~ならしのの風に乗って~

二人三脚で綴る夫婦の気ままな日記

感動の超大作「ベン・ハー」!

2011-01-10 07:40:49 | 映画
私(おじさん)の映画日記です。

今日は、私が子供のころに観て、すごく印象に残った映画「ベン・ハー」を紹介します。

ベン・ハー 特別版(2枚組) [DVD]

 
この映画は、単純に言えば、自分を裏切った友への復讐劇と言えそうですが、
それだけではない素晴らしさがあったのです。
(本当のテーマは”赦す”ということでしょうか)

この映画、上映時間がとても長い映画でした。212分だそうです。
実際には途中で休憩もありますからそれこそ4時間ほどの映画になります。



映画を観始めて、まず驚いたのは、
音楽は流れているのに、スクリーンが変わらなかったことです。
子供心に、映写機が故障したのではないかと心配したのを覚えています。
でも、この音楽、「ベン・ハー序曲」ですが、妙に印象に残りました。
今になれば、クラシックの歌劇などが序曲から始まるのと同じで、
これだけの大作ならばなるほどと思うのですが、当時はびっくりでした。

次に覚えているのは、本当にハラハラドキドキしながら映画を観ていたことです。
特に戦車競争の場面は圧巻でしたね。
何年か前に、「グラディエーター」という映画があり、
この「ベン・ハー」を思い起こさせる映画だと騒がれていたので、観にいきました。
でもハラハラドキドキ感は「ベン・ハー」が圧勝です。

それから、この映画で感心することは、
(子供のころは感心まではしていないのですが)
イエス・キリストの顔かたちをきちんとは映していないということです。
映っているのは、ベン・ハーが流刑の地に連れられていく途中で、
イエス・キリストがベン・ハーに水を与える場面で映される手と、
後半で民衆に話をしている後姿ぐらいです。
どんな俳優をもってしても、おそらくイエス・キリストの尊厳さ、偉大さを
表現できないと考えてのことなのでしょうが、
誰かの顔を映すより、すごく効果的であると思います。

それから、終盤でイエス・キリストが十字架を背負って磔となる道の途中で、
逆にベン・ハーがイエス・キリストに水をやる場面があります。
なるほど!単なる復讐劇でないと感心させられます。

もうひとつ強く印象に残ったこととして、重い病気のことを触れない訳にはいきません。
この映画を観て、ベン・ハーの母と妹が罹ったこの病気(今は”業病”と訳されていますが、
当時は病名が字幕に書かれていました)を怖いなあと思ったのですが、
それ以上に、この病気になった人たちが死んでもいないのに死の谷に追いやられ、
意地悪をされているのが病気以上に怖いなあと感じたのを覚えています。
幸い、イエス・キリストの復活の時に、奇跡が起こるのですが。。。
また、現代では誤解が解けて、この病気による差別が解消されてきたことは
本当によかったと思います。

 
この「ベン・ハー」は、1959年に製作されたのですが、
その年のアカデミー賞を11部門も受賞したそうです。
それ以降、「ベン・ハー」の11部門を越す受賞作品は、まだ製作されていません。
「タイタニック」と「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」がタイ記録だそうです。

そして、この映画1本で、直前まで倒産寸前だったMGM映画が、立ち直ったということです。
まさに、MGMにとっても”復活”の奇跡が起こったと言えそうです。

 
時間が長いので、そう頻繁に観ることは出来ないのですが、
この「ベン・ハー」は、心に残る大傑作です。