イスラエル・ハイテクベンチャーCEO兼CSの脱&非日本仲間日記

イスラエルの情報科学ハイテクベンチャー会社のCEO兼CSの脱日本&非日本仲間10名が発信する日本への警鐘!

「事象は類型する:『サルでもわかるノバルティスの臨床研究不正事件』」

2018年03月02日 | エセ化・オカルト化する科学・技術と世界

「事象は類型する:『サルでもわかるノバルティスの臨床研究不正事件』」


Bushido:三流会社の三流社長と三流社員たち、三流大学&研究機関の三流「研究者」たち、三流の小惑星たちのゴミ、彼らは、有りもしない虚構を作り出し、宣伝し、関わりを深め、何らかの利得を追い求めるものだ。古今東西繰り広げられてきた事象であり、類型するものである。だが、その虚構は直ぐにばれるものだ。内実がないからである。

その一つとして、「ノバルティスファーマ・ディオバン事件」を取り上げる。

事件は、2014年1月9日に、厚生労働省はノバルティスファーマに対して(告発対象者は氏名不詳とした)薬事法(誇大広告の禁止)違反の疑いで、東京地方検察庁に告発した。2014年6月11日までに、東京地方検察庁は、ノバルティス元社員の男 (63) を、薬事法の誇大広告違反に抵触するとして逮捕した(スイス製薬大手の日本法人ノバルティスファーマ(東京)の高血圧症治療薬の臨床データを改ざんし、学術論文に投稿させたとして薬事法違反(誇大広告)罪に問われた元社員)。2017年3月16日、東京地裁の三流裁判長辻川靖夫は元社員に対し、「症例の水増しなど意図的な改ざんがあった」「同社から研究者側に多額の寄付金が提供されたことや、被告がさまざまな改ざんを重ねて薬の有用性を示す論文発表に大きく関与した」と認めた上で「論文を作成して学術雑誌に掲載してもらった行為に、医薬品の購入意欲を喚起させる性質があるとは言い難い」とし、薬事法違反を無罪とする判決をした。37回に及ぶ公判の中では、「自発的に虚偽の報告をした」などと自ら改ざんを認める医師の存在に加え、検察側が指摘した改ざん以外にもカルテとデータが異なる例が複数存在していることが明らかにされた。検察は当然控訴した。間違いなく、第一審は破棄、有罪となろう。


図1:毎日新聞 ノバルティスファーマ・ディオバン事件 2014年6月2日

以下は、ある薬剤師のつぶやきだ。「 ディオバンの問題でとうとう逮捕者が出てしまいましたね・・。現場で働く薬剤師の皆さんなら、メーカー主催の勉強会でこう思ったことはないですか?「これって、自社製品にとって都合のいいデータばかり見せてんじゃないの?(笑)」統計データって見せ方でどうにでもできるんですよね。グラフの目盛りを変えるだけですごく効果が出たみたいに見せることも可能です。要は作図の技術で、かなりの部分お化粧できるということです。でも今回のディオバン事件はちょっと事情が異なります」。


1.何が問題か?

問題1:利益相反

ノバルティスの社員が身分を隠して、ディオバンの優位性を確認する論文実験に加わっていた。

⇒たとえて言うなら、受験の問題の採点を受験生自身に行わせていたのと同じことですね。
しかも自分が受験生でないふりをして、採点側に回っていた。
不正行為をするつもりがなくても、倫理的に問題がありますよね?
普通は利害関係のない第三者が行うべきです。

問題2:論文データの改ざん

問題1で指摘したように、受験生に自分の答案を採点させている状態を想像して下さい。
まあ、そうした状況でやることはひとつですよね?
そう、自分の点数が上がるように答案用紙を消しゴムで消して書き直してました!
さらに、ディオバンを服用していないグループの脳卒中発生件数も改ざんしていたことがわかっています。
つまり、自分以外の受験生の採点にも手を加えて、正解でも×にして点数を下げていたということです。

問題3:利益供与

 ノバルティス側から研究に参加してくれる大学に多額の寄付金が渡っていた。また対象患者確保の勉強会の費用もノバルティスが負担し
医師個人にも講演の謝礼を支払っていた。
これは、採点者の所属する組織に寄付金を渡して、採点者自身にもお小遣いを渡していたのと同じですね。


2.ノバルティスファーマの罪

 今回の事件(とうとう逮捕者が出てしまいました)は非常に重大な問題を含んでいます。

処方薬の選択というのは、当然、「効果・効能」を基に医師が判断を行います。

そして、この「効果・効能」つまり「この薬は何に効くか?、またどういった効果が期待できるのか?」というのは、非常にシビアな統計解析に立脚して判断されます。

 統計的に有意か否かがすべてです。
「効果・効能」を謳えるのは唯一、『医薬品』だけなのです。
よって、その統計データならびに統計解析は神聖かつ不可侵なもののはずです。

統計データはすべての基点になるものであって、ここがデタラメだと、そこから派生するすべてのものがデタラメになってしまいます。

そして、上記の不正行為の甲斐あって!?、ディオバンは発売から14年で1兆2千億円も売れました。

ARBは各社強い商品が多いです。
ニューロタン(ロサルタン)、ブロプレス(カルデサルタン)、ミカルディス(テルミサルタン)、オルメテック(オルメサルタン)など

そもそも嘘の優位性ゆえに他社のARBではなく、ディオバンを処方薬として医師が選択したということであれば、当然その選択は誤りであったということになります。

 少なくともディオバンである必要は全くなかったということになります。

本来、異なるARBが選択された可能性が十分あったことは明白です。


3.本当に逮捕された社員ひとり犯行なのか?

 ところで今回の事件、逮捕された元ノバルティス社員単独の犯行なのでしょうか?それとも会社ぐるみの犯罪なのでしょうか?

冷静に考えて、一人の社員がこのような組織的な犯罪を企てられるとは思えないですね。

元・社員というところが、また臭いますよね(笑)トカゲのシッポ切り的な・・・・。
 元社員の違法業務を黙認あるいは指示した上司がいるはずなんです。

 そもそも、ゆがんだ愛社精神だけで自社製品のプロモーション活動しても、逮捕された社員にはほとんどメリットがありません。
あくまで僕の推測ですが、業務の内容からして、相当上級の管理職(経営層)の人間が関わっているんじゃないかと・・。

 実はこの問題は、2007年4月にLancet誌で発表された東京慈恵会医科大学の「Jikei Heart Study」の段階から、多くの学者によって信頼性が低いとの指摘を受けていました。論文に怪しい点が多々あったからです。

仮にノバルティス日本法人が全くこの件に関与していなかったとして、内外からの様々な指摘に対して社内調査ならびに医師主導臨床研究の運用の中身について調査を行わないはずがありません。

 遅くともこの段階(2007年4月以降)ではノバルティス側は自社社員の臨床研究への関与を知ることができたはずです。
しかし、実際にノバルティス日本法人が自社社員の臨床研究参加を認めたのは、2013年5月22日です。

まあ、あくまで推測の域を出ませんが、かなり怪しいですね。隠蔽しようとしていたと思われても仕方ないですね。

結局、これからの捜査の行方を見なければ、一個人の犯行なのか、会社ぐるみの犯行なのかわかりませんが。

 ひとつだけ言えることは「ディオバンが虚偽の臨床研究成果に基づいて、他ARBより優位である」と誤認され医療の現場で医師に選択され、処方された(売上げた)という事実です。


4.ノバルティスが負うべき罰

本来ディオバンは降圧作用を考える限り、他ARBと同じく非常に優れた薬です。

 不正な臨床研究結果を出さなくても相応に医師に処方薬として選択されたでしょう。ただ今より売上げは確実に小さいものになっていたことは明白です。

例えば、1000円のものを万引きしてバレたら、「すいません、1000円お返ししますから許して!」では済まされません。当然、民事罰と刑事罰の両方を科せられるでしょう。

 今回の事件においては、懲罰的な意味も含めて、国はノバルティスファーマに過去レセプトで請求されたディオバンの薬剤料の全額を国庫に返還させるべきでしょう。(正確には、保険支払い分を各社健康保険組合、国民健康保険、政府管掌保険に返還、患者自己負担分を国庫に返納)
金額にしてざっと1兆2千億円になります。

 ノバルティス日本法人は株式公開してませんので、正確な利益額は不明ですが、毎年売上げが3200億円ですので、ざっくり年間300億円くらいの純利益は出していると思います。

 加えて製薬メーカーの内部留保はかなり多額ですので、仮に現金で5000億円あると考えたとしても、1兆2千億円の返還を求められたら一瞬で債務超過に陥り、ノバルティス日本法人は経営危機に陥ってしまうことになるでしょう。

ただ何らかのケジメはつけないとダメですね。


5.本当にノバルティス日本法人だけの問題?

僕は製薬メーカーと大学と言うのは癒着しやすい関係にあると思います。
研究費の欲しい大学、論文を有名雑誌に投稿し名前を載せたい学者、そして自社製品の売上げを上げるため学会のお墨付きが欲しい製薬メーカー。

 これから捜査が進むにつれて、さらにおぞましい内情が暴露されてくる気がします。
さらなる逮捕者が出てもおかしくないでしょう。

今回のノバルティス日本法人の臨床研究不正事件は氷山の一角じゃないでしょうか?
ノバルティス日本法人のみならず、製薬業界と医学会全体の問題と考えるほうが自然ですね。

パンドラの箱は開かれようとしています。良識と良心のある研究者によって、早い段階から不正が指摘されていた点がパンドラの箱に残った希望なのかもしれませんね。


図2:医学研究とCOI




Bushido (narmuqym, 旅するベテラン, invisible-force, Hetero, MASADA, rainbow, weather_F, anti-globalism, geno_computing, Bushido)
================================
  国際的にビジネスを行ってきたハイテク関係者のグループとして、警鐘を発信する。時事的な問題や長期的観点での警鐘に留まらず、趣味的な事柄まで幅広くメンバーの自由な意思でWebLog掲載することにした。メンバーのプロファイルは以下の通りである。

  narmuqym:HP&SUN研究所を経て、米国にハイテクベンチャー設立。最先端ニューラルMPUの研究開発を推進。現在はイスラエルのハイテクベンチャーのチーフサイエンティストに就任。知能の情報処理の根源を研究している。

  旅するベテラン:東芝中央研究所、半導体事業所にて高密度メモリーのプロセス及びデバイス開発に従事するも、バブル崩壊により全滅の定まった日本の半導体業界を去り、韓国サムソン中央研究所にて、韓国半導体技術を育成指導。現在は台湾の最大手半導体会社にて、高付加価値半導体事業を統括、取締役。

  invisible-force: ウイスコンシン大学、イスラエル工科大学教授。細胞内量子論的化学物理過程の情報処理、核外化学構造体の情報、DNA合成、大腸菌内DNA置換、動物細胞内DNA置換、神経細胞の情報処理、知能と学習などの研究に従事。イスラエルのバイオハイテクベンチャーCEO。

  Hetero:ベル研究所にて化合物半導体物性、超高周波デバイス、マイクロ波集積回路の研究開発に従事し、世界初の衛星放送システムを開発。レイセオンにて巡航ミサイル飛行制御システムの開発、イージズ艦戦闘情報処理&アタック制御システムの開発に従事後、イスラエルにハイテクベンチャーを設立。情報デバイド解消型の新型情報端末の研究開発に取り組む。

  MASADA:日電にて衛星通信システム、超多重無線伝送方式、通信路確立制御方式の研究に従事後、米国のATTに移り携帯電話システムの研究開発、その後次々世代MM携帯電話方式を完成。シリコンバレーにてハイテクベンチャーを興し、通信大手を圧倒している。

  rainbow:ウエスチングハウスにて原子力発電の研究開発に従事、その後GEにて新しいエネルギー変換方式の研究、各種発電方式の研究に従事。その後、シリコンバレーにハイテクベンチャーを興し、超低コスト新型太陽電池の研究開発を推進。その後、太陽電池・風力は永遠に採算の取れない環境破壊の元凶であると喝破し、コンパクトな自律原子力発電方式の研究開発に戻る。

  weather_F:スタンフォード大にて環境気象及び資源の代替化を研究。気象センターにて地球規模大気循環シミュレーション、環境変動の研究に従事した後、ミニマム生活を提唱するNPOを設立し、代表として啓蒙活動に取り組む。

  anti-globalism:ハーバード大準教授後、日・イ間のハイテクベンチャー協業支援、事業戦略支援会社を日本とイスラエルに設立、妻は日本人。現在はハーバード大ビジネススクール教授。

  geno_computing:モスクワ大学・分子生物学教授を経てイスラエルに移住。テクニオン教授を経て遺伝子工学のベンチャー設立。DNAによるコンピューターの研究をメインに新しいセンサーによる次世代シーケンサー及び解析ソフトウェアを開発。

    Bushido:日立中央研究所にてRISCプロセッサー及びDSP、また画像処理システムLSIの研究開発に長年従事し、古い友人の大崎博士には様々に感化を受け、国際的視野に立っての仕事をすべく、日立中研を退社してサムソンに招かれ、現在サムソン電子の終身フェローの立場にあり、イスラエル・ハイファにて、自由な立場で異分野も含めて新しい発想にチャレンジ。MASADAとは剣道仲間。5段。
================================

この記事についてブログを書く
« 「PEZYスパコン詐欺事件... | トップ | 「PEZYスパコン詐欺事件... »