NARAYA CAFE のできるまで

歴史あるリゾート、箱根宮ノ下駅前で、古い建物を利用したカフェ&ゲストハウスをオープンするため、改装にはげむ日々を綴る

ある種の旅行記「東海大学病院ICU編」

2015-04-09 01:48:34 | 2015シーズン
ブログ読者の方、またメールやFBでしか繋がっていない方には僕が約二週間にわたって音信不通に成っていることと思います。

例によって、旅にでていました。
といっても今回の旅はちょっといつもの旅と違います。自分の意志で行った訳じゃないし、移動距離は50kmもないくらい。
しかも一箇所に二週間も滞在しています。


実は生まれて初めて、手術、入院を経験してました。



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事の発端は3月の下旬の忙しい盛りに歯が痛くなりだしたことでした。
すぐに歯医者に行けば良かったものを「次の定休日に」などと先延ばしして、それまで恵美がたまたま持っていた鎮痛剤のロキソニンを飲んだりして、podの移動をしたり忙しくしていました。

休みの日に近所の歯医者でみて貰うと、いわゆる虫歯で神経を抜いたりする程ではないとのことで、少し削って帰って来ました。
翌日になっても痛みはおさまらないので、再び歯医者に行って今度は神経を抜いてもらいました。

その日は痛みが収まり、治ったように思ったのですが、夜になると今度は激しく腫れて来てしまいました。抗生物質を貰ったりしましたが、夕方歯医者に行った時点で左右の顔が違って見えるくらいに腫れてしまって、「これは我々が診れるレベルではない。口腔外科イシューなので、今すぐ東海大病院に行きなさい」と言われ、点滴か注射でもされるくらいだろうと、この時点ではまだ軽い気持ちで伊勢原の東海大病院に自分で車を運転して行きました。

夜間外来には宿直のどう見ても20代の若い医師がいて、「こんな休日の夜に面倒くさいの来ちゃったなぁ」という感じで診察を始めたのですが、そのうち、上司にPHSで「どうやら本物がきちゃったみたいです」などと話しています。
「本物ってどういうこと?」

しばらくしてCTの結果が出た時点で、その医師から全身麻酔による緊急手術になることを告げられました。
手術開始は午後10時とのことであと一時間半くらいしかないみたいです。

急いで恵美に電話してとりあえずの着替えなどを持って来て貰って、手術の準備に入りました。

急いで病院に向かった恵美は相当不安だったと思いますが、その間僕はCTの結果をみながら医師とじっくり話が出来たので、自分としてはかなり納得のいく状態で手術に臨めました。

僕がわりと生化学の知識があると見込んでくれたので、かなり専門家目線から説明してくれました。
要は虫歯を引き起こしていた嫌気性(空気のない状態で棲息する)の菌が顎の中に入ってしまって炎症しているのだけど、炎症のスピードが非常に速く、気道を閉塞してしまう危険もあるし、一番先端がすでに背骨近くまで達していて、背骨に入ってしまうと心臓など循環器系を冒してしまうので、それこそそうなると命取りとのことでした。

これは切るしかないね。


そこまで話して、この医師、若いけどけっこう、、、というか、かなりいい外科医だと確信しました。


「店どうしよう、、、」と勿論(?)思いましたが、命あっての店だから、申し訳ないけれど恵美とスタッフに託すことにして、急遽恵美のお母さんに岐阜から来てもらうことにしました。


手術30分前にえみ到着、「手術の説明には100%納得してるから、行って来るわ」という感じで自分は安らかに全身麻酔で寝てしまいました。
その後、恵美によると二時間半くらいの予定の手術は結局終わったのは深夜1時半頃だったそうです。
ある意味丁寧にやってくれたんだと思います。



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実は1番辛かったのはそれからの10日間でした。
全身麻酔で気道のすぐ近くを切るのだから、人口呼吸器に対応するチューブを鼻から入れる経鼻挿管ということをしなくてはいけないのです。しかも場所柄、腫れがしっかり引いたのを確認して、気道を再び閉塞しないことを確認しないとチューブが抜けないのです。

この経鼻挿管の辛さを甘く見積もってました。
しかも、苦しいからって自分でチューブを抜いちゃうと窒息するので、ICU(集中治療室)で常時監視下に置かれ、言葉も喋れないので看護師さんに込み入った内容を伝えるには筆談しかないのです。しかも常に両手を縛られます。


まさか一生のうちで自分がICUのようなところに滞在することがあるとは思いませんでした。それも10日の長きにわたって、、、

最初は鎮痛剤の量も多いからねてるだけなのですが、その量もだんだんと減らしていきます。
嗅覚と言葉は塞がれていますが、聴覚はしっかりしているので、いろいろなブザー音や、夜になると荒れ出す人がいたり、ドクターや看護師さんが走り回る様子が聞こえたり、神経が昂ぶってとても寝られたもんじゃないです。
両手は繋がれているし、仕方なく肘から上だけでヴァイオリンを空で弾く練習をしたりしてました。

それにしてもICUの看護師さんたちは本当によく働いていました。今回の入院で一番お礼を言いたいのは、ここの看護師さんたちでしょうか。


長かったICU暮らしも月曜にチューブがぬけたことで終わり、この火曜日から一般病棟の個室に来ています。ようやくPC解禁になり二週間のオフラインが解消しました。

少しゆっくりできるかと思ったら、術後の経過が良いので明日退院だそうです。


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今回、突然の入院で恵美やスタッフには迷惑をかけてしまいました。
ただ、もし自分が例えば交通事故とかで亡き人になってしまったら現時点でどういうふうになるのかシミュレーションすることも出来ました。
恵美は僕の漠然とした夢、Naraya計画というものに縛られてしまわないだろうか、、、とか。
そういう意味でも、僕という個人でなく、人と人との関わり合いの中で進んでいく仕組みをNaraya自体に持たせないといけない、それを思い知らされた気がします。

それにしても僕は運が良かったと思います。
知らずに放っておいたら、菌が背骨に回って「The END」だったかも知れない、けれどあの日、あの若い先生と出会えて、とんとん拍子に手術に進み、今、普段と変わらないところまで回復した僕がいます。
いろいろな巡り合わせの中で助けていただいた命、大事にそしてしっかり燃やさないといけないなと思いました。
そして、神なのか仏なのかご先祖なのかわかりませんが、そういう大きな流れのようなものに感謝して生きていきたいと思います。
なんだか生まれ変わったようなフレッシュな気分です。
口が今まで通り動くまでには少しリハビリ期間が必要だと思いますが、GWは今まで通り働いていると思います。
(具体的には英語の「F」が発音しにくいです。「Footbath」が典型的な日本人英語の「フットバス」になっちゃうかも)



ご心配おかけしました。

最後に入院中に読んで妙に心に響いた本




チューブが取れてからICUで読んでたら涙があふれて仕方がありませんでした。
まあ、そういう心理状態で読んでいるからと言う理由が一番大きいですが、、、
良かったら読んでみてください

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5 コメント

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感動 (住谷美知江)
2015-04-09 19:28:16
お母様から、経緯は聞いており、住谷と二人、とても心配でした。お母様も、救急車で運ばれる状況は、義和さんの症状が不安だったからと思います。ブログを読んで、少し安心しました。いつ何が起こるかわからない・・・生と死を考える旅でしたね。文章が素晴らしく、胸をうちました。奈津ちゃん、千世ちゃん、愛君も、お父さんに会えずに、じっと我慢をした事でしょう。愛君は、入学式でしたね。恵美さんの頑張りは素晴らしかったでしょう。生まれ変わって、あせらずに、どうぞ、お元気な姿を見せてください。
Re: (あどうー@home)
2015-04-11 11:19:40
美知江さん

コメントありがとうございます。

おかげさまで、退院して順調に回復しております。
消化器系は今まで通り大食いをしたいのですが、口が大きく開けなくて、歯も右側で咀嚼できなくて、文字通り「歯痒い」思いをしております。

母のほうも、昨日仲良く一緒に通院し、循環器の診察を受けて問題ないということで、ひと安心です。

気がかりだった明日の千世のミュージカルも晴れて見に行けるようになりました。

今となっては、今回、大事に至らなかった幸運に感謝しております。
ほっとしました。 (優子です)
2015-04-12 01:16:56
良かったですねぇ。
歯の苦労はずっと今もしているので、よくわかります。
麻痺が半年残ったこともありましたし。
にしましても、迅速かつ、的確な判断で良い方向に向かって、良かったですね。入院も、お疲れ様でした。
このあとも、是非ともえみさん始め、ご家族の為、ならやさんのためにも、どうぞ、お身体大切に、養生精一杯されてくださいませ。
ひとまず、退院おめでとうございます。
RE: (あどうー@home)
2015-04-16 08:59:44
優子さま

いつもコメントありがとうございます

今日で退院1週間、調子はだいぶ戻ってきてます。
ときどき店に顔を出しつつ、GWまでは慣らし運転的にやらせてもらってます。

またお店でお会いしましょう。
おいおい・・ (AB)
2015-05-20 11:12:36
全然知らなったが、元気に退院されたようでよかった。命ますます燃え上がりますよう。

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