前巻で、無事に日光社参における役割を果たした坂崎磐音クン、久々に父・正睦に会いたいところですが、無断脱藩の身の上です。佐伯泰英著『驟雨ノ町~居眠り磐音江戸双紙(15)』は、そんなところから始まります。
第1章「暗殺の夜」。この章では、父正睦が、藩主実高とともに江戸城に招かれ、猿楽見物の席で、佐々木玲圓に会い、言葉をかわします。しばらくして、今度は正睦が、豊後関前藩の屋敷に、今津屋・若狭屋らを招き、藩主実高が直々に藩財政再建への協力を感謝する場を設けます。磐音も今津屋の後見として同席しますが、その席で、酔った勢いで由蔵さんがズバリ言っちゃった。
一応失礼を詫びた形にしてはいるものの、ちゃんとOKを取るとは、さすがに由蔵さんは老練な商売人です!
今度は磐音クン、宮戸川の屋根舟に、おこんさんと一緒に正睦・金兵衛の二人を招きます。で、正睦さんが金兵衛さんに、「倅の嫁に貰えぬか」と正式に申し込み。我が家の娘なら、「貰うだのくれるだの、アタシはモノではな~い!」と息巻きそうですが、一応舞台は江戸時代ですので、双方の親が承知しなければいけないわけですね。
最後の福坂利高による正睦暗殺未遂事件は、豊後関前藩大粛清の前触れとなりました。
第2章「暑念仏」。関前藩大粛清の後、磐音、おこん、由蔵が正睦らの船を見送ります。今度の難儀は、宮戸川で奉公中の幸吉の失踪です。おそめは気が気でないようですが、ことは単に幸吉の焦り、せっかちにすぎません。しかし、これに事件・捕物がからむとなれば、安否が気づかわれます。
第3章「鰍沢の満エ門」、第4章「富士川乱れ打ち」は、捕えられた盗人一味を護送する役目を引き受けた、磐音・柳次郎・武左衛門のトリオの苦難(?)の顛末です。正直、なんで南町奉行所のお役目を民間人が引き受けるのか、面白いことは面白いのですが、なんともこのむちゃくちゃな想定の理解に苦しみまする(^o^)/
第5章「蛍と鈴虫」。例によって3,500両を手にしたのは南町奉行所の笹塚孫一ですが、話の流れがいささか強引な展開のような気がしないでもない。むしろ、今津屋を狙った押し込み未遂事件解決のユーモアや、幸吉・おそめの再会のエピソードの健気さ・可愛さの方が、ずっと印象的でした。
どうも、前巻の日光社参という大きな流れの後のせいか、鰍沢の満エ門の話が、なんだか唐突な、座り心地の悪いエピソードに感じられてしまいます。また、作者の展開の常として、磐音とおこんの仲が少しずつ進展するたびに、引き立て役のように悲劇のヒロイン白鶴太夫こと小林奈緒さんが登場しますが、たぶん次巻で出番があるのでは?そんな野次馬気分も含めて、次巻に期待、といったところでしょうか。
第1章「暗殺の夜」。この章では、父正睦が、藩主実高とともに江戸城に招かれ、猿楽見物の席で、佐々木玲圓に会い、言葉をかわします。しばらくして、今度は正睦が、豊後関前藩の屋敷に、今津屋・若狭屋らを招き、藩主実高が直々に藩財政再建への協力を感謝する場を設けます。磐音も今津屋の後見として同席しますが、その席で、酔った勢いで由蔵さんがズバリ言っちゃった。
ご家老様、坂崎家のご嫡男には町娘にても構いませぬか
一応失礼を詫びた形にしてはいるものの、ちゃんとOKを取るとは、さすがに由蔵さんは老練な商売人です!
今度は磐音クン、宮戸川の屋根舟に、おこんさんと一緒に正睦・金兵衛の二人を招きます。で、正睦さんが金兵衛さんに、「倅の嫁に貰えぬか」と正式に申し込み。我が家の娘なら、「貰うだのくれるだの、アタシはモノではな~い!」と息巻きそうですが、一応舞台は江戸時代ですので、双方の親が承知しなければいけないわけですね。
最後の福坂利高による正睦暗殺未遂事件は、豊後関前藩大粛清の前触れとなりました。
第2章「暑念仏」。関前藩大粛清の後、磐音、おこん、由蔵が正睦らの船を見送ります。今度の難儀は、宮戸川で奉公中の幸吉の失踪です。おそめは気が気でないようですが、ことは単に幸吉の焦り、せっかちにすぎません。しかし、これに事件・捕物がからむとなれば、安否が気づかわれます。
第3章「鰍沢の満エ門」、第4章「富士川乱れ打ち」は、捕えられた盗人一味を護送する役目を引き受けた、磐音・柳次郎・武左衛門のトリオの苦難(?)の顛末です。正直、なんで南町奉行所のお役目を民間人が引き受けるのか、面白いことは面白いのですが、なんともこのむちゃくちゃな想定の理解に苦しみまする(^o^)/
第5章「蛍と鈴虫」。例によって3,500両を手にしたのは南町奉行所の笹塚孫一ですが、話の流れがいささか強引な展開のような気がしないでもない。むしろ、今津屋を狙った押し込み未遂事件解決のユーモアや、幸吉・おそめの再会のエピソードの健気さ・可愛さの方が、ずっと印象的でした。
どうも、前巻の日光社参という大きな流れの後のせいか、鰍沢の満エ門の話が、なんだか唐突な、座り心地の悪いエピソードに感じられてしまいます。また、作者の展開の常として、磐音とおこんの仲が少しずつ進展するたびに、引き立て役のように悲劇のヒロイン白鶴太夫こと小林奈緒さんが登場しますが、たぶん次巻で出番があるのでは?そんな野次馬気分も含めて、次巻に期待、といったところでしょうか。