電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

「素敵なあなた」のルーツとその後

2017年04月19日 06時02分27秒 | Weblog
先の山響第260回定期演奏会で、ドヴォルザーク「チェロ協奏曲」のソリストをつとめた新倉瞳さんのアンコールは、「素敵なあなた」でした。彼女が歌ってくれたのは、たぶんイディッシュ語かと思います。新倉さんは、どうやらクレズマー音楽に傾倒しているようで、この曲のルーツも、どうやらここにあるらしい。

クレズマーというのは、東欧系イディッシュの民謡をルーツとする音楽だそうで、米国に渡った東欧系ユダヤ人らが伝え、ポピュラーになったのだそうです。そういえば、1970年代のミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」もこの系統のものらしい。

「素敵なあなた」という曲は、1932年にイディッシュ語のミュージカルで、後に「ドナドナ」を作ったショロム・セクンダが作曲したのだそうです。で、ベニー・グッドマンがヒットさせたのが1937年、

ベニー・グッドマン 素敵なあなた


「Bei Mir Bist Schon」の歌詞でアンドリューズ・シスターズが歌ってヒットしたのが1956年、

Andrews Sisters


さらに現代でも、多くの音楽家が取り上げているというわけですね。

BEI MIR BIST.DU.SCHON 素敵なあなた マリーン&EVE UPG‐0024


それにしても、チェリストの歌入りで、テューバ奏者とトランペット奏者が合いの手を入れるなんていうアンコールは初めての経験でした。なんとなく、音楽ひとすじに、愉しさを届けたいとするゲストに、オーケストラの仲間が協力を買って出たという風情で、「あったかいオーケストラ」らしいエピソードだな、と感じます(^o^)/

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