blueglassの向こう側

厚木市議会議員「奈良なおし」の思うことをそのままに

豊洲の基本方針と設計に対する妥当性

2016-09-16 21:09:41 | 政治
ちょこちょこと豊洲に対する私の考え方を書いてみたところ、思った以上に反響がありました。
今回は市場の機能について考えてみたいと思います。

ちょっと都の資料を調べれば直ぐに出てくる内容ですが、まず「市場」というと、市場に入った荷が全て競りにかかり、出荷されるイメージはあると思うのですが、実態関係として、ただそれのみではなく、入った荷がそのまま出荷される「予約相対取引」が増加しています。
制度が出来る前は「先取り」と呼ばれていたそうですが、予約相対取引の制度は、事前に出荷する人と、買い手業者が卸業者を経由して、数量を契約するもので、価格は当日の卸売市場価格というものです。大手のスーパーであるとか、外食産業への納入業者は数量をきっちり確保したいのがホンネにあって、利用されてきています。

東京都が豊洲市場を計画するために行った平成12~13年に行われた調査では、水産物は1日3,030tの入荷があり、卸売場と仲卸売場を経由する物量が2,017t、青果では1日1,578tの荷が入り、仲卸売場で売られる物量は543t。つまり水産物は1,013t、青果は1,035tが卸売場を通さず、そのまま通過して出荷されていることになります。

この段階で、都は通過するだけの荷となる「予約相対取引」を今後も増加すると見込んでおり、移転に伴う仲卸人のスペースは確保しつつ、それ以外の取引を見込んで基本計画で水産部は35,000㎡、青果部は13,000㎡の増加して、今のごちゃごちゃした市場の機能を淡々と整理して計画を始めています。





今回の設計では7区の卸棟に入った荷のうち、加工や陳列を伴わない大口の荷をそのまま7区から出荷、卸売場以降の機能を6区に分けて、陳列、加工の後、大型車は6区1階、小口買い出し人が6区4階のバースから搬出する計画にしており、計画自体は妥当なのではないかと思うところです。



今回の騒動を引き起こした建築エコノミストを名乗る森山氏は、水産物の6区、7区の動線が少ない事を指摘して「使い勝手が悪い」と言っています。



しかし、現状、すべてが一緒くたで縦横無尽に人が動き回る築地と、荷の物量が変わる豊洲を図面上で単純比較して批判すること、また、7区→6区は徐々に小口取引へとなっていき、上記にupした画像からも読めると思いますが、混載による共同配送方式を導入され、現状のように仲卸人が好き勝手に動くわけでは無いことを考えると、建築の根本でもある現状把握と将来予測を理解して批判しているとは思えないのですね。