NARAYA CAFE のできるまで

歴史あるリゾート、箱根宮ノ下駅前で、古い建物を利用したカフェ&ゲストハウスをオープンするため、改装にはげむ日々を綴る

インド旅行記その3(ケララ州カヌール編)

2016-02-03 14:46:21 | 2016休業中
さていよいよ今回の旅のメインディッシュというべきか、主目的地の南インドケララ州へと向かいます。

インド好きの友人が何人かいますが、ケララ州は誰に聞いても「いいよぉ~~~」と言われるので、いつか行かないと、、、、と思って今に至ります。
そしてその1(ムンバイ編)でも触れましたが、インド号のYさんがアーユルヴェーダの修行のため滞在していた町、カヌールでちょうどテイヤムというお祭りが行われる時期だというのが、ほぼ今回のインド行きをポチっちゃった決め手でした。

ただマテランはムンバイから程よい距離でアクセスしやすかったのですが、ムンバイからカヌールへと向かうこの移動が今回最も難しかったです。

鉄道で向かおうとすると24時間以上かかるので、1週間の日程の丸1日を移動にとられてしまうことになります。
いくら鉄道好きといえ、これはちょっともったいない。
この10年ほどでインドにも格安航空が増えていて、インディゴ(Indi Go)航空というのがカヌールから列車で1時間半程度の距離のコージーコードまで直行便を飛ばしていました。
その時間が格安航空とあって変な時間(夜8時過ぎムンバイ発の10時過ぎ到着)なので、マテランの帰りに直接空港に行くというのが最も効率的だという結論に達しました。





ということで、夜のムンバイ空港からケララ州コージーコードの空港に降り立ちました。


空港からはプリペイドタクシーで駅前へ
ちょっとマイナーめな町なので、expediaやbooking.comといった普段使う予約サイトに出るホテルが少なかったので、「とりあえず、行きゃあなんとかなるだろう」と思って、当初は適当なホテルを見つけて宿泊・仮眠し、翌朝カヌールへと向かおうと思っていました。

ところが、、、、これが甘かった。




駅前のホテルを何軒か回ったけど軒並み「Full Booked(満室)」と言われ。
タクシーのドライバーも「これはめずらしい」という感じで同情されました。
結局、ドライバーに「明日カヌールに行きたいんだ」というと「そしたら駅のホームで寝ちゃえばいいじゃん」とごく普通のことのように言われました。

確かにそうだよね。
青春18切符で旅する若い子なんかがよくやる「駅寝」というやつね。
インドで駅寝するのも悪くないかも、、、と思って腹を決めて駅に行きました。




インドなので先客は沢山居ます。




時刻表を見ると、ここは海岸沿いに北上する幹線が通っているので、夜中でもほぼ1時間おきくらいに列車がやって来ます。
このどれかに乗っちゃうと言う手もあるけど、カヌールに3時とかについても向こうで困るので、やっぱり少し駅寝してから適当な列車に乗ることにしました。




ベンチがあったので横になってみたのですが、蚊の襲撃に遭って撤退




とりあえず、ブログでも書くか、、、と「その1ムンバイ編」はほぼこのホームで書きました。


駅寝しようにも、ひっきりなしに列車が来るので騒がしくてとても眠れません。
眠いけど、いろんな列車が見れて(ある意味)楽しかったです




深夜でも2等車はこの混みよう




全車寝台の特急もあり




20両以上の客車(しかも旅客満載)を牽引する機関車はものすごいパワーだと思います。
日本のディーゼル機関車の優に2倍くらいの全長があります。


4時くらいまで待ったら少し2等車が空いてきたので、チャンスと思って乗り込みました。




夜が明けると車窓に椰子の茂る南国の風景があらわれてきました。
緯度が近いこともあって、タイの風景に似ている気がしました。
思えば学生時代、バンコクからチェンマイへ寝台が取れなくて、2等車で夜通し座っていったことを思い出しました。




カヌール到着
今回の旅のミッションをひとつクリアです。


ーーーーーーーーー


さて「ミッション」という言葉を使いましたが、実は今回僕がカヌール行きを決めたことにより、インド号の2人がFBでコミュニティを作ってくれました。
その名も「祝安藤さんカヌール行き!」


ちょうど朝の到着だったので、インド号さんかすすめられていた朝食食堂に行き「カヌール着きました」とそこの写真をアップしたところ、早速日本から即レスをいただき、「ここおいしいよ」「これも食べて」という感じで次々とリアルタイムに指示がやってくるようになりました。

すごい遠隔操作ですけど、日本からカヌール大好きのインド号の2人が出すお題に僕が答えていくというゲームがこの時から始まりました。
それにしても、この方式はぜったいにハズレがないから、おかげで僕も楽しい思いをさせてもらいました。



写真は最初の日の朝ご飯、オンデンホテルにて

インドにはなぜかホテルという名前の食堂が多いですね。
最初はこんな小さな町なのになんでこんなにHotelが多いんだろうと思いました。


さて、最大のミッション「テイヤム」ですが、インド号さんに紹介してもらった旅行会社と電話で連絡を取り、
「ああテイヤム、近く(near by)でやってるので今夜見れるよ」「夕方迎えに行く」みたいな感じでえらいスムーズに予約できたのですが、これがインド人特有の適当さだったことがあとで発覚。

夕方やって来たツアー会社のドライバーは「やっぱり近くでやってなくて、ちょっと遠い(このときは25km程の距離とのこと)けど見れるよ。8時に迎えに行く」とのこと


8時になっても現れないのでまた電話をすると、「30分(Half an hour)で来る」とのこと。


まあ、サバ読んでるな、、、と思ったら案の定、9時半頃やって来ました。
良くあることです。慣れてます。


、、、と、何故か夕方会ったドライバーだけでなく、「友達」が後ろの席に乗っています。
まっいいか、、、ということで出発。


25kmと言っていたので、30分程経過して「そろそろ到着?」と聞くと、いやあと「5km」とこの期に及んでもサバを読むので、もうあきらめてうとうとしていました。
なにやら携帯で話す声が聞こえたので、そろそろかと思ったら、どうも道を聞いているみたい。
そこでようやく説明してくれました。

「実は僕ら(ドライバーと後ろに乗っている友達)の共通の友人であるカメラマンがいるんだけど、今日のテイヤムはそいつの村のテイヤムなんだよ。」
「だから僕らも一度見てみたかったんで、ちょっと遠いけどこっちにしたんだよ。その友達が夕食を用意してくれているから、まず彼の家に行くね。」
(実際、最初言っていた25kmくらいの近いところでも同じ日にやっていたらしい)

ふむふむ、インド人(ケララ州の彼らだけを基準にしちゃあいけないかもしれませんが)「時間はサバを読む」、「最初から詳しく説明しない」ということが良く分かりました。
とはいえ結構面白い展開になってきました。
単なるテイヤム見物だけでなく、ちょっとしたホームスティも同時に体験できてしまう訳です。




最後でちょっと道に迷いましたが、今夜テイヤム開催のお寺から歩いてすぐの距離にある友人宅に到着






家に入ると、(ドライバーの友人の)お父さんが、ニコニコしながら迎えてくれました。
さっそく、テーブルには食事用の葉っぱがしかれて、お父さん自らご飯とカレーをよそってくれました。




夕食、僕はビールを飲みながら軽く食べてきたのですが、据え膳食べぬは、、、ということで(ちょっと意味が違うか)、しっかりいただきました。



それにしてものんびりしてます。
「8時スタート」とか言っておいて、もう優に11時は回っていました。
ご飯を食べ終わり、手を洗って、しばし犬とじゃれたりしたのち
「では行きますか」という感じで近所のお寺へ




テイヤムもう始まっちゃってるんじゃないかとヒヤヒヤしましたが、さすがはジモティー、到着するとちょうどぼちぼち始まる時間帯でした。






パンパンパンーッと花火が上がるのを合図に、椰子の葉を纏めて作った松明(たいまつ)のようなものに火を付けます。




松明を持つ村の男達は裸に腰巻き姿






おのおのの松明に火が回ったら、かけ声をともに男達がそれを持ち上げて、会場の中心に向かって移動させます。
観客達は急いで道を空けます。
松明、相当重いだろうと思うので、村の男達、ここは力の見せ所です。




火の粉が飛び散って、なかなか勇ましい風景です。




ドライバー他の3人も完全に観光客モード。
もしはぐれたら蓮池のところで待ち合わせね、、、、ということにして、おのおの好きなように観ることにしました。




松明が移動し始めると、いよいよ本日の主役「テイヤム」の登場です

今回は動画も撮ってみました。


みんなテイヤム目当てなので押し合いへし合いしているし、テイヤムはリズムに合わせて行ったり来たり、けっこうなスピードで会場内を走り回るので、なかなかカメラに収めることが出来ません。
テイヤムも凄い、かなりの運動量とスタミナが要求されます。
きっと息子がその年のテイヤムになったりすると、さぞ村で自慢できるのではないかと思います。




最終的に松明は広場の中心に集められ、大きな炎となります。
この炎とふんどし姿(?)の男達をみると、なんだか大磯の左義長をみているような気分になります。




テイヤムは村の長老のような人から水をもらって静まります。
踊り狂ってトランス状態>水をかけるor飲んで静まる、、、、という流れが、バリ舞踊なんかと共通点があるように思いました。



最後に村の長老達に挨拶?なのか訓示?なのか、それぞれに言葉を交わしていました。
テイヤム、えらい早口でまだ興奮冷めやらぬ感じが伝わってきました




さいごにやっと静止したテイヤムをパチリ
お疲れ様でした

テイヤムというこのお祭り、さきほど大磯の左義長にたとえましたが、まさに「どんどん焼き」くらいの感じで、毎年この時期、各地元のお寺で行うもののようです。
大きなお寺で、ケララの外からも沢山観光客が来るような大きなテイヤムもあるようですが、多くは地元のひとたちが中心となって、村の男達が松明を運び、テイヤムを演じ、大切に大切に守ってきているお祭りなんだと思いました。




帰りがけに話しかけられた松明を持っていた村人の一人。
さすが屈強な感じの肉体!




、、、とこの時点で深夜の1時近く
さらに1時間かけてカヌール市内のホテルまで戻ったので、床についたのは3時近くでした。

ともあれ最大のミッション(?)終了。

ドライバーとその友人も僕のツアー代でテイヤムを見に来れたし、僕も思いがけずケララ農村で食事を御馳走になることができたし、みんなハッピーな展開でした。


その後もさらにいくつかミッションをクリアするのですが、続きは次回に
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1 コメント

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Unknown (Kanathoor)
2022-01-15 02:09:35
ケララのKannur在住です。Kannurはカンヌールと読みます。グーグルの間違った表記で間違った街の名前が広がっています。訂正していただければ幸いです。
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