いろいろな意味で日本向きの繊細さに欠けるため、Sadler's Wells と並んで「海外で成功しているけれど日本向きではない血統」の代表格でしたが、最近になってロードカナロア、Beauty Parlour、アユサン、キズナなど、日本の二大種牡馬(ディープインパクト、キングカメハメハ)との好相性を武器にこの血を抱える活躍馬が目立ち始め、再評価の兆しが見えてきた矢先でした
栗山求の血統BLOG~Storm Cat 逝く
http://kuriyama.miesque.com/?eid=707
Storm Cat肌がディープインパクトやキングカメハメハとニックするのは、その血脈構成=Northern Dancer+ナスキロ+First Roseが、ディープの母父Alzao(Northern Dancer+ナスキロ+Attica)やキンカメの母父ラストタイクーン(Northern Dancer+ナスキロ+Tom Fool)とニアリーだからでしょう
First RoseとAtticaとTom Foolのニアリーな関係
┌Pharamond
┌Menow
│└Alcibiades
First Rose
│┌Sir Gallahad
└△
┌○┌Sir Gallahad
│└△
Attica
│┌Pharamond
└△
└△
└Alcibiades
┌Menow
Tom Fool
│┌Bull Dog=Sir Gallahad
└△
というわけでディープ×キンカメから東京で斬れるデニムアンドルビーが出たのも当然といえば当然で、マルセリーナやファイナルフォームなどディープとラストタイクーンがニックスなのと同じ理由で、それは以前シマントガワ先生の「ディープ産駒で桜花賞馬をつくろう」でも書きました
シマントガワ先生の「ディープインパクトで桜花賞馬をつくろう」
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/fb0bba7b6d162ae32459aa470e174865
名繁殖Crimson SaintにBold RulerとNorthern Dancerが配された至極まっとうな良血馬で、至極まっとうにスピードを伝えて北米リーディングサイアーに君臨しつづけたStorm Catが、30歳で大往生だそうです
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a001a98/
Storm Catの代表産駒で昨年の北米リーディングサイアーのGiant's Causewayは、SecretariatとChieftainを通じるBold RulerとPrincequilloのクロス
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a0022e1/
同3位のSpeightstownはGone West×Storm CatでSecretariat≒ChieftainとTom Fool≒First Roseの組み合わせクロス×3、同4位Tapitの父PulpitはA.P.Indy産駒でSeattle SlewとSecretariatとNarrateを通じるBold RulerとPrincequilloの組み合わせクロス×3
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a011200/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a002133/
あれはロスにSkip Awayが勝ったBCを見に行ったとき、競馬の翌日からは栗山さんたちと別行動で、私と友人二人であちこちチョロチョロしとったんですが、ホテルから目的地までタクシーで往復したとき、行きは10ドルぐらいやったのに帰りは同じ経路で20ドルだというのでカタコトで文句を言ったら黒人の運ちゃんがちょっと凄んできて、我々も若かったんで2対1なら負けへんで~と二人で関西弁でワーワー言ったら、ハイハイわかったわかったと10ドルで降ろされました
「ホンマになめられとるな~」とボヤきながら近くのマックに入ったら、さっきの運ちゃんが美味そうにハンバーガーをほお張ってて、目が合ったらニヤッと笑いかけてきたので思わず苦笑(^ ^;)
「あいつ20ドルボッたら、絶対ビッグマック食うとったで」
アメリカ人はハンバーガーと同じぐらいBold Rulerが大好きで、なかでも一番大好きなのがSecretariatで、「ま、まさにBold Ruler系のビッグマックや~」
だからStorm CatとA.P.Indyもみんな大好きで、大事に大事にされてきたというイメージがあります…合掌して就寝
Mahmoudさんちのラップを拝借すると、ゴールドシップの有馬記念の上がり5Fは11.8-11.8-11.9-11.7-11.4で58.6
中山内回りの形状とコース取りを考慮すると、まさに加速しつづけながらゴールインしたという驚愕のロングスパートだったわけですが、過去3年の春天の上位馬の上がり5Fを並べてみると(これも数字は全てMahmoudブログ)
12年
ビートブラック59.9
トーセンジョーダン56.4
ウインバリアシオン56.1
ジャガーメイル56.2
11年
ヒルノダムール59.2
エイシンフラッシュ59.0
ナムラクレセント60.3
10年
ジャガーメイル57.4
マイネルキッツ58.4
メイショウドンタク58.8
ゴールドシップが唯一馬券に絡まなかった日本ダービーは、ディープブリランテが58.4、フェノーメノが58.0で上がったところを57.3で追い込んだものの届かなかったというレースで、この57.3という数字はおそらく、ゴールドシップの上がり5Fの自己ベストでしょう
まあダービーはワールドエースの動向に気をとられてロングスパートに踏み切れなかったところはあったし、あの頃よりは明らかにパワーアップしてもいるし、走法やスピードの乗りからしても、高速馬場の京都外回りのスローならば上がり5Fを56秒台で駆けることは難しくないはず
とはいえ、ジャガーメイルが56秒台で上がるような、つまり出走馬の多くが56秒台で上がるような競馬になってしまった場合、有馬や菊ほどロングスパートが際立つのか、そしてそんな競馬になってしまう可能性は残されているのか、というあたりは一考の余地もあるのかな…とも