blueglassの向こう側

厚木市議会議員「奈良なおし」の思うことをそのままに

前原発言「民主党解党・新党結成構想」について思うこと

2015-11-18 12:52:21 | 政治
前原元外相が民主党の解党、維新の党との合流を前提にした新党結成構想をぶち上げた。
下世話な話だが、政党交付金の算定が1月1日現在を起算点とするため、毎年、この時期になると野党がガラガラポンして新党結成や、合流など、永田町の風物となった。

2009年から2012年まで3年強に及ぶ民主党政権の迷走ぶりは記憶に新しい。その間、みんなの党や、維新の党などの出現もあり、2012年、2014年の二度に及ぶ解散総選挙でその存在感が無くなった。事実、現在、衆議院小選挙区で民主党公認候補で勝ち上がっている代議士は、党の看板というよりは、その候補者自らに集まる票で勝ち上がったと言っても過言では無い。

事実、直近で行われている地方選挙でも民主党は苦戦している。今週15日に行われたばかりの福島県議選では3議席増の15議席ではあったが、現地からは「苦しかった」という声が聞こえてくる。先月、10月25日に行われた宮城県議選で5議席で、4議席プラス、合計8議席を獲得した共産党に大きくリードを許してしまった。

10月26日には兵庫11区の松本剛明元外相が三行半を突きつけて離党し、来年は参議院選挙(私は衆参ダブルの可能性があるとも見ている)を控える側からすれば「政権運営に失敗した民主党」という負のイメージから脱却したいのも頷けるといえる。

しかしながら、党の看板を掛け替えて、負のイメージを脱却するという発想がすでに選挙目当てでしかなく、ハッキリ言ってしまえば安直そのものであり、民主党政権時代の反省が全くない。そう言っても過言ではないだろう。

民主党にもマトモな方は居られると前置きはするとしても、2009年、党綱領が無く、どんな国づくりをめざすのが見えない中で、政策も選挙でウケの良いものを並べ立て「政権交代」という言葉だけで政権を獲得し、本来はすぐさま取り組む必要のあったガバナンスの構築をも後回しにした結果が民主党政権時代の、この国が極めて不安定となった3年間だったはずである。

そしてまた政策軸の無いところで、選挙目当てで新党結成構想をぶち上げるという行為は「いつか通った道」をまた繰り返す話でしかない。結果として、発言した前原元外相は党内から総スカンを食ったような形であるが、それが政権から転落し、反省を経て綱領等の整備を進めた民主党内の良心であって欲しいと願うばかりである。