電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

山響モーツァルト定期第18回で交響曲K.81とハ短調ミサを聴く

2013年02月17日 07時34分35秒 | -オーケストラ
昨朝は20cmほど積雪があり、娘の土曜出勤のために、早朝から雪かきに精を出しました。ゆっくりしていたら来客があって午前中はつぶれてしまい、お昼過ぎにもう一度除雪をして、だいぶくたびれて出かけました。

会場の山形テルサでは、満車の表示がついたり消えたりしています。少し待って、ようやく駐車できました。本日の席は二階の真正面で、響きは良さそうです。山形交響楽団が八年の年月をかけて、モーツァルトの交響曲全曲を演奏しようという企画の第六年目、年に三回ずつで、通算して第18回となります。本日のプログラムは、14歳で書いたと言われる(お父さんの作という説もあるそうな)、交響曲ニ長調K.81(第44番)と、ハ短調ミサ曲K.427 です。

ホールに入ると、ステージ正面に合唱のためのひな壇があり、期待が高まります。オーケストラは対向配置で、正面左から第1ヴァイオリン(9)、チェロ(5)にファゴットが加わり、ヴィオラ(6)、第2ヴァイオリン(8)、正面にはホルン(2)とオーボエ(2)がならび、その奥にコントラバス(3)、という形です。女性奏者の方々も、いつものモーツァルト定期はカラフルなドレスで華やかさを感じさせてくれるのですが、本日はハ短調ミサという曲目のせいか、皆さん黒の衣装です。私のように、うっかり間違えて色物を着て来てしまった、などという方はおられないようです(^o^)/
コンサートマスターは、高木和宏さん。そのお隣に犬伏亜里さんが座り、セカンドのトップにはヤンネ館野さんが座ります。

最初の曲目、交響曲(第44番)ニ長調K.81は、直筆の楽譜は残されていないのだそうで、「1770年4月25日、ローマ、作曲者:モーツァルト」と書かれた筆写譜と、それによって作成された総譜(レオポルト・モーツァルトと記載)の二種類により伝承されているのだそうです。これがモーツァルトの作品であるという確証はないわけですが、第1回ローマ旅行の際の、同年4月25日付けのモーツァルトの書簡の中で、一曲の交響曲を作曲している旨の記述があり、オリジナルはモーツァルトの作曲であって、スコアはお父さんが手を入れて作成した、という可能性は十分にある、と言って良いでしょう。
第1楽章:アレグロ。第2楽章:アンダンテ。第3楽章:アレグロ・モルト。小規模な編成が有効に作用し、どこかイタリア風の、たいへん軽快で美しい澄んだ響きとなっています。山響の弦楽アンサンブルの見事さを感じます。

前半は、およそ15分であっという間に終わり、すぐに休憩(^o^)/
後半のハ短調ミサは、一部楽器の配置も変わり、楽員も増強されたようです。対向配置の基本はそのままですが、コントラバスは左手奥に移動し、ヴィオラ(7)に。
チェロの左奥にオルガン、ヴィオラの右奥にティンパニ等、正面にはフルート(1)とオーボエ(2)、その奥にホルン(2)、ファゴット(2)、トロンボーン(3 うち1はバス・トロンボーン)、トランペット(2)となります。
合唱団アマデウス・コアは、女声が43、男声が22の計65人で、ずらりとひな壇上に整列し、中央に独唱者が座ります。本日のソリストは、ソプラノの吉原圭子さんと富岡明子さん、テノールの児玉和弘さん、バスの与那城敬さんの四名です。

第1曲:キリエ。いつも感心してしまいますが、合唱の発声の明瞭なこと、とりわけ子音の明確なことが、荘厳な曲の印象をより強めているようです。合唱の圧倒的な量感に対して、たった一人のソプラノの独唱が対比されます。
第2曲:グローリア。神の栄光を讃える音楽。独唱あるいは重唱の曲と合唱の曲とがほぼ交互に配置されます。いろいろな立場の個人がそれぞれに神を讃え、合唱が民衆の歓呼を歌うような構造になっているようです。ホルンはナチュラルホルンですので、曲によって管を交換しながらのようで、なかなか忙しそうです。
第3曲:クレド。オーケストラはいよいよ快調に、合唱は熱を持ってきました。人数的にはやや少なめの男声の健闘が光ります。木管のアンサンブルがお見事でした。
第4曲:サンクトゥス。合唱にトロンボーンとトランペットが入ると、なんと輝かしく聞こえることでしょう!バロック・ティンパニも活躍です。
第5曲:ベネディクトゥス。独唱者四人が立ち、弦楽にホルンと木管が加わる中での四重唱。オルガンもいい役割を示します。バスの与那城さんの出番はこの曲だけですが、声がよく通る、印象的なバスです。二階席の正面は、ステージがよく見えるだけでなく、声とオーケストラの響きとがよく溶け合って、実にいい感じです。良かった~!一緒に聴いた妻の感想も、「アマデウス・コアも、四人のソリストの皆さんも、素晴らしかった!」だそうです。

雪の中、例によって「ピザリア」まで足を伸ばし、「季節の野菜ピザ」を食べました。これも美味しかった。照明の加減か、降り続ける雪が実に幻想的で、雪国らしい風情を十分に味わいました。









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