電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

マタチッチとN響で「ワーグナー管弦楽名曲集」を聴く

2015年07月19日 06時05分46秒 | -オーケストラ
梅雨時の不快感を吹き飛ばすような、パワーのある音楽を聴きたいと、ワーグナーの管弦楽名曲集を聴いています。「あの人畜無害の narkejp が、何を思ったか、悪漢ワーグナーの音楽を取り上げるなんて、珍しい」「台風が来たのもそのせいじゃないのかい」などと不思議に思った方もおられるかもしれませんが、なに、若い頃はそれなりに、ジョージ・セル指揮の勇壮な「マイスタージンガー」第1幕前奏曲や「ワルキューレの騎行」などを好んで聴いたものでした。また、中年の頃には、N響アワーなどで親しんだホルスト・シュタインの指揮するジークフリートの葬送行進曲や「タンホイザー」序曲など、そのしなやかで弾力性のある音楽に魅せられました。

ではCDでは?と探すと、私のあまり大きくない規模のライブラリには、意外にワーグナーの管弦楽作品集というのは少なく、某中古書店で入手した "DENON My Classic Gallery" という全集分売ものから、ロブロ・フォン・マタチッチ指揮のNHK交響楽団による1968年の録音(GES-9223)を取り出したものです。

  1. 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲 (9'40")
  2. 「ローエングリーン」第1幕前奏曲 (9'02")
  3. 「ローエングリーン」第3幕前奏曲 (3'12")
  4. 「さまよえるオランダ人」序曲 (10'59")
  5. 「タンホイザー」序曲 (13'55")
  6. 「ジークフリート牧歌」 (18'30")

この演奏、小難しいことを言えば、ジョージ・セルとクリーヴランド管のストイックな勇壮さや、1980年代のN響とホルスト・シュタインのような弾力性を特徴とするようなタイプではありません。でも、弛まないテンポで堂々と音楽を押し通す姿勢は実に剛毅で、立派なものです。毎日、通勤の途上で、周囲に広がる緑の田園風景の中の農道を、まるでこの世の盟主になったかのような気分で疾走するのは、実に快適です。いや、実は単なる通過者にすぎないのですが(^o^)/

録音の好みから言えば、もう少し響きにふくよかさが欲しい気もするけれど、おそらくは演奏したホールの問題があるのでしょう。録音当時、私は中~高校生だった頃に、N響とマタチッチがこんな演奏会を行っていたのだと思うと、思わず回顧的になってしまいます。そして、あの頃、山形でプロ・オーケストラの定期演奏会を聴けるなんて、まるで考えもしなかった。今日、日曜日は、山響定期です。

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