア産駒あるあるですが、揉まれるレースを経験しないまま勝ってしまうからで、そういうシーザリオな気性はサートゥルナーリアもよく伝えていると思いますよ

アルマヴェローチェの母ラクアミは芝1400~1600で3勝、その母レイズアンドコールはアイビスサマーダッシュ3着で、モンドキャンノやカリボールなどにもサクラバクシンオー譲りのスピードをよく伝えています

レイズアンドコールはNorthern Dancer4×3、テスコボーイ≒Jacinto3×5(Trustfulの父がBachelor's Doubleなので、NasrullahとDasturとHurry OnとBachelor's Doubleが共通)、Ambiorix≒My Babu5×6など密な父母相似配合になっていて、こういうことをやって獲得したスピードというのは脈々と伝わるんですよね





レイズアンドコールの全妹テイエムロマンスも芝1000~1200で3勝とスピードを見せましたが、産駒の出走記録はなく種付記録も1頭だけなので、おそらく早死にしたんじゃないですかね

ラクアミの仔も父モーリスのカリーシがJRA現役2勝(ともに芝1200)、父ドレフォンのトーホウデュランがJRA1勝(ダ1400)、スピードは確実に受け継がれています

ハービンジャー×ダイワメジャーで母母がマイラー質(スプリンター質)という点で、ナミュールとアルマヴェローチェは似たコンセプトの配合ということがいえますが、牝馬同士ならナミュールぐらいは2000超もこなしそうな感じはしますね


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1 コメント

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Unknown (オペラダンシング)
2024-12-12 14:54:20
気が早いですが有馬記念の予想楽しみにしてます!距離と脚質に悩んでいますが、昨年の天秋にここじゃないと仰ってた馬に先生の重い印がもし付いたら全力買いするつもりです。笑
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