時計修理と無駄遣いの日々

趣味でやってる機械式腕時計修理の記録をメインに紹介します。修理のご依頼は#000を参照下さい。

#054 キングセイコー ファーストモデルのオーバーホール

2011-02-01 22:44:12 | 時計
キングセイコーのファーストモデルです。
ロービート(5振動)の手巻で25石、秒針規制(ハック)無しでゆったりと・正確に時を刻んでいきます。
ステンレスケースはとっても貴重ですね。


裏側の「KING SEIKO」のロゴもしっかりと残っています。
かなり貴重ですね。


平成3年にオーバーホールをされている記録が残っていました。


このキングのムーブメントは風防側から取り出す仕組みになっています。


ムーブメントを取り出した状態です。
セイコー クロノスがベースになっているのが感じ取れますね。


日の裏側もスッキリしています。


コハゼを開放して主ゼンマイをゆるめてから分解作業に取り掛かります。


洗浄前の状態です。


オーナー様からの御希望で、風防とベゼルの間の汚れを除去するため
プラ風防を外した状態です。 


汚れを除去した後は、エポキシでプラ風防を固定しました。
ちょっとでも防水性能を・・・と期待しての事ですが、元が非防水なのであまり期待はできませんね。


洗浄後の注油です。


輪列をセットした状態です。


精工舎の時計で良く使われているホゾ受けですが、注油にはコツが必要です。


ピンセットで、下にずらして上に移動させる・・分かりますかね?
上に移動させた状態で、ルビーを取り出して注油します。


輪列をセットし、ザラで回して確認です。


ガンギの歯先とアンクルの爪石に注油して・・・


テンプを装着します。やっぱり緊張する瞬間ですね。


テンプが元気良く回りだしたら、日の裏側を組み立てて・・・


文字板・ハンドをセットして完成です。
ケースと風防は軽く研磨させていただきました。
なお、ベゼル裏側と裏蓋には「CITIZEN 防汗コート」を塗布してからセットしました。


びぶ郎」の計測結果です。


さすが、「名機」と呼ばれるだけの事はあります。
1964年6月に製造されてから約48年を経た現在でもこの精度。
素晴らしいです。 定期的にオーバーホールを実施して後世に残して下さい。



【なっくんお勧めの工具】
非防水の時計に便利ですよ。 裏蓋の周囲に塗布しておくだけ。
夏場の汗ばむ季節に効果を発揮してくれます。 今回は風防側にも利用しましたよ。
何かと塗りたくなります・・私だけかな?

CITIZEN(シチズン) 防汗コート
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4 コメント

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丁寧な作り (時計学校在学)
2011-02-03 00:26:42
一つ一つ、物凄く丁寧に作りこまれていますね。香箱の石、2~4番までの保油装置、裏周り、ダイヤルワッシャーのカッティング、全てが一切の妥協が無い。

ケースの腐食は惜しいですね。ワックスチャックで旋盤に固定して軽く研磨したいぐらい。パッキンは太いけど、スナップバックだから、どれだけ食いつきと閉めしろに余裕があるかですね。だけど昔の時計って、古くなっても意外とガッツリ固いのもありますよね。
ありがとうございました (依頼者)
2011-02-03 22:07:12
本日、無事到着致しました。

気になっていた汚れもとれてスッキリ致しました。時計も長い間の垢を落とせて喜んでいるようです。結構錆が回っていて驚きました、これからも大切にしたいと思います。

この度はありがとうございました。
Re:丁寧な作り (なっくん)
2011-02-03 22:35:40
本当に丁寧な作りですね。

今、このムーブメントの時計を作って販売するなら、50万円くらいはするんじゃないでしょうか。

国産アンティーク時計では、グランド・キングが最高峰とされるのも当然の結果なのかも!
開発に関わってるかな。。 (時計学校在学)
2011-02-03 23:26:46
ttp://www.nobetech.co.jp/tatsujin/no08.html

↑週に1時限の理論の授業で、この先生に習っています。意外とフレンドリーなお爺ちゃんで、面白いかたですよ。

他にもセイコーの技術者で、この先生の先輩だった方がいて、特別講義を受けたことがあります。でもいつだったか、授業の時間に上記の後輩だった先生の携帯にかけてきたようで、逆に「授業中ですよ!」と怒られていました(笑)

生徒には優しい先生の意外な一面が見れて面白かったです。

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