日々のうつろい日記

四季のうつろい、心のうつろい、 残しておきたいもの・・・

生きた森

2007年06月30日 | Weblog

屋久島の森は深い。大雨の後であったため、木々も苔も瑞々しく、緑が冴える。水場ではヤマヒルも元気に活動している。気づいたときは足に小さめのヒルがついていた。小さいものは指ではじいて落すことができるが、しばらくして、靴の中に潜んでいたヒルを発見。今度は少し存在感がある。休憩の度に入念なチェックが必要である。ヒルは靴から忍び寄ることが多いが、木から落ちてくることもあるそうで・・・首や腕に落ちてこられてはたまったものではない。木々から滴り落ちる水にもヒヤリとする。このあと、しばらく体がムズムズするたびに、もしや!と体中確かめる。
スパッツを付けていればよっかったと思ったが、後から聞くと、スパッツもあまり役には立たないそうで、上に上にあがってくる性質のヒルは、静かに忍び寄ってズボンのウエストのあたりで溜まっているという。靴の中にショウノウを入れておくといい。とか、塩がいい。とか、いろいろ聞いたが、決定的なヒル除けはわからないまま・・・それにしても、小さい体でこんなにぞっとさせるとは、大したものだ。

ウィルソン株に負けないくらい素敵な株に出会う。ハートの空は見えなかったものの、見上げた緑と空は私のために輝いているようだった。

屋久島には、縄文杉よりもっと長生きしている杉があると聞いたことがある。森を歩いていると、森のずっとずっと奥にはまだ誰にも見つからず何千年も長生きしている杉があっても不思議じゃない気がする。
大きな杉の間に、薄茶色のすべすべした木肌の大きなヒメシャラが何本もある。背丈が高いので樹の上の花は見つけづらいが苔の上に落ちた花がいくつもある。シャラの花は夏ツバキのことと聞いたことがあるが、ヒメシャラは夏ツバキを小さくしたような花だから姫シャラというのだろうか。
「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」平家物語の一節を思い出した。純白の落花は少しずつ色が衰え始めたようだ。

山から下りて気づいたことに、同行のN氏、足首が血だらけ。私を笑っていた彼は、どうやら里まで森のお友達を連れてきてしまったようだ。


いなか浜

2007年06月29日 | Weblog

29日夜、いなか浜へ。

無線から伝わってくる前浜は忙しそうである。真っ暗な浜で目を凝らしていたが、いなか浜に上陸の気配はない。
午後11時前、暗闇の中に黒い影を発見。徐々に近づいてくる。
片足のないカメだった。1時間かけて浜辺の途中まで上陸してきたが、そこで穴掘りを始めてしまった。片足がないため、うまく穴が掘れず、かなり体力を消耗していたに違いない。かわいそうに。産卵できずに海に帰って行った。

上陸しても、警戒してか産卵せずに帰海するカメ。勢いあまって、くぼみに落ち込んでしまうカメ。浜の上の方まであがり、産卵場所が気に入らなかったのかそのまま帰るカメ。なかなか産卵までにこぎつけない。その後も前浜は次々にあがってくるカメに手が足りない様子だったが、翌日の予定があったため、1時にいなか浜を後にする。

明け方近く、いなか浜も何頭かの産卵があり、居残りのU氏は、移殖のための穴を8個も掘ったらしい。お役に立たず申し訳ない。


空と海と・・・

2007年06月29日 | Weblog

6月の終わり、少しだけ急な思い立ちで屋久島へ行くことになった。

いなか浜で遠く水平線の彼方をぼんやり眺め、昨日のこと、今日のこと、明日のことを考えたりする。
足もとの波の行き来や流れる雲を眺め、出会った人や別れた人のことを考えたりする。

エメラルドグリーンの海と抜けるように青い空と真っ白な雲が、どこまでもどこまでも続く永田の海辺。あの人にもう一度見せてあげたい。

横河渓谷(よっごけいこく)

永田川沿いを少しのぼり横河渓谷の広いテラス、大きな一枚岩に寝そべって水の音を聞いている。水に青い空が映り込んで揺れる。午後のひとときが静かに過ぎ、もう昨日のことも明日のこともどうでもいいような気がしてくる。

岩の陰の苔に蝶なのか、蛾なのか、私にはどちらも同じに思える生き物が羽を休めている。静かに呼吸するように羽が揺れる。翅の模様も、大きな眼も、触覚も、昆虫の体はどれも精巧にできていて神秘的だと思う。

水音に包まれて目を閉じていると、自分の体が水と同じになるように感じる。
海から空にのぼった水蒸気は、また大地に雨を降らせ、山を潤し、谷へ流れ、川となり、長い旅をしながらいつか海に帰る。

私の帰るところも、やはり元の場所なのだろう。
元の場所はどこか、よくわからないけれど、自然に任せる以外なさそうだ。戻るべきところへ戻っていくに違いない。きっとそうに違いない。

面白い空を見た。空が幾重にも層をなして、手前の雲とその上のほうの雲が別々の速度で流れていく。気流の関係なのかなあ。不思議なものを見た気がして口をぽかーんとあけて見ていた。もしかしたら普段もよくあることなのかもしれないが、それほど日常、空をのんびり眺めていないということだろう。

午後過ぎ、真黒な雲が空全体に広がり、水平線まで達したように見える。今にも泣き出しそうな空。太陽が雲に隠れていく瞬間。

次々に表情を変えていく空の様子をまた何かに置き換えようとしている私は、面倒な性格だなあ・・・と思いながら、どうにもならないからしかたない。自己陶酔型の私。

 


父への感謝デー

2007年06月19日 | Weblog


6月16日(土) 「父への感謝デー」

夫からのご招待。大人数で参加となる。
参加者:ツネキチ義父さん、ノブオ父さん、トミコ母さん、夫、長男、次男、σ(^_^)アタシ
千光寺で紫陽花を鑑賞したあと、筑後川温泉へ。
貸切の温泉に浸かった後、たらふく食べて、
義父と父のカラオケをたんまり聞いて、また温泉。
帰りに紅乙女酒造に寄り、母からお礼の品々をいただく。
胡麻焼酎、芋焼酎、バラ酒、カシス酒、梅酒、胡麻、胡麻ドレッシング。
(o^-^o) ウフッ・・・の幸せな一日。

プレ「父の日」

2007年06月15日 | Weblog


あさっては父の日。わかさんと井筒屋で待ち合わせてお買い物。靴がいい・・傘がいい・・財布がいい・・・と言っているのは婆。
で、爺は、「なんにもいらん!」と気のない返事。
あてもなくうろうろしていると、わかさんが手ごろな色とデザイン(お値段も)の財布を見っけ(^-^)
お出かけのときにでも使ってたもう。ということであっけなく決定。
いらん!いらん!と言ってた割には、結構嬉しそうな爺。(中身入れてあげられなくてヾ(^-^;) ゴメンゴメン)
さらにうろうろしていると、麻のサマーセーターが目に飛び込んできた。「こりゃあ、お義父さんに似合いそうだ」と、即決。Lサイズは少し大きいかな・・・と思いつつ、夏だしちょっと大き目のほうが涼しくていいかな・・・
無事目的のお買い物を終え、家に帰る。

何故か、アンズの収穫を知っていたわかさん。しかたない。貴重なジャムだが、今日のお礼に差し上げよう。
誰だかわからないようにモザイクかけてやろうと思ったけれど、それも怪しいから、小さめの画像を。
( ‥) ン?・・・帽子もめがねも髪の長さも、誰かに似てる・・・
わたし(・・? ちょっと見には確かに似てる。o(*^▽^*)oあはっ♪気を悪くするな!

わかさん、今日も賑やかな夕飯、楽しかったよ。ありがとうv(=∩_∩=) ブイブイ!!

紫陽花

2007年06月12日 | Weblog


梅雨の近い六月、からなかなか雨が降りません。

紫陽花が雨の中で輝き始める季節なのに、お天気は気まぐれです。

気まぐれといえば、お隣の気まぐれなっちゃん、家出したまま二ヶ月になります。もう帰ってこないのかなあ・・・

2007年06月07日 | Weblog


三十五年ぶりでした。
私と母の思い出の場所です。

中に入るかどうか、母は迷っています。
父が、ここまで来たのに、どうした。
と、背中を押してくれました。

昔、見上げるように大きかった境内の楓の木は、昔のままに・・・
でも、
昨年の四月に、和尚さんがお浄土に帰られたことを坊守さんに聞きました。
事故で腕を失くされた和尚さんが、片腕でたくさんのお膳を運ばれていた姿を思い出します。
夜が暮れても帰らない私たち親子を、山道まで迎えにこられたお姿を思い出します。

坊守さんは、母と手を取り合って、涙を流されました。
私と母の原点であったこの場所に、もっと早く戻ってくればよかったと、
涙が止まりません。

和尚さん、私は何度自分に言い聞かせても、毎日大切なことを忘れています。
毎日を大切に生きなければと思っているのに、毎日後悔ばかりしているのです。
今日こそ、明日こそ、そう思いながら、毎日同じ過ちを繰り返しているのです。

もうすっかり大人になってしまったというのに、昔とちっとも変わらないのです。
昔も今も、楓の木は、季節の風に青々とした葉を揺らしています。
昔と同じように、静かに静かに、日が暮れていきます。

和尚さんがそこまで迎えに来てくださっているような気がします。


あんずちぎり

2007年06月04日 | Weblog


とっても幸せな季節です。嬉しいうれしい季節です。
見事に色づきました。今年も大収穫です。大きな実がたわわに実りました。
木のそばは甘酸っぱいにおいがします。
よく実った実をひとつかじります。少しだけ甘くて、少しだけ酸っぱい実です。
ふっくら、ぽってりしていて、愛おしい感じです。

今年もまた木登りの季節がやってきました。
私は木に登り、父はバケツを抱え、母は地面に落ちてしまった実を拾います。
明日はジャム作りに励みます。今年はどこまで届けられるでしょう。