電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

吉村昭『夜明けの雷鳴~医師 高松凌雲』を読む

2008年08月19日 05時07分50秒 | -吉村昭
少し前に購入していた文春文庫で、吉村昭著『夜明けの雷鳴~医師 高松凌雲』を読みました。USBメモリーで持ち歩いている、1989年頃からのテキスト備忘録を、「夜明けの雷鳴」で検索すると、

2002/08/15 『夜明けの雷鳴』読了 吉村昭著(文芸春秋社)『夜明けの雷鳴』を読了した。徳川慶喜の弟でパリ万国博覧会に参加した徳川昭武に随行した幕末の外科医、高松凌雲を描く。幕臣として榎本武揚に従い函館戦争に従軍、敵味方の区別なく負傷者の治療に当たる。明治初期の東京に、貧民を救うために同愛社を設立、ヨーロッパの赤十字思想を日本にもたらした貢献者の一人。

とあります。ちょうど6年ぶりの再読です。当時は、たしか図書館で単行本を借りて読んだはずです。

全体は三つに分けられます。はじめは、生い立ちからフランスでの医学修行です。次が明治維新により急ぎ帰国し、徳川幕府に義理立てして箱館戦争に従軍しますが、フランスでの経験から、箱館病院で敵味方の区別なく治療にあたります。そして最後が、箱館戦争終結後、東京で医師として活動し、同愛社を育てる経緯です。波乱に満ちた、しかし重厚な物語は、じゅうぶんに読み応えがあります。

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4 コメント

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ミカエル さん、 (narkejp)
2008-08-22 20:16:55
コメントありがとうございます。山形県は酒田の山居倉庫、独特の風格がありますね。大きさだけで言えば、近隣の旧藤島町にも巨大な倉庫がありますが、こちらは噂だけで、まだ実際に見たことがありません。同じ庄内の鶴岡市は、今は藤沢周平作品の舞台となった、海坂藩めぐりの観光客が多いそうです。井上ひさしさんが作成した絵地図を手にしているので、すぐわかるそうです。蔵王のお釡、山寺の旅も、お釡の色が見られたのは、晴天だったからですね。その後の大雨を考えれば、きっと運が良かったのでしょう(^o^)/
山形 (ミカエル)
2008-08-22 11:27:44
こんにちは!
山形はなんといっても酒田市が魅力。
10年ほど前、車で訪れました。
山居倉庫の写真が全て失敗。残念でした。

泊まったのは酒田市郊外の年金保養施設?
農地の中にあり、近くには市立の茶室などもありました。
帰りは日本海沿いに北上し、秋田から盛岡へ出ました。

二度目に訪れたのは昨年の秋で団体旅行。
「松島・中尊寺・蔵王温泉の旅」で、お釜、山寺、風雅の里をまわりました。
泊まったのは蔵王プラザホテルで、お釜の神秘的な色に驚きました。

さらに驚きのおまけが。
東北を襲った大雨で日程が一日延期、盛岡の山中のホテルに臨時宿泊、大慌てになった旅でした。
ミカエル

ミカエル さん、 (narkejp)
2008-08-21 20:01:30
いらっしゃいませ。はじめまして。コメントありがとうございます。本で読む物語は抽象的ですが、函館奉行所の復元を実際に目にすれば、また一段とリアリティがあるでしょうね。吉村昭作品では、『海の祭礼』等も幕末と北海道ゆかりの作品で、面白く読みました。
当方、山形在住の音楽好き、読書好きです。年に似合わずコンピュータ・フリークでもあります。よろしければ、今後ともどうぞお立寄りください。
初めまして (ミカエル)
2008-08-21 11:15:17
こんにちは!
函館に住む64歳の年金生活者です。
私もこの本を読みました。
五稜郭内にあった博物館分館には、高松家から寄贈された外科医療器具と慶喜から頂戴した額などが展示されていました。

榎本が早期に降参したのは、高松の大きな努力があったようです。 ミカエル

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