電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

モーツァルト「交響曲第25番ト短調」を聴く

2008年07月23日 06時03分41秒 | -オーケストラ
映画「アマデウス」の冒頭で効果的に使われた小ト短調。先日、思い立ってネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団の演奏のCDを車に積み込み、全く混雑のない田舎の自動車専用道路を、けっこう大きな音量で聴きながら疾走しました。CDはTOCE-4082で、1987年の11月に、EMIのアビーロード・スタジオでデジタル録音されたものです。

第1楽章、アレグロ・コン・ブリオとはいうものの、いきなりフォルテで始まるユニゾンのシンコペーション。この突出した衝撃の度合いは、後年の第40番ト短調に負けていません。
第2楽章、アンダンテ。弱く優しく呼びかけ、それに答えるような緩徐楽章。ごく短いため、後年の曲のような深刻な深さはありませんが、やや翳りを見せる部分もあり、前の楽章との対比が顕著です。
第3楽章、メヌエットとトリオ。フォルテで始まるメヌエットは、第1楽章と対応したような悲劇的な気分を持った楽章です。トリオ部は、ややのどかな雰囲気を持ちますが、再び厳粛な気分が戻ってきます。
第4楽章、アレグロ。譜面上は再びピアノ(p)で始まる音楽ですが、やはり緊迫感のある音楽に、訴えかける力の強さを感じます。付点リズムの繰り返しが非常に効果的です。

Wikipediaによれば、オーボエ2、ファゴット2、ホルン4(第2楽章のみ2)、それに弦五部という楽器編成だそうです。当時はナチュラルホルンしかなかったので、二種類のホルンを2本ずつ使い、出せる音の制約を緩和しようとした、とのことです。

1773年、17歳のモーツァルトが作り出した、激しさと美しさの均衡。ザルツブルグ大司教の無理解への不満の表現でしょうか。メリハリのきいた演奏です。

■マリナー盤
I=7'43" II=4'54" III=3'45" IV=4'30" total=20'52"

映画「アマデウス」の中の音楽は、たしかマリナーの演奏だったと思いました。このCDには、第35番、第39番の交響曲も一緒に収録されていますので、「一枚で三度美味しい」状態です。



ネット上には、話題の「初音ミク」が「みょ」だけで「歌ってしまった」小ト短調なんて「みょ」うなのもある(*)ようですが、なにせ当方は、かなり反復して聴くほうなので、途中でちゃぶ台をひっくり返すおそれもあり、やっぱりCDが無難なようです(^o^;)>poripori

(*):初音ミクが「みょ」で歌うモーツァルトの交響曲第25番(小)ト短調
コメント