電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

山響スペシャルコンサートを聴く

2015年10月14日 20時27分58秒 | -オーケストラ
10月13日、飲食店が軒並み定休日となる火曜の夕方、しかたなく某ファミレスで夕食をすませた後、山形テルサホールに向かいました。ちょうどよいタイミングで、待ち合わせていた妻と一緒に指定席に座ることができました。今回は、申し込みが早かったのか、二階席最前列の正面というバッチリのポジションです。開演前に、山形放送の青山友紀アナウンサーから山形国際ドキュメンタリー映画祭の大久保事務局長の紹介があり、今年は隔年開催で14回目となりますので、この映画祭が27年前に始まったこと、前回は初めて山響とのコラボが実現したけれど、時間が20分しかとれなくて申し訳なかったこと、今年はスペシャルコンサートという形で実現され、たいへん喜んでいる、とのことでした。今年の「国際ドキュメンタリー映画祭」参加作品の中で、「ラストタンゴ」という作品は全編これ音楽というもので、映像と音楽が言語の壁を超えるという好例と紹介されました。

ステージの中央にグランドピアノが据えられ、その奥の指揮台を囲むように、左から1st-ヴァイオリン(8)、チェロ(5)、ヴィオラ(5)、2nd-ヴァイオリン(7)という対向配置で、コントラバス(3)は左端に配置されています。中央奥には木管楽器が二列に並び、前列にフルート(2)とオーボエ(2)、後列にクラリネット(2)とファゴット(2)、木管の左側にはパーカッションが、右側には金管楽器が配置されています。金管楽器は曲によって増減されるようですが、まずはホルン(4)、トランペット(2)、トロンボーン(2)、といったところでしょうか。フルートはピッコロ持ち替えです。

第1曲:スッペの喜歌劇「軽騎兵」序曲で始まった演奏会は、華やかで堂々としたもので、聴衆は大喜びです。
第2曲:モーツァルトのピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467の第1楽章。ピアノ・ソロは永田美穂さんです。上山市出身ということでなんとなく親近感があり、これまでもラヴェルやモーツァルトなどで何度か演奏に接しておりますが、今回も生き生きとしたモーツァルトを聴かせてくれました。飯森さんが、永田さんと山響のCDが出たことを紹介して、これはさっそく購入しようとひそかに心づもり。

第3曲:工藤あやの「Soul of Yamagata」を歌う、と題して、山形県民謡「最上川舟唄」、弦哲也「さくらんぼ恋しんぼ」、山形県民謡「花笠音頭」の三曲を。ワタクシの好みでは、なんと言っても民謡が良かった(^o^)/ パワフルな工藤あやのさんの歌声で、「最上川舟唄」は伸びやかで堂々たるものでしたし、「花笠音頭」では聴衆みんなで「ハァ~ヤッショウマカショデシャンシャンシャン、ソレ!」と掛け声をかけて、最初は少々おとなしかったのが最後はノリノリの雰囲気になりました。

ここで15分の休憩です。当方は、さっそく永田美穂さんのCDを購入。



席に戻ると、お隣の座席のご婦人たちが山形市内の地図を広げてなにやら相談中でした。聞けば、「最上川舟唄」を聴きに秋田県から来られたとのこと。県外からの方も、けっこういらっしゃるようでした。

さて、後半が始まります。青山アナウンサーが、エルサルバドルとの国交80周年のことや、先日新聞でも報道されたエルサルバドル大使ご夫妻の来県・来場を紹介します。夫妻が立って聴衆の皆さんに会釈をおくると、会場から大きな拍手が沸き起こりました。

最初:第4曲目は、モーツァルトのオーボエ協奏曲ハ長調K.314です。CD等では何度も聴いているものの、実演では2009年の山響モーツァルト定期Vol.8で聴いて以来です。しかも元シカゴ響の名手ホセ・リカルド・カスタニェーダさんの独奏とあって、期待も高まります。オーケストラの編成は、ぎりぎりまでしぼって、弦楽が 4-4-3-1-1 の対向配置、これにHrn(2)とOb(2)が加わるというもの。テンポはあまり速くなく、ていねいに、しっかりと音楽を表現していました。カデンツァのところでは、思わずため息がでるような見事さでした。

盛りだくさんのプログラム、続いて第5番目に登場するのが、山響アマデウスコアによる合唱です。今回の演奏会のテーマに近い、岡野貞一「ふるさと」と、R.ロジャースのミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」より「テーマ」「ドレミの歌」「エーデルワイス」「すべての山へ登れ」を歌います。この時ばかりはいささかオーケストラの影がうすくなり、人間の声の力を痛感します。とりわけ「すべての山へ登れ」は名曲だなぁとあらためて感心してしまいました。

最後は、シベリウスの交響詩「フィンランディア」作品26、しかもめったに聴けない合唱付きの演奏を聴くのは、実は村川千秋指揮の演奏会に次いで二度目のはずですが、これほど素晴らしい合唱付きの「フィンランディア」は、そうは聴くことができません。金管セクションが増強された山響とアマデウス・コアによる力強く美しい音楽と演奏に、もう心から大満足!



終演後には、定期演奏会とは違って、とくにファン交流会はなし。購入したCDに永田美穂さん本人からサインをしてもらい、ホールを後にしました。19時開演で21時過ぎに終演という長さでしたが、実に多彩な、良い演奏会でした。大いに楽しみました。




今回の演奏会には、山形放送のテレビカメラが入っておりました。なんでも、11月に二時間約1時間の番組として放送する予定だそうです。それは楽しみ~。

11月1日(日)、15:30~16:25 YBC-TV
「県民共済スペシャル "山形より愛をこめて"~Pround of YAMAGATA~(仮)」



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2 コメント

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こんばんは (bombay)
2015-10-14 21:59:16
山響スペシャルコンサート、お二人で聴きに行かれると伺っていました。記事のアップ、楽しみにしていましたよ。多彩な演奏者が出演し、趣向を凝らした、盛り沢山の演奏会だったようですね。こういう演奏会なら、また聴きに行きたくなりますね
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bombay さん、 (narkejp)
2015-10-15 19:02:40
コメントありがとうございます。本当に、趣向を凝らした多彩なプログラムで、大いに楽しみました。お客様の層も、通常の定期演奏会とはやや趣きが異なる面があったようで、「花笠音頭」のときに手を挙げてもらったとき、他県から来られたお客様がけっこう多かったのが印象的でした。こういう演奏会があればまた行きたいと思ったお客様は多かったのではないでしょうか。
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