第48回高松宮記念回顧~アドマイヤムーンの連覇!「1/8サンデー」「1/4サンデー」の明暗

2018-03-25 18:03:43 | 血統予想

中京11R 高松宮記念
◎9.ファインニードル
○2.リエノテソーロ
▲15.ジューヌエコール
△12.ネロ
△16.シャイニングレイ
×6.レッドファルクス
×10.ダイアナヘイロー
注7.ナックビーナス
注8.レッツゴードンキ
今年もスプリント戦線は混沌で低調だ。リエノやダイアナやネロやジューヌあたりで振り回そうかとも思ったが、軸としてはファインニードルでいいのではないかと思うので、ここから薄目を引っかける狙いでいく。アドマイヤムーンはアウトブリードなので産駒は概して晩成で古馬になって成長し、またこの高松宮記念ではセイウンコウセイとハクサンムーンとワンスインナムーンが好走している。ファインニードルは母がノーザンダンサー4×4で自身はシャーペンアップ5×4、母の父がミルリーフ系だからアドマイヤムーン産駒の成功パターンの配合でもある。+18キロでスプリンターらしい肉付きになったシルクロードがいい勝ち方だったし、充実の5歳春ならG1でも通用するだろう。

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中京芝はやや芝丈が長く見えるタフな馬場で、けっこう上がりがかかるんですが、斬れ味も封じられるのか差しが届く感じでもない

今日の他の芝レースを見てのとおり、先行して直線で真ん中に持ち出して押し切る、というのがだいたいの勝ちパターンでした

レースは33.3-35.2という前傾ラップで流れ、こうなると軽いスピードや斬れ味よりもパワーがモノを言うこととなり、エゲツないプリケツを揺すりながらパドックを周回していたブリザードや、522キロの大型牝馬ナックビーナスも見せ場をつくりましたが、最後は「1/8サンデーサイレンス」(血統表の3代目にサンデーサイレンスを持つ)2頭の叩き合いに

母父サンデーサイレンス、つまり「1/4サンデーサイレンス」のレッドファルクスは、たとえば京王杯SCがめちゃんこ強かったように、頑強スプリンターというよりはしなやか1400馬というべきで、「近親のスティンガーのような斬れ味だ」と前に書きましたが、スティンガーも京王杯は毎年めちゃんこ強かった

そして1200戦でも高速馬場で後傾ラップになると、1400馬としての斬れ味でナデ斬れるレースになるのだと、スプリンターズSの回顧で毎年書いているような気がします(ちなみに17年スプリンターズはレースラップ33.9-33.7、16年スプリンターズは33.4-34.2)

差しのきかないタフな馬場はレッドファルクスにとっては最悪の条件だったわけですが、これだけ前傾ラップで流れると、ピュアスプリンターの土俵だった、「1/8サンデーサイレンス」の土俵だった、という言い方もできるのではないかと思いますね

ちなみに過去5年の芝1200mのG1の前後半ラップでみると

・前半600mが後半600mより1秒以上速いレース
18高松宮…ファインニードル(1/8サンデー)
17高松宮…セイウンコウセイ(1/8サンデー)
16高松宮…ビッグアーサー(非サンデー)
14スプリンターズ…スノードラゴン(1/8サンデー)
14高松宮…コパノリチャード(1/4サンデー)
13スプリンターズ…ロードカナロア(非サンデー)

・前半600mが後半600mより1秒未満速いか、後半のほうが速いレース
17スプリンターズ…レッドファルクス(1/4サンデー)
16スプリンターズ…レッドファルクス(1/4サンデー)
15スプリンターズ…ストレイトガール(1/4サンデー)
15高松宮…エアロヴェロシティ(非サンデー)
13高松宮…ロードカナロア(非サンデー)

こうしてみると、そもそもスプリンターズSのほうが前半速くなりにくいという傾向もありそうですが、いずれにしても前傾ラップで勝った「1/4サンデー」は極悪馬場のコパノリチャードだけで、そしてレッドファルクスもストレイトガールも1600mの大レースでも好走する“1400馬”



アドマイヤムーンは父エンドスウィープも母マイケイティーズも自身も強いクロスを持たないので、種牡馬としてはそれほど自己主張が強いタイプではなく、フォーティナイナーやKrisがポンと表現されたようなスプリンターもけっこう出すんですが、配合のポイントは主にこの3つ

1) 活力に乏しい配合なので産駒は全体に晩成傾向。そしてクロスがうるさいぐらいの繁殖との配合が成功しやすい

2) 芝向きのスピードを表現するには、フォーティナイナーの3代母Courtesyが持つナスペリオン(NasrullahとHyperionの組み合わせ)をクロスするのが有効

ファインニードルとハクサンムーンとプリンセスムーンとアイアンクロー(Millicent)はMill Reef、セイウンコウセイとファインチョイスとフミノムーンはDangerous Dame、ハクサンムーとストーミーシーはテスコボーイ、レオアクティブとファインチョイスはSpecial、ワンスインナムーンはWoodman(Intriguing)といったナスペリオンを母系に持ちます

3) アドマイヤムーンはエンドスウィープとSharpen Upを通じてPersian Maidのクロス(6×7)を持つので、これ継続累進する配合は地味に成功している

ファインニードルやプリンセスムーンはSharpen Upのクロス、セイウンコウセイはMixed Marriageのクロス、また以下のようにMixed Marriage≒Aureoleのニアリークロスにするのも有効で、母系にAureoleを引くアドマイヤムーン産駒にはファインニードルやブラックムーンなどがいる









ファインニードルは、母がNorthern Dancer4×4で、自身はSharpen Up5×4にAureoleやGreat Nephewも入ってPretty PollyやAloeのクロスを重ねており、そして母父がMill Reef系なのでナスペリオンのクロスも押さえていて、アドマイヤムーンの活躍産駒の中でも最高得点といっても差し支えない配合です

ただ母父のMark of Esteem~Darshaanのラインは独特のしなやかな斬れ味を伝える血で、ファインニードルもA級の頑強スプリンターというには少ししなやかすぎるところがあって、だから芝1200でそんなにほめてこなかったんですが、シルクロードでは+18キロで素晴らしい肉付きで出てきて、これまでにない力強さで好位抜け出しで堂々と勝ったので、これはアドマイヤムーンの本格化がきたのかと

ならばハクサンムーンやセイウンコウセイを見てのとおり、開花が遅めのアドマイヤムーン産駒が古馬になって一回り逞しくなって力強く勝ったのだから、G1でも重い印が打てるのだ…というぐらいの思考でしたね

ファインニードルはStorm Catとニアリーなロイヤルアカデミーを持つのも面白く、このロイヤルアカデミー≒Storm Catのニアリークロスは種牡馬入りしたときのキラーコンテンツになるかもしれません



3/27追記

3歳勝ち馬評価の原稿を書きながら先週の競馬を見直していたら、日曜中京4R(芝1400m)に勝ったムーンチャイムが
・母に強いクロス
・ナスペリオンのクロス(母系にNureyevとBlushing Groom)
・Persian MaidのクロスをMixed Marriage≒Aureoleのニアリークロスで継続
と、同じゴドルフィンのアドマイヤムーン産駒ファインニードルと酷似した配合でした



これについては下記エントリ(昨年のセイウンコウセイの血統解説)を読んでいただきたいです
アドマイヤムーン産駒のPersian Maidとナスペリオンのクロス
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/ed904f2166f42e7efc30c9eaf95b7d8e


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6 コメント

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Unknown (MJ)
2018-03-25 19:33:27
過去5年の芝1200mのG1の前後半ラップでみると

・前半600mが後半600mより1秒以上速いレース
18高松宮…ファインニードル(1/8サンデー)
17高松宮…セイウンコウセイ(1/8サンデー)
16高松宮…ビッグアーサー(非サンデー)
14スプリンターズ…スノードラゴン(1/8サンデー)
14高松宮…コパノリチャード(1/4サンデー)
13スプリンターズ…ロードカナロア(非サンデー)

・前半600mが後半600mより1秒未満速いか、後半のほうが速いレース
17スプリンターズ…レッドファルクス(1/4サンデー)
16スプリンターズ…レッドファルクス(1/4サンデー)
15スプリンターズ…ストレイトガール(1/4サンデー)
15高松宮…エアロヴェロシティ(非サンデー)
13高松宮…ロードカナロア(非サンデー)

「1/4サンデー」の1400型が勝つスプリントG1があってもいいけれど、彼らはピュアスプリンターではない、というのが私の言い分です
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Unknown (めがねざる)
2018-03-25 19:34:19
コース形態的にスプリンターズSのほうが前傾ラップになりやすそうなんだけど、最近はそうじゃないのが、何だか不思議で(^_^;)
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Unknown (カリー)
2018-03-25 19:52:36
改修後の高松宮記念は極悪馬場のコパノリチャードの年を除くと1/4サンデーは勝っていないんですね
来年忘れないようにメモします
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Unknown (Natalma)
2018-03-25 22:17:56
アドマイヤムーンは個人的に好きな馬で、自身に似た産駒が出てくることを期待しているのですが、芝中距離の重賞で好走する様な子供を出すには、アルキメデスの様に母方に「ナスキロ」が豊富な配合にするしかないのでしょうか?サンデーのニアリークロスも有効ではないかと思ったのですが?
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Unknown (MJ)
2018-03-25 22:48:30
アドマイヤムーンほどしなやかなフォームで走る馬はなかなかいません(それでいてパワーも兼備)
アルキメデスも晩成で、やっと軌道に乗ってきたときに故障してしまいましたが、そういう中距離馬としてのしなやかさを最も受け継いでいたといえます
難しいのは、アウトブリードのアドマイヤムーンは、ほっとくとアドマイヤムーンよりもフォーティナイナー(Nasrullah4×4)やケイティーズファースト(Relance=ポリック4×3)を伝えてしまいがちで、中距離のしなやかさを表現するにはサンデーサイレンスをクロスするのが一番なんでしょうが、クロスするにはちょっと代が近すぎたというね
母父に回ったら、サンデーサイレンス系種牡馬との配合で、しなやかな中距離馬を出す可能性はもっと高いと思います
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Unknown (Natalma)
2018-03-25 23:15:32
夜分遅くに返信ありがとうございます!
気長に待ってみようと思います^_^;
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