電網郊外散歩道

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映画「ビリーブ 未來への大逆転」を観る

2019年05月22日 06時04分13秒 | 映画TVドラマ
全国的に雨降りで、畑仕事はお休み。妻と映画を見に出かけました。「ビリーブ 未來への大逆転」(*1)です。

私が10代の頃、米国では公民権運動やベトナム反戦運動が盛んでした。この映画は、その頃の実話をもとにしているのだそうです。脚本は、2010年、ルースの夫マーティンの葬儀の際に送られた弔辞の内容に興味を持った実の甥が、「スーパーおばさん」の若い頃の訴訟記録をもとに書き上げたものらしい。公式サイトによれば、こうです。

時は1970年代、アメリカ。女性が職に就くのが難しく、自分の名前でクレジットカードさえ作れなかった時代に、弁護士ルース・ギンズバーグが勝利した、史上初の〈男女平等〉裁判。なぜ、彼女は法の専門家たちに〈100%負ける〉と断言された上訴に踏み切ったのか?そして、どうやって〈大逆転〉を成し遂げたのか?
ルースを演じるのは、『博士と彼女のセオリー』でアカデミー賞®にノミネートされたフェリシティ・ジョーンズ。彼女を信じ、支え続けた夫のマーティンには『君の名前で僕を呼んで』のアーミー・ハマー。さらに、『ミザリー』のオスカー女優キャシー・ベイツが伝説の弁護士役で出演。貧しさと差別をバネに、弱い立場の人々と手を組んで、権力に立ち向かうルースの逆転劇に、心の拳を高く振り上げずにはいられない。

貧しいユダヤ人家庭に生まれたルース・ギンズバーグは、「すべてに疑問を持て」という亡き母の言葉を胸に努力を重ね、名門ハーバード法科大学院に入学する。1956年当時、500人の生徒のうち女性は9人で、女子トイレすらなかった。家事も育児も分担する夫のマーティンの協力のもと首席で卒業するが、女だからというだけで雇ってくれる法律事務所はなかった。やむなく大学教授になったルースは、70年代になってさらに男女平等の講義に力を入れる。それでも弁護士の夢を捨てられないルースに、マーティンがある訴訟の記録を見せる。ルースはその訴訟が、歴史を変える裁判になることを信じ、自ら弁護を買って出るのだが──。

たしかに、大きな、歴史的な法廷逆転劇です。

むしろ、当方が心を動かされたのは、頑固で気難しい母親を介護する独身の男性が、男性には介護補助者を雇う費用が控除されないという当時の税法の矛盾を一身に引き受けているところ。実際の税の控除額はわずかかもしれないけれど、法が「親を介護する男性は助けない」と宣言しているようなもので、老老介護の高齢社会に突入した現代に意味するところは大きい。

夫マーティンや娘に支えられながら法廷に立ったルース・ギンズバーグの弁論は、前半は判事に押されっぱなしですが、後半は技術的各論ではなく、批判された「ラディカルな社会変革」という言葉を手がかりとし、歴史的見地に立った訴えが見事です。見事なスピーチと感じました。



主題歌とは別に、劇中の音楽の取り入れ方が印象的。LPで「フィガロの結婚」序曲が流れますが、これは当時の貴族社会への風刺をオペラ化したモーツァルトの意味を象徴するものかも。また、壁にはヴェルディの歌劇「アイーダ」のポスターらしきものがちらりと見えました。

(*1):映画「ビリーブ 未來への大逆転」公式サイト

※公式サイトのスクリーンショットを貼り付けようかとも思いましたが、肖像権だとか色々とうるさそうで、大人の判断でやめました。代わりに、季節の花を。


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