電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩。時々は実際に散歩を楽しみます。

半藤一利『アメリカはいかにして日本を占領したか』を読む

2019年09月19日 06時03分38秒 | -ノンフィクション
2019年6月刊のPHP文庫で、半藤一利著『アメリカはいかにして日本を占領したか』を読みました。著者の本は、『幕末史』(*1)や『昭和史 1926-1945』(*2)以来しばらくぶりです。『マッカーサーと日本人』の副題のとおり、アメリカの占領政策におけるマッカーサーの個性と影響力、戦後の日本がどのように形作られたかを描くものです。朝鮮戦争終結後にもかかわらず、なぜか進駐軍の将校の子供と遊んだ記憶がある当方の、戦後史の真相に対する興味から手にした一冊です。
本書の構成は次のとおり。

前口上 神社と銅像
第一話 「青い眼の大君」の日々
 1.神に導かれて
 2.太平洋の「スイス」に
 3.神様は姿を示さない
 4.解任は二年遅かった
第二話 昭和天皇の“戦い”
 1.天皇制存続の是非
 2.国民を助けてほしい
 3.計十一回の会談
第三話 十一回の会談・秘話
第四話 「ヒロヒトを吊るせ」
 1.裁判にかけろ
 2.天皇を救え
 3.奇跡の存続
第五話 本間は断罪されねばならぬ
 1.勝者は敗者を裁く
 2.死の行進の真相
 3.勝者の復讐

内容的には、はじめて知るところもあれば既知のものもあり、様々な媒体に発表したものや講演などを編集して成立した一冊で、著者が明確な意図をもって書き下ろしたものではないようです。その意味では、著者の本ではあるけれど、同時に編集者の作品でもあるのでしょう。

ただし、占領政策の中で、とくに戦後を形作る基本的な方向性に関しては、むしろマッカーサーが昭和天皇との会談を通じて、その意向をかなり取り入れていたようだ、という見解は新鮮。昭和天皇が沖縄に対して格別の思いを示していたのは、先の大戦の犠牲とともに、米軍基地の配置に関する判断にずっと責任を感じていたからではないか、と示唆しています。

(*1):半藤一利『幕末史』を読む〜「電網郊外散歩道」2009年9月
(*2):半藤一利『昭和史 1926-1945』を読む〜「電網郊外散歩道」2011年5月

コメント