電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ヴィラ=ロボス「ブラジル風バッハ第5番」を聴く

2014年07月13日 06時05分31秒 | -オペラ・声楽
サッカーのワールドカップはいよいよ大詰めを迎えておりますが、当方のブラジル音楽を聴くシリーズは、ようやく折り返し点を過ぎたところです(^o^)/
ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ」第5番を聴いております。
Wikipedia(*1)およびCD添付のリーフレットによれば、1938年に作曲、1945年に改訂され1947年にパリで初演された、ヴィラ=ロボスの代表作とのこと。ソプラノ独唱と8部のチェロ・パートのための作品です。

第1楽章:アリア(カンティレーナ)、アダージョ。ヴォカリーズに始まり、ハミングで復唱されます。中間部はルツ・ヴァラダレシュ・コレアという人によるという歌詞がありますが、どんな内容なのか不明。そこでネットで検索(*2)してみると、次のような内容なのだそうです。

Tarde uma nuvem rósea lenta e transparente.
夕べ、バラ色の雲はゆっくりと流れ、薄く透けている
Sobre o espaço, sonhadora e bela!
夢のようで美しい空間の上に
Surge no infinito a lua docemente,
地平には月が静かに現れ
Enfeitando a tarde, qual meiga donzela
きれいな娘のように夕べを飾る
Que se apresta e a linda sonhadoramente,
身を飾った夕べは夢かと思うほど美しい
Em anseios d'alma para ficar bela
美しくなるために魂は不安を覚え
Grita ao céu e a terra toda a Natureza!
大空と大地、大自然に向かって叫ぶ
Cala a passarada aos seus tristes queixumes
その悲しい嘆きを聞き、鳥たちは黙る
E reflete o mar toda a Sua riqueza...
そして、海はその輝きすべてを映す
Suave a luz da lua desperta agora
やさしく月の光は今目ざめさせる
A cruel saudade que ri e chora!
笑い、叫ぶ残酷なノスタルジーを
Tarde uma nuvem rósea lenta e transparente.
夕べ、バラ色の雲はゆっくりと流れ、薄く透けている
Sobre o espaço, sonhadora e bela!
夢のようで美しい空間の上に

うーむ、ポルトガル語というのは、実に手も足も出ません(^o^)/
でも、こんな内容なのだと言われると、そんな気もします(^o^)/
第2楽章:踊り(マルテロ)、アレグレット。
こちらは、マヌエラ・バンデイラという人の歌詞だそうです。例によって、内容は不明。

やっぱり、ソプラノの声の魅力を感じます。当ブログにおけるカテゴリーも、ちょっぴり悩んで「声楽」に区分しました。
ヴォカリーズの部分は、歌詞によらない、純粋に人の声の魅力です。詩と音楽が織りなす世界とはまた違った要素を見せるものでしょう。ただし、やっぱり単調になってしまうのか、長く続くものではありません。歌詞に頼らざるを得ないというか、歌詞が必要になってくるようです。

エンリケ・バティス盤では、バーバラ・ヘンドリクス(*3)が歌っていますが、知的なリリックソプラノというイメージがありますが、ここでも大変魅力的な歌唱を聴かせてくれます。

■エンリケ・バティス盤(EMI,TOCE-16136)
I=6'04" II=4'18" total=10'22"

YouTube には、ドゥダメル指揮ベルリンフィルのものがありました。野外での演奏会のようで、くつろいだ雰囲気で聴かせてくれます。




(*1):ブラジル風バッハ~Wikipedia の解説
(*2):Bachianas Brasileiras 5 by Heitor Villa Lobos ~「箱と曲」より
(*3):バーバラ・ヘンドリックス~Wikipediaの解説

コメント