電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ダンディ「フランスの山人の歌による交響曲」を聴く

2013年09月15日 06時04分00秒 | -オーケストラ
夏の終わりに、通勤の音楽としてしばらくヴァイオリン・ソナタを聴いておりましたが、やはりオーケストラの音を聴きたくなります。できれば、この季節にふさわしい爽やかな音楽が望ましい。さて、何がよいだろう?と探していたら、FM放送等で夏の時期によく放送されていた、ヴァンサン・ダンディの「フランスの山人の歌による交響曲」が目にとまりました。おお、そうだそうだ、この曲があったと思い、自宅のPCオーディオにて、小型スピーカをミニコンポのアンプで鳴らしました。

記憶の通り、いかにも爽やかな音楽です。CD-Rに焼いて、通勤の音楽として、連日繰り返し聴いて楽しんでおります。窓を開けて、外気温が20℃くらいの風を車内に取り入れながら走ると、本当に気持ちがいい。演奏は、シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団で、ニコル・アンリオがピアノを受け持っています。いわゆる昔の名盤・決定盤といった扱いのもので、廉価盤以外は手を出なかった貧乏学生には縁の薄い、レギュラー・プライスのレコードでした。1958年3月24日のステレオ録音、すでにパブリック・ドメインになっています。

楽器編成は、Fl(3),Ob(3),Cl(2),BassCl(1),Fg(3),Hrn(4),Tp(2),コルネット(2),Tb(3),Tuba(1),Timp.,Triangle,Cymb,BsDrum,Pf,弦楽五部。ただし、Fl(1)はピッコロ持ち替え、Ob(1)はコールアングレ持ち替えだそうです。

第1楽章:きわめて緩やかに~中庸の速さで、いきいきと。低音の木管による始まりの直後に出てくるコールアングレの旋律が、なんとも気持ちの良いものです。これがフルートに引き継がれ、オーケストラの高揚の中にピアノが登場するところは、大協奏曲の始まりかと思ってしまいます。
第2楽章:きわめて穏やかに、しかし遅くなく。ピアノの優しい旋律で始まります。管弦楽は、時に穏やかに静まり、また時にやや高揚します。
第3楽章:活き活きと(Anime)。ピアノが活発に同じ音型を繰り返す中で、オーケストラが堂々たる音楽を導きます。

何度も繰り返して聴いていますが、ほんとに爽やかで力強い音楽、演奏です。これまで名盤と言われていた理由が、よ~くわかりました。


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2 コメント

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フランスの山人の歌 (望 岳人)
2013-09-17 21:09:45
私は、夏によく聞く曲です。

ボド指揮のパリ管(ピアノはチッコリーニ)のCDの記事からトラックバックを送らせていただきました。

昨年初演された冨田勲の「イーハトーヴ交響曲」をNHKのテレビで見ましたが、「山人交響曲」の「第1楽章の穏やかなテーマが引用されているのが印象的でした。しかし、今回改めてこちらの記事に触発されて聴きなおしてみましたところ、初音ミクというヴォーカロイドのヴォーカルによる摩訶不思議な感じのテーマが、まさか第2楽章のテーマをそっくり使っているというのに気付きました。

Living stereo のボックスセットには、ご紹介のミュンシュ指揮の「山人交響曲」は収録されていませんでしたが、黄金時代の演奏、録音は今聴いても新鮮ですね。
望 岳人 さん、 (narkejp)
2013-09-18 06:16:20
コメント、トラックバックをありがとうございます。この曲は、今の季節感によくマッチして、なかなかいいですね。冨田勣の「イーハトーヴ交響曲」は、あいにく聞き逃しましたが、ダンディの引用とは洒落ています。信州の山々に合うだけでなく、作曲者は岩手の山々の風情にも合うと思ったのでしょうか。ニュンシュ盤は、まさにパブリック・ドメインの恩恵を享受しています。

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