ただ今愛知県長久手町にある愛機県立芸術大学の中にある芸術資料館の展示室で、収蔵資料の展示がおこなわれています。6月12日(水)まで。
実はそこで今展示されている収蔵品のなかに、1850年デンマーク製のスクェアピアノが入ってまして、それの修理と調律の依頼を受け先日より取りかかってます。
一昨日は調律をメインで伺ってきました。
最初、音の狂いはもちろん、音が何カ所か出なかったりあるいは音が止まらなかったりとかで、けっこう大変な状態でしたが、なんとか昨日にはまとまり、演奏も何とか出来る状態になりました。
6月6日(木)16:30からは、音楽学部の北住淳教授による、このスクェアピアノでのコンサートとレクチャーもおこなわれます。
そもそもこの仕事は北住先生より相談を受け、させていただくことになったものです。
写真も載せましたが、こんなスタイルのピアノにしてはしっかりした造りで、アクションなんかも、もちろん今のピアノなんかとはかなりちがいますが、それでも何とか弾ける状態にまでは持っていくことができました。
調律のピッチだけが、現在1音近く下がっており、北住先生が、鍵盤を押さえる場所と出てくる音の高さがちがう、とかなり手こずっていました。
でも最終的には半音下がりくらいまでは持っていきたいと考えています。
結構不安ではありますが・・・。
昨日調律が終わった後、北住先生がいろいろ試弾されました。
このスクェアピアノ、ボリュームこそあまり出ませんが、その出てくる音色がとてもすばらしい!
柔らかい艶のある木の響きの音が出て、何か五感に直接響いてきそうな音です。
北住先生が一番最初に弾いたバッハのプレリュード1番の美しかったこと!
心に深く残りました。
展示室にはこのピアノのほかに、チェンバロを始めいろんな楽器や、またその他の美術作品なんかもあり、会場に足を踏み入れたとたん、それらの作品から受ける波動のようなものが、ずっと僕を刺激しつづけていました。
何か人生で大切なものを忘れてきた様な気がする、そんなことを思い出させるような、不思議な感触を覚えました。
期間中はずっと入場無料でまた誰でも入れるということで、皆さんももし時間が許せばぜひお越しください。できれば6日のコンサートにでも是非どうぞ!