ピアノは歌う♪ ~調律師が見た音楽の世界~

合唱歌手としても活動をするピアノ調律師が語るピアノと音楽の話

6.よいピアノ椅子

2008-08-30 23:59:46 | ピアノの話
今日はちょっとピアノ椅子についてお話しします。
道具にはなんでもよい道具があって、それがあると仕事がはかどったり、作業がきれいにできたり、とにかくよい道具はいろんなよいことをもたらしてくれて、使ってみてはじめて「ああ、手に入れて良かった。」と思うことが多いのですね。
それで、ピアノ椅子にもそんな椅子があったのです。
ドイツのライナーという名前(会社名?)の椅子なんですが、これが、使った人にはなかなか評判がいいのです。
僕が最初に見たのは、静岡県磐田市にかつてあった浜松ピアノセンター(とても残念だったのですが、昨年倒産しました。)のショールームでした。
そこにはそのライナー椅子が商品の試弾用にいくつもおいてあったのです。
浜松ピアノセンターにでかけると、僕たちはそれにふつうに腰掛けて、何も特に思わずにピアノを弾いていました。
ところがある時、調律師協会の会合で、ピアニストのはちまん正人さんのトーク&ミニコンサートがあったときに、彼が話してくれたのです。
曰く、「僕は最近すごくいい椅子を見つけました。その椅子は何時間座っていても全然疲れないんですよ。だから何時間でもピアノを弾いてられるのです。」と。
その椅子がどうもこのライナー椅子のことだったようなんです。
それ以来、注意深くこのライナー椅子を観察してみると、確かに、座っていることがまったく苦にならない座り心地なんですね。
それで、お客様にも勧めるようになり、その後買っていただいたお客様の反応も、とてもいいのです。
子供がピアノを弾く時じゃなくてもこの椅子に座りたがる、とか、2階の自分の部屋に持って行ってしまう、とか、座りやすいのでもう1脚購入されたりとか、値段は7万円近くもするのですが、とにかく評判がよかったです。
座り心地は、わりと薄っぺらい座面の外観からくる想像とはうらはらに、なんかしっとりと体を支えてくれるのですね。かといって、ふわふわとはちょっと違います。
とにかく、あまり椅子の存在を感じさせない座り心地なんです。
まあだから逆に、はちまん氏に言われるまでは、特に何も気づくことなく、何気なく座っていたのですね。
ところが、これも非常に残念なことに、もう今は日本に入ってこなくなったのです。
理由はわかりません。
これに変わる良い椅子を探してるのですが、なかなかむつかしいです。
分厚い座面を持つコンサート用ピアノ椅子なんかは、それはそれで座り心地もかなり上質だとは思いますが、家庭で使うには見た目も実際も重すぎるように思いますし、価格も10数万円はしますから、ちょっと対象外になりますしね。

なんか、いい椅子ないでしょうかねぇ。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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そうですかぁ… (kaho31415)
2008-08-31 15:17:48
素敵な椅子なのに、残念!
実はピアノ兼ヴァイオリンの練習用に、この数年
漠然と椅子を探してはいたのです。。。
高くて良いものは、なかなか 売りにくいのか、
真価を見据えた頃には 売られなくなってしまう、ということが多くて、
そういう日本の現状を いつも淋しく思います。
今後も 何か良いお品があったら、是非教えて下さい!
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そうなんですよぉ (町田 直紀)
2008-08-31 16:27:41
ほんと残念なんです。
僕としては、できれば輸入再開を願ってるんですが・・・。
ちょっとその辺の事情がよくわからないので。

またいい椅子があれば紹介させていただきますね。


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