電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

フォーレ「ピアノ五重奏曲第1番」を聴く~PCオーディオの恩恵

2011年07月26日 20時14分12秒 | -室内楽
まだ若いころ、LPの時代に、ジャン・ユボー(Pf)とヴィア・ノヴァ四重奏団によるフォーレの室内楽全集を購入して、宝物のように大事に聴いておりました。CDの時代になってから、ジャン=フィリップ・コラール(Pf)とパレナン四重奏団による演奏が、EMI Classics という二枚組として分売(7243 5 69264 2 4)されており、これを購入して聴いております。ただしこのディスクでは、第一楽章だけを異なる盤に分割収録しており、曲の全体を続けて聴くことができません。以下、「ピアノ四重奏曲第1番」(*)での、当方のコメントです。

このCDで残念なのは、素晴らしいピアノ五重奏曲第1番が、第1楽章だけCD-1に収録され、以後の楽章が CD-2に泣き別れしていること。若い頃に苦労して買い求めた五枚組LP、ジャン・ユボーらの「フォーレ室内楽全集」では、ちゃんとピアノ四重奏曲が一枚の裏表に収録されています。こんな非音楽的なカップリングを誰が決めたんだ~!といきまいても、裏面を確かめなかったアンタが悪い、と言われるんでしょうなぁ。
でもまぁ、風邪をひいて枕元でLPを聴くことはできませんので、ピアノ五重奏曲第1番はあきらめます(^_^;)>poripori

実際、これは不便なものだと感じておりました。

ところが、CDを二枚ともパソコンに取り込み、Ubuntu-Linux 上で、RhythmBox というソフトウェアでプレイリストを作成し再生すると、連続して聴くことができます。やったね!かくして技術は障害を突破します(^o^)/



第1楽章:モルト・モデラート。幅広いピアノの分散和音に乗って、ヴァイオリンがひそやかに歌いはじめます。若い頃、こんな気分が好きだったんだなと懐かしみながら、耳を傾けていると、次第に音楽に集中していきます。
第2楽章:アダージョ。ピアノはごく控えめに、弦が主体となって始まる楽章です。楽章間の対比はごく控えめで、CD交換がないため、ぼんやりしているとどこで楽章が変わったのか見失ってしまうほど(^o^;)です。パレナン四重奏団の演奏は、ヴィア・ノヴァ四重奏団のものよりもテンポは遅めで、けっこう粘って演奏しています。当方、どちらかといえばサラサラと流れるヴィア・ノヴァ四重奏団の方が好みですが、でもこちらはこちらで、説得力があります。
第3楽章:アレグレット・モデラート。ピアノの提示する旋律の表情が、今までのものとは少しだけ明るく変わります。途中、低音の力感を感じさせる部分を経て、主題が様々に変奏され、終わりは明るく結ばれます。

添付のリーフレットは、仏英独の三ヶ国語で書かれており、録音データは、顕微鏡でなければ読めないほどの小さな文字で、申し訳程度に添えられています。フレネル・レンズで辛うじて判読したところ、1975年から1978年に、パリの Salle Wagram で収録されたアナログ録音のようです。ホールの響き全体をふわりと録音したようなタイプではなく、それぞれの楽器の音をマイクでしっかり収録しました、というものでしょうか。ややきつい印象を受けますが、それでも今まで二枚の CD に泣き別れ収録されていた演奏が、本来の姿で通して聴くことができるのは、ありがたい限り。まさに PC-audio の恩恵を感じます。

参考までに、演奏データを示します。
■ジャン・フィリップ・コラール(Pf)、パレナン四重奏団
I=11'53" II=11'31" III=7'58" total=31'22"
■ジャン・ユボー(Pf)、ヴィア・ノヴァ四重奏団
I=11'13" II=9'57" III=7'10" total=29'20"

(*):フォーレ「ピアノ四重奏曲第1番」を聴く~「電網郊外散歩道」2007年4月

昨日、夜明け前の余震で目が覚めてしまい、昨日は一日眠くて大変でした。昨夜は早くから寝てしまい、今朝まで爆睡10時間。おかげで早朝更新はできませんでした。珍しく、夜の更新です。

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