小指ほどの鉛筆

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37 今から……会いに行っていい?(クルル+トロロ)

2008年01月30日 20時28分37秒 | ☆小説倉庫(↓達)
カタカタとキーを叩くクルル。
同じ室内には、穏やかな表情で本を読むドロロがいた。
お互い相手の邪魔をすることも無い。
そんな平和なひとときが続いていた。
「ドロロ。」
時に、クルルはいきなりドロロを呼ぶことがあった。
「何?」
本から顔を上げると、ドロロは一つ伸びをする。
クルルは手を止めようとはしない。
「コーヒーくれるか。」
「うん。ちょっと待っててね。」
それまで座っていたソファーから立ち上がり、奥の調理室へとドロロは消えていった。
クルルのお気に入りは、モアの淹れたコーヒーと、ドロロの作ってくれるもの全て。
そしてありとあらゆるカレー。
ブレイクには大抵、ドロロの淹れたコーヒーを選んでいる。
「ったく・・・あのガキは・・・。」
クルルが手を止めることができない理由。
それは、最近やけに熱心にケロロ小隊のデータをハッキングしようとしてくる、小悪魔の所為だった。
勝手にライバル視していると思ったら、最近になってよく喧嘩を売ってくるようになった。
その子悪魔に、クルルは手を焼いているのだ。
「あーーー・・・うぜえぇ~~~~・・・」
「?どうしたの?」
しばらくすると、コーヒーの香りを携えたドロロがやってきた。
疲れ切ったクルルを見るなり、心配そうにそう声をかける。
クルルはコーヒーを一口飲むと、何かのボタンを押して、ドロロのほうを向いた。
「あぁ、心配ねぇよ。今終わった。」
「そうなの?画面・・・赤くなってるけど・・・」
「俺じゃねぇ。アイツの方が危険なんだぜえぇ~~w」
クックックと笑うクルルの眼鏡が、画面の逆行で不気味に光った。


「あーーー!!」
突然叫びだしたのは、ガルル小隊オペレーター、トロロ新兵。
タルルいわく「絶叫は心臓に悪い」
「ト、ロロ・・・」
たしなめるようにゾルルが名前を呼んだ。
けれども、トロロは怒られたことなど気にしていないとでも言うように絶叫を続けている。
「もーー!!何で何で何でーーーー!!?どうして僕の技術が通用しないのサ!!」
「・・・またクルル曹長か・・・。」
やれやれと首を振るガルルに、トロロは抗議した。
「ほのぼの暮らしてるアイツに、なんで僕が負けるのサ!!おかしいでショ!?」
「落ち着きなさい、トロロ新兵。彼は元々異端児だ。それに年の差というものがあるだろう?経験の差もな。」
「そんなの関係ないでショ!!!」
タルルはどこかでこんな台詞を聞いたことがあったな、と思いながら、腕立て伏せを続けた。
「どうして僕がアイツに通用しないノ!?努力もしたヨ!!なのにどうして何もしてないアイツのほうが上なのさ!!おかしいヨ!!」
「まぁ、そうだな。」
「でしょ!?」
「だが言っただろう?彼は特別だ。誰とも張り合えない。」
ガルルのその一言が、トロロの何かを断ち切った。
けれども空気はそんなに重いものではなく、むしろいつもと変わらないかのように流れ続けた。
それが不自然だという事には、誰もが気づいていた。
「トロロ君・・・?」
プルルが声をかけても、黙ったまま。
ガルルが声をかけても、やはり口を閉ざしたままだった。
「その、ままに・・・してお、け。」
戸惑っている二人にそう告げたのは、ゾルルだった。
「だがゾルル、どう見てもこれはおかしいと思うんだが・・・。」
かなり動揺してきたガルルに、ゾルルは溜息をついただけだった。
プルルとガルルは顔を見合わせると、首をひねった。


異端児・・・特異な人間。
特異な人間、ということは・・・彼は孤立していたんじゃないのか?
どんな過去があったかなんて知らない、というより、興味ない。
けれどもそれが悲痛な過去だったのならば・・・少しくらいほのぼのした生活を送ることも・・・。
じゃあ自分は、そんなほのぼのとした幸せを・・・
彼の少ない幸せな時間を・・・つぶしてしまっていたのか?
自分はどうなんだろう。
幸せなのかな?
この幸せは、どれくらい続くのだろう。
不安だ。
そして、誰とも張り合えない彼。
つまらない生活を送っているのだろうか?
これは、ガルルに聞くのはどうかと思う。
けれども聞きたい。
どうしても、知りたい。





「・・・あ。」
「トロロ君!!よかった・・・気絶してたのかしら・・・。」
「すまない・・・私が何かまずいことを言ったか??」
トロロが気づくと、ガルルとプルルが自分の顔を覗き込んでいた。
「な、何!?」
「何じゃないわよ!いきなり黙り込んだうえに、いくら呼んでも返事しないんだから・・・」
トロロは何がなんだか分からない。
ただ、心配をかけたのだという事だけ、しっかりと分かった。
「はぁ・・・。」
必要以上に思えるほど二人が心配してくるため、トロロは少しだけ身を引いた。


「クルル君、今度はどうしたの?」
いつもの平凡な日々の一日、クルルはいつものように忙しく手を動かすわけでもなく、ただ画面を見つめたまま、じっとしていた。
「・・・」
「何か鳴ってるけど・・・」
先ほどから鳴っているコールに、ドロロは落ち着いて本を読むことも出来ずにいた。
しかもクルルの趣味は最悪で、コールの音も不愉快だ。
「電話・・・?」
「まぁ、同じようなもんだな。」
「とらないの??」
不愉快な音が響き続けていて、頭がぐるぐるしてきている。
「・・・発信・・・ガキなんだよな。」
「トロロ君?」
ドロロが首をかしげると、クルルがヘッドホンからマイクを出して回線を繋げていた。
「あーあー・・・おい、ガキ。なんの用だ?」
『もっと早く出てよネ!!ガルルに見つかったら怒られちゃうでショ!?』
スピーカーから聞こえてきた声の大きさに、思わず耳を塞ぐ。
顔をしかめて回線を切ろうとしたクルルを、ドロロが必死に抑えた。
「てめぇ、親切に通信してやった俺に対してその仕打ちは何だ??(怒 」
「ク、クルル君・・・抑えて・・・」
『何?青い人、居るの??』
子供っぽい無邪気な質問だが、クルルには子供への容赦というものが無い。
「あ?」
ドロロが見ただけでも、クルルがトロロの言った「青い人」に怒っているのが分かった。
ドロロはクルルに微笑むと、一度自分と代わるように言い、優しい声でトロロに話しかけた。
「トロロ君?」
『あ、青い人。』
「僕はドロロ。呼び付けで構わないよ。」
クルルは不満そうだったが、ドロロは別に構わない。
むしろ堅苦しく呼ばれるよりはそうしてくれた方が反応しやすいのだ。
『・・・ま、どうしてもって言うなら、呼んでやってもいいけど・・・ドロロ。』
「おい、ガキ。」
ドロロが笑うと、横で会話を聞いていたクルルがマイクを奪った。
『なにサ。』
「お前結局何の用があんだよ。」
『メールじゃどうせ見てくれないでショ?・・・えっとさ・・・今から・・・・・・会いに行っていい?』
クルルが口をぽかんと開けたまま、固まった。
「クルル君、口、開いてる。」
「あ、あぁ・・・。」
「どうかしたのかな、トロロ君。普段ならそんなこと言わないのに。」
『ちょっと聞きたいことがあるんだヨ。』
そう言うと、トロロはすぐに回線を切ってしまった。
反対する間もなかったクルルは、苛立ちを隠すことが出来ずにキーボードを叩いた。


タッタッタというリズムカルな音が、通路に響いていた。
自室で銃を磨いていたガルルは敏感にその音を聞き取り、手を止めると立ち上がった。
「ガルル!!」
扉を勢いよく開けて飛び込んできたトロロを受け止めると、もう一度椅子に座りなおす。
「なんだ、トロロ新兵。そんなに慌てて。」
「べ、別に慌ててなんか無いヨ!!」
「そうか?」
「そうサ・・・で、あのさ・・・ちょっと・・・出かけてくるから。」
途切れ途切れにそう告げたトロロに、ガルルは少しだけ驚いた。
「珍しいな、外か??」
「まぁ、そんなトコ。」
それだけ言って部屋を出て行こうとしたトロロは、慌てすぎて、前方から来たゾルルに衝突してしまった。
「ゾ、ゾルル!!」
「何を、急いで・・・いる。」
「だーかーらー!!別に急いでないってば!!」
ゾルルはいきなりのことにキョトンとしているように見えた。
「だか、ら?」
「あー・・・えっと、さっきガルルにも同じこと言われたノ。」
ゾルルはのんびりと銃を磨いているガルルをちらりと見た。
「ねぇ、ボクってそんなに急いでるように見える??」
そう質問してきたトロロに、ゾルルはコクンと頷いた。
「そんなに?」
またしても頷く。
「どこら辺が??」
ゾルルとガルルはお互いに目を合わせ、苦笑した。
「トロロ新兵、今の君が急いでいるように見えなかったのならば、よほどの無神経だよ。」
「そ、そこまで??;」
「なぁ、ゾルル。」
「ん。」
あたふたしているトロロを微笑ましく見つめていたガルルは、思いついたように口を開いた。
「で、何所へ行くんだ??」
「え。」
「出かけるときは何所へ行くか、何時に帰るかをちゃんと伝えろ。」
「ボクを子供扱いしないでよネ!!!」
子供扱いが嫌いなトロロはギャーギャーとわめきだした。
何とかしてくれと言うかのようにゾルルを見てくるガルルに、ゾルルは自業自得だと言い放った。
それでもゾルルは溜息を一つつき、トロロに言った。
「地球・・・だろ。」
ゾルルが言ったことが図星だったのか、トロロが口をつぐんだ。
「じゃ、じゃあもう行くからね!!」
逃げるように走っていったトロロを、ゾルルはじっと見つめていた。


「あ。」
「そうちょーーーーー!!!」
ちょうど昼時、ラボに元気のいい子供の声が響いた。
「・・・」
「いらっしゃい、トロロ君。」
「・・・何の用だガキ。」
ドロロが笑顔で迎えてくれたのに対し、クルルは不機嫌極まりない様子でトロロを出迎えた。
そんなクルルに、トロロが意地悪い口調で問う。
「何?ドロロと二人ラブラブのとこ邪魔しちゃった??」
「と、トロロ君!;」
ドロロが顔を赤くし、肝心のクルルは平然とした様子で答えた。
「あぁ。」
「ククク、クルル君!?」
動揺しているドロロの頭にぽんと手を置くと、クルルはトロロを見下ろした。
トロロはムッとして立ち尽くしている。
「で??何を聞きたいって??この俺様に。」
ニヤリと笑ってそう聞くと、トロロは下を向いてしまった。
ドロロが首をかしげてクルルを見上げると、クルルも首をひねっている。
「えーっと・・・なんかこんなこと聞くのもボクらしくないんだよネ~・・・。大したことじゃないんだけド・・・。」
「もったいぶるな。」
クルルは画面の前においてある椅子に座り、ドロロはその横に立った。
トロロは床に座り込むと、重い口を開いた。
「そうちょーは「いたんじ」なの?」
クルルはその言葉を聞くと、トロロへと向き直った。
「誰がんなこと言った?」
「ガルル。」
「・・・そうか。ガルルがな・・・。」
どこか遠くを見るようなクルルに、トロロは少しの罪悪感を覚えた。
言うべきことではなかったのでは、と。
「言わなきゃよかったかナ?」
「で?結局お前は何が言いたいんだ?」
「えっと・・・でね、ガルルが言ってたんだけどサ、そうちょは誰とも張り合えないって。本当にそうなの?ライバルとか、居ないの?目標は?」
矢継ぎ早に質問をぶつけるトロロを、クルルはジッと見つめていた。
そんなクルルを、ドロロが知的な瞳で見つめていた。
「俺に勝る奴が居るとでも思ってんのかよ。」
「・・・いないの?」
「多分な。」
「じゃあ、目標にしている人とかも、いないの?」
「・・・・・・・・多分、な。」
クルルの表情が寂しそうだったのは、トロロの見間違いだっただろうか?
「それって幸せ??」
「は?」
「自分が一番で、もう目指す人も張り合う人も居なくて・・・サ。」
ドロロがトロロを見て微笑んだ。
まるで、「よく気がついてくれたね。」と言っているようだった。
その微笑に、クルルの微笑が加わった。
「お前は、どう思うんだよ。」
「ボク?ボクは・・・それは幸せとは・・違うと思う。」
「負け惜しみかぁ?」
ニヤリと笑ったクルルに、いつものような意地悪さは見当たらなかった。
「そうじゃなくて!!・・・それは、一時の満足でショ?」
「・・・一時の満足にすらならねぇよ。」
笑みが消えた。
悲しそうな目をしているだなんて、このときを除けばトロロは思うことも無かっただろう。
「ガルルは分かってたんだろうな。」
俺が頂点を目指すと共に、墜落を望んでいたことを。
知識を得ると共に、崩壊していくということを。
「異端児、確かに俺はそう呼ばれていたぜぇ。けどな、ガルルは俺に容赦しなかった。特別扱いもしなかったし、変な目で見ることも無かった。それがどんなに不思議なことか・・・そのときの俺には分からなかったぜ。」
「ガルルが?」
「ガキ。お前はいい隊長に恵まれたと思うぜぇ~・・・こんなこと今後一切言わないつもりだ。よく覚えとけ。」
そして目をつぶった。
「幸せかと聞かれて頷いたらウソになる。だが・・・まぁ、今は幸せなんじゃねぇのか?なぁ、ドロロ。」
「そう、だね。」
ドロロがにっこりと微笑んだのと同時に、クルルにも笑みが戻った。
やはりクルルは今、幸せなのだ。
彼が彼である限りは、不幸は続く。それでも、今は幸せでいられるのだ。
このひとときを邪魔してはいけない。
この二人の幸せを、一時すらも奪ってはいけない。
「そう。じゃあそうちょは今幸せなんだネ?」
「・・・とりあえずな。」
「ありがと。それだけだよ。じゃ、もう帰るね。邪魔したヨ。」
そう言って立ち上がったトロロに、クルルが最後に質問した。
「アンタの目標やライバルは、誰だ?」
「・・・」
トロロは少しだけ迷ってから、口を開いた。
「陰険陰湿で引きこもりな、嫌な奴だヨ。」
そして、ドアへと駆けていった。
ラボを出る直前、声が聞こえた気がする。

「いつかは越えられるといいなぁ?」

全く、本当に嫌な奴だ。
ボクが超えられるように願ってるんじゃなくて、自分を超えてくれることを願っているんでショ?
でも、これでアイツにはライバルが出来たって事だよネ。

ボクという名の、強豪が。

アイツが望んだんだ。
ボクはもう、関わるつもりはなかったんだから。
それでも少しだけそれが嬉しいと思ったのは、彼を目標としていたからだろうか?

あぁ、きっと超えて見せるサ。

アンタが異端児なんかじゃないって、証明してやるサ。

それが望みなんでショ?
それでこそ本当の、幸せを手にすることができるんでショ?
なら、それでいい。
頑張るから。

また、相手してよネ。


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なんかゴチャゴチャとしちゃいましたね(汗
でもなんか満足できました。
やっぱりトロロは良い!!
すごく使える子!!(ぇ

次はなんの台詞を消化しようかな~~ww

雨上がりのコンクリートは、水を得て輝いていた。

2008年01月30日 18時02分59秒 | ☆Weblog
今日も朝、瀬戸内海に遭遇しました。
「おはよ。」って言った私に、相変わらずあいさつを返しませんでした。
切ないね~~。
あいさつくらい返そうよ(涙

で、それで朝からへこんでたんですがね・・・。
音楽の時間が終わって友達を待っている間に、次の時間に音楽室を使う2組がやってきたんです。
瀬戸内海ももちろん。

そこで・・・「久しぶりだー」って・・・アイツ、言ったんです。
今まであいさつ無視してきたのは何所の誰だよ。って感じですね。
「なんだよ!朝のあいさつは無視するくせに!!」って言ったら、
「なんかきしめんみたいなのが通ったなーって思った。」って笑いながら言うんですよ!?
まったく・・・酷い人だ・・・。
アイツ、クルルが好きみたいで、私のファイルにいたクルルを・・・。
まぁ、んで、久しぶりに話したっていうか、遊んだっていうか・・・。
「授業、始まるよ。」
のアイツの一声で、友達においていかれたことに気づいた。
酷いよね。
置いていくなんて・・・(涙
次の時間には間に合ったよ。
どうにか。

なんでこうやって話すだけのことが出来なくなっているんだろう。
そもそも瀬戸内海が朝のあいさつを返せばいい話じゃないか!!
なんで返さねぇんだよーーーー!!!
そうすりゃ私がこんなに悩むことないのにーーーー!!!