電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

徳田雄洋『デジタル社会はなぜ生きにくいか」を読む

2009年10月11日 06時27分47秒 | -ノンフィクション
これはまた、そのものずばりの題名です。徳田雄洋著の岩波新書で、『デジタル社会はなぜ生きにくいか』を読みました。当方は、コンピュータやインターネット等にどっぷりと浸かった生活をしておりますが、一方で、デジタル社会は生きにくいという感覚を持つこともあります。
たとえば、銀行のATMは苦手ですし、コンビニの多機能ATMなどは、恐ろしくて近づこうとさえしない(^o^)/ ほどです。ふだんは自動車で通勤しておりますので、出張で鉄道の新しい駅で、新型の自動券売機や自動改札を通るときには、ドキドキしてしまいます。職場で、新しく導入されたばかりのコピーやプリンタの不調などには、頼まれなくても手を出す親切心を感謝(?!)される一方で、自宅や単身赴任先では、とっくに最低保証年限を過ぎた電器製品を、だましだまし使っているような状況です。
そんな中年おじんにとって、本書はデジタル社会の本質を理解することで、考え方を整理できる好著です。
本書の構成は、つぎのようになっています。

序章 1984年の日本とアメリカ
第1章 デジタル化した世界
第2章 情報機器との格闘
第3章 情報洪水の中で
第4章 困難は作られる
第5章 デジタル社会を生き抜く
おわりに
付録 パスワード管理法

技術的なことには、なんとか対応できるような気がします。でも、社会的な変化は、今後とも対応していけるかどうか、あまり自信がありません。
ただし、そんな大雑把な話よりも、「電子メールはハガキであり、ハガキに重要な情報を書く人はいない」などの認識の積み重ねが重要なのだろうと思います。その意味で、「3 生きるための心構え」(p.170~)

(1) 半分信用し、半分信用しない
(2) 必要な知識や情報を得て、自分を守り、他人の立場を尊重する
(3) 自分ですることの境界線を定める
(4) 利用することや利用しないことの境界線を定める
(5) 危険性を分散し、代替の方法を持つ
(6) 依存しすぎない

などの項目は、まことにもっともだと思います。そして、(6) の主張を読んでいると、かつて読んだ本、クリフォード・ストール著『インターネットはからっぽの洞窟』(草思社)を、つい思い出してしまいます。さて、私も画面を消して、畑に出ることにいたしましょう。


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5 コメント

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私も漬かりきっています・・・ (南八尾電車区)
2009-10-14 09:41:06
 おはようございます。
 私もインターネットにどっぷり漬かった生活を送っている一人です(自爆)
 しかも私の場合は精神的な問題を抱えていることもあり、インターネットこそが唯一の対人コミュニケーションの場となっています。

 尤も本文の終わり近くに書かれている「生きるための心構え」、私も同感してますが・・・ただ「自分ですることの境界線を定める」あたり、少々苦手にしている感があります。
 というか、自分でも掴みきれないんですね・・・このあたりは、私自身、前記の”精神的な問題”に端を発していると思っています。
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Unknown (Shigeru Kan-no)
2009-10-14 18:17:38
生きにくいのではなく慣れの問題でしょう。人は誰でも年配になると新しい環境に適応しにくくなるものですね。ネットをもっと肯定的に受け入れたいものです。
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南八尾電車区 さん、 (narkejp)
2009-10-14 21:31:34
コメントありがとうございます。少々苦手にしているくらいの方が、物事に謙虚に対応することができて、よい面もあるのかもしれませんね。
これは、なかなか面白い本でした。
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Shigeru Kan-no さん、 (narkejp)
2009-10-14 21:36:58
コメントありがとうございます。人は誰でも、ある程度の年配になると、適応力が低下してくるものですね。特に社会的な変化は、適応しにくいものです。適応しにくい人々が、肯定的に生きていける社会でありたいものです。
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Unknown (Shigeru Kan-no)
2009-10-14 22:24:53
僕もいい歳なので適応しにくいのですが、それでも毎日努力してがんばっています。文句いっても元に戻るわけではなし、しょうがないですね。
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