NARAYA CAFE のできるまで

歴史あるリゾート、箱根宮ノ下駅前で、古い建物を利用したカフェ&ゲストハウスをオープンするため、改装にはげむ日々を綴る

miyanoshita sanpo

2016-11-06 11:06:30 | 2016シーズン
NARAYA CAFEのある箱根宮ノ下の商店会では2011年から「宮ノ下さんぽ」という活動を行っています。

主な活動はマップ作りとガイドツアーの実施です。
そのほかにも写真コンクール、ライブイベント、公園を使っての芸術作品の展示、古本市などいろいろとトライしてきましたが、多くは単発に終わっています。
宮ノ下のような小さな町で、イベントで人を集めるのは簡単ではありません。
いわゆるイベントの仕掛け人みたいな人と組んで(お金も積んで)、各方面のメディアを使って宣伝を打てば箱根という知名度もあってイベントとして成立させることもできるのでしょうが、それも何か違う気がします。

もとのはじまりは、2011年に商店会のメンバーで廃校を活用したアートイベントを見に行ったことがきっかけでした。
(詳しくは2011年10月のブログ参照)

このときに出会った地元の若手アーティスト達とわれわれ商店主とで、手弁当でイベントをやってみようじゃないの、、、ということで始めたのがこの「宮ノ下さんぽ」です。
当初はアートイベント的なものを考えていたのですが、最初ガイダンスのつもりでメンバーの何人かと宮ノ下の街を歩いて案内したら、それが感動的だったので、これを観光客にやったらいいんではないか、、、ということでイベント名が「さんぽ」になりました。
これは正解だったと思います。

ここ何年か「・・芸術祭」とか「・・アートフェスティバル」とか乱立しているので、「さんぽ」という言葉の醸し出す気軽な感じが逆に際立ちます。
そんなスタイルではじめたイベントだから、公共の補助金を取って大々的にやるのでなく、商店主(地元の人)・アーティスト(外部の人)それぞれがお互いの利点を活かつつ、出来ることから少しずつやっていくのが好ましいと考えています。
そこでここ数年は、コア事業とも言えるマップ作りとガイドツアーに絞って、いつか芽が出ることを信じて(細々と?)やっています。

そんな努力が実ってか、今年の2月に放映された「出没アド街ック天国(箱根宮ノ下編)」では「宮ノ下さんぽ」なんてタイトルも登場しました。




「細々と」なんて言いましたが、今年の特筆すべき点は英語版のさんぽマップの作成です。
「さんぽ」から「sanpo」へ、ここ数年著しく増えてきている外国人観光客にも宮ノ下の魅力を知ってもらおうと英語版発行に踏みきりました。

通常であれば、今ある日本語版のマップをどこか業者に出して英訳するのでしょうが、それも面白くない、、、
宮ノ下のことをよく知っていて、英訳能力のある人はいないかな、、、、と思っていたら、居ました。
こないだまで森メシに勤務していたyukoちゃん。

彼女も僕と同じ放浪癖のあるタイプで、森メシに来る前はカナダでワーホリしていて、今年森メシを辞めたのは台湾に語学留学するためでした。
休憩時間に良くカフェで英語の勉強をしていたし、今年に入って中国語(台湾語)まで手を出していることから伺えるように「語学オタク」な側面も。

早速お願いすると快諾してくれて、8月頃から英訳作業を進め、先日晴れて完成しました。



NARAYA CAFEの店頭にも並んでいますので、従来の日本語版と一緒に手に取ってみてください。
表面が散策マップ、裏面は各店舗の紹介になっています。
限られたスペースで各店舗を紹介していますが、軽快で簡潔な英語で書かれています。

今年に入って宮ノ下に2軒、ゲストハウスがオープンし、お店で外国人から道を聞かれることも多いのですが、このマップを渡して「Your guesthouse(hotel) is here, enjoy walking!」みたいな感じで「miyanoshita sanpo」を勧めることができるようになりました。


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さて本題のmiyanoshita sanpoです。

今年は英語版さんぽマップの完成を記念して、外国人を対象としたさんぽツアーを実施しました。

近年、これだけ外国人観光客が増えてきて、なおかつFIT(海外個人旅行:forieign independent Travel)と呼ばれる、自分で箱根を目的地に選び、自分で宿等を予約してやってくる人も増加しているのだから、宮ノ下さんぽのようなテーマを持ったガイドツアーもウケるはずだ、、、と思ったからです。
単に外国人に宮ノ下さんぽをやったらどんな反応をするだろうか、、、という興味もありました。
せっかく英語マップもできたことだし、自分も含め今使えるリソースだけで外人ツアーを催行できれば、かなりチャレンジングな試みになるし、今がそのタイミングではないか、、、という思いもありました。

そうと決まれば人材捜し、、、といってももう目処はついていました。
英語版マップの翻訳をしてくれたyukoちゃんとともに、カフェの常連客でときどき手伝いもしてくれていて、現在、タクシーでの観光ガイドをしているRemiちゃんにガイドをサポートしてもらうことにしました。

これまでさんぽツアーは地域の折込広告などに記事を載せてもらったり、新聞の地方紙に投げ込みをしたりして広報しましたが、外国人ツアーの場合は前日たまたま宿泊した人を誘い込むしかないと考え、外国人の多く集まる宿泊施設にチラシを置いてもらうことにしました。




チラシのデザインはこんな感じです。
こんなチラシを宮ノ下をはじめ湯本・強羅のゲストハウス、それから富士屋ホテルに置いてもらいました。
下手な鉄砲数打ちゃ当たるじゃないですが、これだけ外国人観光客が沢山来ているのだから何人かは興味を持つ人がいるだろうという憶測のもと当日を迎えました。





結果、参加者は1人だけ、、、、でした。

その他にRemiちゃんの職場の友達が1名、宮ノ下のゲストハウスのスタッフが1名、外国人向けガイドツアーということに興味を持って来てくれました。
彼女らも英語を話せるので、結果的に1人のお客さんに対しガイド5名(うち4人は若い女子)という、なんとも手厚いツアーとなりました。



はじめての英語ガイドツアー、晴れて最初のゲストとなったのは英国(イングランド)人のラリーさん。
職業は獣医さんで、馬が専門とのこと。
王立馬術チームの担当をしているとのことなので、まさしくジェントルマンです。

最初に宮ノ下が外国人に開かれたリゾートだったことを嶋写真店のセピア写真を見せながら説明しました。
ここは事前に英文を用意しておいたので、セピア写真のビジュアルを交えながらうまく説明できたかな、、、と自分では思います。





続いて太閤石風呂通りへ

さきほど明治時代(19世紀)の話だったのが、いきなり戦国時代(16世紀後半)に飛びます。
日本人ならそんな説明はいらないのですが、秀吉の説明するのに、封建時代(feudalism)のことを話さないといけません。
ラリーさんの出身、英国にも封建時代があって、西洋の騎士(Knight)と日本の武士の共通点、、、、なんてあたりから、なかなかWordが出てこなくなって来ました。

さすが英国紳士、目の前にテーマが出てくると、どんどん社会・文化的な部分に展開して、日本人の名字と血統(pedigree)との関係、、、といったテーマについて話しました。

自分の英語力、お店で観光案内をしたりする分には十分なんですが、いざ深いテーマについて話そうとすると現状では全然ダメです。
今回、それを実感させられました。
ここはRemiちゃんはじめ女性ガイド達にバックアップしてもらいました。




歩き疲れたので、ゲストハウスToiでコーヒーをいただきました。
宮ノ下の一番町外れにあり、石風呂通りから坂を登り切ったところにあるToi。
とても落ち着ける空間です。



その後、旧花街だった楽天地へ。

ここの説明が一番難しかったです。
芸者というビジュアルな存在が今は無く、昔の面影があるだけなので、日本人(とくに年配の方)なら場の雰囲気からそういうものをくみ取ってもらうことが出来るのですが、外国人からみたら「何がnostargicなの?」という感じだと思います。
古い看板や建物の意匠がそうなんだよ、、、と説明してみるのですが、そのスタンダードとなる普通の看板や家というイメージがないと難しいですね。


休憩をはさんで約2時間、さんぽを楽しんでもらって富士屋ホテルへ戻ってきました。(ラリーさんは富士屋ホテルに宿泊だったので)

英語ガイドツアー、最初の試みでほとんどモニターツアーのような形だったのですが、参加者1人というのは正直しょげました、、、
ですが、たった1人のお客さん、英国紳士ラリーさんはモニターとして最適だったかもしれません。

その後、僕は店に戻りましたが、ラリーさんは女性ガイド(?)達と一緒に昼食に行き、いろいろとsuggestionをもらいました。

「近代リゾート」「戦国時代」「花街」というようにテーマがあちこちにいくことによって、かえって宮ノ下の特色がぼやけてしまっていると指摘され、「もっとテーマを絞った方が良い」と言われました。
時代背景や歴史的な説明をするにしても、今ここに住んでいる人がどういう生活を送っているのかが知りたいとのことでした。



確かにその通りだと思いました。

日本人の場合、箱根を知らない人はほとんどいません。
箱根といえば超メジャーな観光地で芦ノ湖があって、富士山が見えて、土産物屋がたくさんあって、、、というのが多くの人が抱くイメージだと思います。
そういうステレオタイプなイメージを覆す形で「宮ノ下さんぽ」でノスタルジックな宮ノ下を案内すると、「ああ、箱根にはこんなところがあったんだ」というような感動を覚えてもらえます。

一方、外国人は箱根はもとより日本が初めてという人がほとんどなので、「ひと味違う箱根」を求めているわけではありません。
ありのままの日本や箱根を知りたいのです。

そういう意味で、「とりあえず外国人向けに英語で宮ノ下さんぽをやったら受けるのではないか」という僕の最初の思惑は、あまりにも浅はかだったことが証明されました。

ですが時折ボランティアでやらせてもらっている「宮ノ下さんぽツアー(日本語)」のガイドに加え、英語で外国人向けに地元をガイドするという体験は、自分自身にとっても非常に刺激的で、是非今後も続けていきたいことの1つです。
腐りかけている(笑)自分の英語をblush upする機会にもなります。



英語ツアーに関しては仕切り直しですかね。
トレッキングや芦ノ湖・富士山という箱根のメジャーな観光資源も含めた、もっと広い視野からとらえた方が良いかもしれません。
必ずしもボランティアである必要はなく、むしろきちんとガイドを育成して、商売としてやるべきなのかもしれません。
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