独断とHeineken

趣味や思ったことを独断と偏見を持って紹介していきます

詰め込み型授業

2005年10月15日 01時25分05秒 | 教育学研究
週に2回の先生体験,今週もしてまいりました

今回の授業実践では,いつもの授業とは少し違う授業形態を取って行いました。
いや,取らざるを得なかったという方が正確なんですけどね

その形態とは記事のタイトルにもあるように「詰め込み型の授業」です。
具体的には以下のような流れです

1.問題の解き方を始めに教授する。「この問題にはこれを使う」みたいな。
2.生徒が実際に問題を解く。
3.答え合わせをする。

という感じです。

…おもしろくない。ほんとにおもしろくない授業だな
だって子どもは公式の意味を何もわからぬまま問題を解いているのですから。
たとえて言えば,「突然ワケのわからない道具を持たされて,木を切らされている」ようなもんです。
今回は試験までにどうしても範囲を終わらせなければならなかったので,仕方なしに,泣く泣くこの形態をとりました
しかしながら,もうこんな授業2度とやるものか,と思いました


……
………実際に授業をするまでは。

実際にこの授業をしてみると,予想以上に生徒の感想が良い。
子どもに「先生,今日のところはわかったよ」と言われるぐらいです

なんででしょうか?
ここからは私の独断と偏見ですが,子どもは「ワケのわからないもんでも,切れれば楽しい」のではないのでしょうか?
だから,今回の授業のように,「公式を渡されて,それを適応するだけの授業」の方がわかりやすかったのだと思います。

しかしながら,これは数学教育の意図するところではありません。

それは子どもが「なんで木が切れるのか」をまったくわかっていないからです。
事実,私も「スパスパ切れて楽しい」ことより「何で切れるのか知りたい」と思っていますし
これは私のエゴでしょうか

まぁ,私も少し意固地になっていた部分もあり,このような授業形態もたまにはアリかな,と今回の授業をしてみて思いました
…だって,いつもよりあんなに食いつきがいいんだもの


ここ数日,新聞等で読まれたかもしれませんが,内閣府の調査の結果がでています
それは保護者に対するアンケートです。
いろいろと勉強になる部分があるのですが,そこで私が目を引いたのは「学力向上は学校より塾」と「学校の先生より塾の先生の方が教え方がうまい」というものです。

しかしながら,よく考えてみてください。
その真偽ははたして本当でしょうか?
保護者は何を見てそう考えたのでしょうか?
学力とはなんなのでしょうか?ペーパーテストで点を取る力だけでしょうか?
塾で「よく切れるけどワケのわからない道具」をいっぱい持たされてるだけかもしれませんよ?

もちろん,学校の教師側が見直さなければならない部分も多くあります。
今,数学教育では内実的な理解が叫ばれ,教科書の内容を減らし,1つの単元にかける時間を増やそうとして来ました。
情意的な部分の向上も兼ねてです。
しかしながら,どれだけの学校がそれを実践できたでしょうか?
ただ回りくどい教授行為を行っているだけかもしれません。
情意面にしても,いまだに数学嫌いの数は減らないですし

今,「学力とは何か」を皆が真剣に考えなければならないのではないでしょうか?
学校だけでなく,保護者も,マスコミも。
その定義さえあいまいなまま,学力だのなんだのと言うこと自体おかしい,と私は思います

私自身,この問題についての勉強がまだ足りておりません
これからの学生生活の中で,また研究の中で探ってきたいと思っております