寒くなるから。
そう言われてジララから手渡されたのは、包装紙に包まれた柔らかい何か。
開いてみて・・・少し、戸惑った。
相談をもちかけたのは、あの男のことをよく分かっていそうな奴。
大佐では駄目なのだ。
シャインでなければ。
「プレゼント?」
包みの中身はボーダーニットだった。
冬でもいつもと変わらないような服装をしている自分に気を使って、いつものPコートの下に着込めということらしい。
けれども、男も男に服をプレゼントしたりすのだな、と。
そんな疑問やこれからのことを、少し相談しておきたかった。
「好意だろ?」
むしろ男は、女に服等をプレゼントするようなことは少ないのだと、そう言われて、少し驚いた。
今は手軽なアクセサリーや、デザートを奢ったりする方が主流らしい。
「男が服をプレゼントするのは、脱がすためだぜ?」
付け加えられた一言に、やはり戸惑った。
確かにこの男に服などプレゼントされれば、そういった意図もありそうなものだ。
大佐はどう思っているのだろうか。こういったプレゼントをされたことがあるのだろうか。
否、それはこの際どうでもいい。
ジララの意図は、どうなのだ?
「相手が男でも?」
それでも、脱がす意味がある?
「当然。」
だってお前だから。と。
シャインはそう言って笑っていたが、どうにもそうとは思い難い。
ジララに限って。
そんな気持ちを読み取ったかのように、シャインは呟く。
ジララだからこそだ、と。
確かに奥手なところはあるが、むしろそれは大胆すぎやしないか?
「ボーダーのニット?」
確かめるように問われる。
頷けば、納得された。
「似合うな。それに、脱がせやすそうだ。」
ムッとすれば、笑われる。
「冗談だっての。ジララに殺される。」
本当に、ジララは自分を想ってくれているのだろうか。
そうでなければこんな贈り物はしないよな、なんて思いながらも、不安になる。
シャインはニヤニヤと笑いながらこちらを見ていて。
相談した相手を間違えたかとも考えた。
「すっげー似合うと思うぜ。それ。お前のこと、いつも見てるから分かるんだよな、ジララは。」
アイツはそういう奴だと、知ったかぶった言い方をされると、少しムキになってしまいそうになる。
自分だって、ジララのことなら知っている。
「誰よりもお前のこと見てんだろうな。やり方が優しいっつーの?ジララらしいぜ。」
ジッと考えて、頷いた。
「大体さ、お前、何を相談しに来たんだ?ここテラスだぜ?寒くね?」
惚気でもしに来たのか?と問われて、赤くなった。
別にそんなんじゃない。
少し自分でも思ったのだ。
服を贈るのは脱がすため・・・何処かで聞いたことがあったから。
風は冷たいというのに、頬が熱い。
別に、何か望んでいるわけではないけれど。
こういうとき、自分はどうしたらいいのだろうかと。
アイツが望むことなら、彼が知っているような気がして。
負けを認めて頼み込んだ。
シャインも面倒見のいい人だから、すぐに笑顔で了承してくれて。
寒くないか、なんて、そんな優しい言葉は使ってくれなくてもいいのに。
ジララに似ているな、と思い、やっぱり少し恥ずかしくなった。
「その服、着てくれば良かったのに。」
そうすれば、ココで話していても寒くないだろう?なんて言う。
彼の言葉には、色々な意味が含まれていそうだった。
「お前がそれを着てるとこ、見たかったし。」
なんだかからかわれているような気がする。
悪気は無いんだろうけれど。
プイと顔を背ければ、含み笑いが聞こえた。
二人で話をしているとき、シャインはあまり声を上げるような笑い方をしない。
普段よりもずっと大人しく、物腰柔らかだ。
不思議な感覚。嘘つきではなくて、優しいのだろう。
「まぁ、さ。とりあえずその服着て、ジララに会いに行けばいいんじゃね?」
求める答えが、与えられる答えが、なんであれ。
「とびっきり寒い日にさ。もぅ一枚、上になんか着て、ジララの部屋に行って・・・」
多分暖房をつけているだろうから、そしたら上着を脱ぐのだ。
自分が贈りつけたその服を見て、彼はどんな反応をするだろう。
「お前がその服着てくれたら、アイツにとっては最高のお返しになると思う。」
どこまでも御人好しな奴なのだ、なんて、そんな。
ジララに対する批評が適切すぎて、悔しくなった。
「アイツに見せたらさ、俺にも見せろよな?気になるだろ。」
その服を着た自分を見てみたいと、彼は言う。
そう言って、微笑む。
「可愛いんだろうなぁ・・・なぁ、カゲゲ。」
頭をそっと撫でられた。
「知るか。」
ジララのセンスは最高にいいから。
当たり外れの外れが無いのだ。
やはりそれを知っている。
シャインは確かに、奴の親友で。
「俺も大佐に服でも贈ろうかなぁ。」
私の、親友だと思ったりして。
「脱がすため、か?」
にっこり笑う不適なその姿に、
「もちろん!」
やっぱり気が抜けない、と思うのだった。
そう言われてジララから手渡されたのは、包装紙に包まれた柔らかい何か。
開いてみて・・・少し、戸惑った。
相談をもちかけたのは、あの男のことをよく分かっていそうな奴。
大佐では駄目なのだ。
シャインでなければ。
「プレゼント?」
包みの中身はボーダーニットだった。
冬でもいつもと変わらないような服装をしている自分に気を使って、いつものPコートの下に着込めということらしい。
けれども、男も男に服をプレゼントしたりすのだな、と。
そんな疑問やこれからのことを、少し相談しておきたかった。
「好意だろ?」
むしろ男は、女に服等をプレゼントするようなことは少ないのだと、そう言われて、少し驚いた。
今は手軽なアクセサリーや、デザートを奢ったりする方が主流らしい。
「男が服をプレゼントするのは、脱がすためだぜ?」
付け加えられた一言に、やはり戸惑った。
確かにこの男に服などプレゼントされれば、そういった意図もありそうなものだ。
大佐はどう思っているのだろうか。こういったプレゼントをされたことがあるのだろうか。
否、それはこの際どうでもいい。
ジララの意図は、どうなのだ?
「相手が男でも?」
それでも、脱がす意味がある?
「当然。」
だってお前だから。と。
シャインはそう言って笑っていたが、どうにもそうとは思い難い。
ジララに限って。
そんな気持ちを読み取ったかのように、シャインは呟く。
ジララだからこそだ、と。
確かに奥手なところはあるが、むしろそれは大胆すぎやしないか?
「ボーダーのニット?」
確かめるように問われる。
頷けば、納得された。
「似合うな。それに、脱がせやすそうだ。」
ムッとすれば、笑われる。
「冗談だっての。ジララに殺される。」
本当に、ジララは自分を想ってくれているのだろうか。
そうでなければこんな贈り物はしないよな、なんて思いながらも、不安になる。
シャインはニヤニヤと笑いながらこちらを見ていて。
相談した相手を間違えたかとも考えた。
「すっげー似合うと思うぜ。それ。お前のこと、いつも見てるから分かるんだよな、ジララは。」
アイツはそういう奴だと、知ったかぶった言い方をされると、少しムキになってしまいそうになる。
自分だって、ジララのことなら知っている。
「誰よりもお前のこと見てんだろうな。やり方が優しいっつーの?ジララらしいぜ。」
ジッと考えて、頷いた。
「大体さ、お前、何を相談しに来たんだ?ここテラスだぜ?寒くね?」
惚気でもしに来たのか?と問われて、赤くなった。
別にそんなんじゃない。
少し自分でも思ったのだ。
服を贈るのは脱がすため・・・何処かで聞いたことがあったから。
風は冷たいというのに、頬が熱い。
別に、何か望んでいるわけではないけれど。
こういうとき、自分はどうしたらいいのだろうかと。
アイツが望むことなら、彼が知っているような気がして。
負けを認めて頼み込んだ。
シャインも面倒見のいい人だから、すぐに笑顔で了承してくれて。
寒くないか、なんて、そんな優しい言葉は使ってくれなくてもいいのに。
ジララに似ているな、と思い、やっぱり少し恥ずかしくなった。
「その服、着てくれば良かったのに。」
そうすれば、ココで話していても寒くないだろう?なんて言う。
彼の言葉には、色々な意味が含まれていそうだった。
「お前がそれを着てるとこ、見たかったし。」
なんだかからかわれているような気がする。
悪気は無いんだろうけれど。
プイと顔を背ければ、含み笑いが聞こえた。
二人で話をしているとき、シャインはあまり声を上げるような笑い方をしない。
普段よりもずっと大人しく、物腰柔らかだ。
不思議な感覚。嘘つきではなくて、優しいのだろう。
「まぁ、さ。とりあえずその服着て、ジララに会いに行けばいいんじゃね?」
求める答えが、与えられる答えが、なんであれ。
「とびっきり寒い日にさ。もぅ一枚、上になんか着て、ジララの部屋に行って・・・」
多分暖房をつけているだろうから、そしたら上着を脱ぐのだ。
自分が贈りつけたその服を見て、彼はどんな反応をするだろう。
「お前がその服着てくれたら、アイツにとっては最高のお返しになると思う。」
どこまでも御人好しな奴なのだ、なんて、そんな。
ジララに対する批評が適切すぎて、悔しくなった。
「アイツに見せたらさ、俺にも見せろよな?気になるだろ。」
その服を着た自分を見てみたいと、彼は言う。
そう言って、微笑む。
「可愛いんだろうなぁ・・・なぁ、カゲゲ。」
頭をそっと撫でられた。
「知るか。」
ジララのセンスは最高にいいから。
当たり外れの外れが無いのだ。
やはりそれを知っている。
シャインは確かに、奴の親友で。
「俺も大佐に服でも贈ろうかなぁ。」
私の、親友だと思ったりして。
「脱がすため、か?」
にっこり笑う不適なその姿に、
「もちろん!」
やっぱり気が抜けない、と思うのだった。