電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩。時々は実際に散歩を楽しみます。

田舎にUターンしてわかったこと

2018年07月09日 06時03分39秒 | 週末農業
日曜日の朝は、小雨模様の曇天の下、地域住民が近くの河川の堤防に集合し、草刈りボランティアに従事してきました。老人とご婦人方は空き缶やゴミを拾い、若い人や壮年の男性は、手に手に草刈り鎌や動力刈払機などを持ち、ぼうぼうに伸びた堤防の草を刈り取ります。途中の休憩タイムは、ご近所以外の知り合いと話をする貴重な時間です。そういえば、若い頃はこういう行事に参加するのが嫌だったけれど、今はすっかり慣れたなあと、思わず懐古的な気分になりました(^o^)/

当方、田舎で生まれ育ち、若い時分に都会に憧れて、学生時代はある程度の都会で過ごしました。ご多分にもれず、田舎の閉鎖性と保守性、人間関係のしがらみ等、いろいろと批判的に見ておりました。ところがよく考えてみると、子供時代に田舎の閉鎖性や保守性を痛感するような経験はしておらず、しがらみを批判するほどの人間関係など、クラスメートとの付き合い程度で、実は持ちあわせていなかったのです。では、なぜこうした見方をするようになったのか。それは、たぶんテレビや新聞雑誌など、マスコミの影響だったのでしょう。石坂洋次郎『青い山脈』がドラマ化され人気を博していましたが、他の学園ドラマでも、地域の有力者と結託する学校の管理職の描き方など、今思えば実にステレオタイプなものでした。実際に経験した中学生時代、校長先生は気骨ある立派な先生と思いましたし、ドラマと実際は違うと感じておりました。

ある程度の都会で暮らした学生時代は、自由で無責任なものでした。アパートの生ごみなどは、決まった場所に出すとアパートの大家さんが整理してくれておりましたし、責任感も薄く、ゴミの日もよくわかっていませんでした。地域行事なども知らず、自分の世界だけで世の中とは関わらずに生きていけるものと錯覚しておりました。

ところが、大学卒業後に関東某県に就職し、結婚や父の病気などを理由に田舎にUターンして、子育てをしたり父の没後に果樹園農業を受け継いだりしてみると、自分の生活と地域との関わりが次第に見えてきます。都会では保育園の待機児童問題があるけれど、田舎ではそういう問題はまず起こりません。なぜなら、地域コミュニティの中で子供の数はすぐに把握され、何年後には同学年の園児・児童数が何人になるか予測できますので、行政が先手を打って対策を立てています。
地域の河川管理は一部地域のボランティアにまかされていますが、これは洪水を防ぐための堤防の健全な維持が地域の防災に直結するからで、参加を強制しているのではないかと文句を言うと、逆に認識が足りないよと言われてしまうでしょう。確かに、80歳以上の一人暮らしの老人は免除されており、当日どうしても都合がつかない世帯は負担金(1000円)を払うことで免除されるのですから、むりやり参加を強制されるという批判はあまり当たっていないと言えます。

田舎に戻ったばかりで、都会の自由な暮らしに慣れた目には、田舎の閉鎖性・保守性、人間関係のしがらみなどと映ったものが、たしかに合理的な理由で維持されている慣習であると感じるようになりました。むしろ、都会の中心部の清潔さや美観は、実は多くの裏方の人々による分業と下積みの努力によって維持されているため、それが表面に見えてこないだけであり、人口の少ない田舎ではそれを自分たちで分担しなければならないというだけなのではなかろうか。



週末農業の記録:(1)モモの灰星病対策防除、(2)スモモ「大石早生」収穫。
雨降りのため、あとは休養。

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2 コメント

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都会と田舎 (おなら出ちゃっ太)
2018-07-10 22:27:27
一般的には「田舎のしがらみ」と見えることも、よくよく考えてみると実に合理的な運用であるのですね。
考えてみれば、そうでなければシステムが何十年も何百年も続くはずがありませんね。もちろん世の中の進歩(といえない部分もあるだろうけども)にそぐわないこともあるかもしれませんが。
都会の自由気まま、というのは実は無責任に過ぎないのかも。知らないところで知らない作業に従事して働く人たちの見えない努力や労力を知ろうともしていないだけかも知れません。
おなら出ちゃっ太 さん、 (narkejp)
2018-07-11 05:17:09
コメントありがとうございます。田舎の一部には、入会権や水利権をもとに構成された村落共同体があり、都会から田舎に憧れてIターンした人が受け入れてもらえないと憤慨することもあるようです。この場合、田舎の側が町内会的側面と入会権に関わる組織を分離することが大事で、当地では水田を所有する農家は農事実行組合を組織し、非農家を含めた区自治会とは別になっています。総会は同じ日に開催し、農事実行組合の総会を先に、区自治会総会を後に行います。このへんは、合理的ですね。
都会は人口が多いので、地域を維持する基本的な労務に「従事しなくても良い人が多い」だけなのではないかと思います。田舎のしがらみへの批判のうち、結構な割合が「見えていない」だけなのかもしれないと思いますね〜(^o^;)>poripori

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