fernhaven rd.

狭いベランダで育てているバラのこと、趣味のこと、トールペイントのことなどなんてことない毎日を書いていきます。

〈婚約者の友人〉映画館まで行ったのに映画が観れなかった((+_+))*寺山修司の抒情シリーズ

2017-10-28 14:28:35 | 映画
昨日の事になりますが、またまた映画館へ行ったのに映画が観れなかったんです。

この前から話題になっているフランソワ.オゾン監督の新作〈婚約者の友人〉、タイトルからして面白そうではないですか!

フランソワ.オゾン監督の映画を観たのは2年前の〈彼は秘密の女ともだち〉が初めてでしたが

映画がどのように進んでいくのか予測のつかない展開に、目はスクリーンに釘づけ

観終わってからもあれはこうだからああなのだろうか、こうなればああだろうかと、色々と考えさせられる内容で

今までに味わったことのない不思議な感覚が今でも心に残っている作品です。(感想を書いていますこちら


昨日は何も予定が入っていなかったので、観に行くつもりであれこれファッションショーを繰り返し、着ていく服もやっと決まって

テアトル梅田までワクワクしながら行ったのですが、着いてびっくりチケット売り場には列が出来ているではありませんか!

その時、前々回の〈幸せなひとりぼっち〉を観に行った時の苦い思い出が蘇りました。

予感は当たり、座席は後二人で満席状態で私の入る余地はなさそうだったのです。


いつの間にミニシアターの映画館が満席状態になると言う事態が起こるようになったのか?

大体いつ来ても多くて十数人、ひどい時は4人くらいしか席が埋まっていないというのに、、

外に出て、他に観たい映画がないかよく行く映画館を調べてみたけれど、どの映画もちょうど合う時間帯がなくて仕方なく家に帰ることにしました。


そして、諦めきれず本日再び、今度はネットでチケットを購入してから観に行ってきました。

〈婚約者の友人〉、やはり前回の〈彼は秘密の女ともだち〉と同じようにいや前回以上に全く話の展開が見えずサスペンス感満載で、この映画はこれを訴えたかったのか、いや違う、これが言いたかった?いや違う

と言った状態で観客を裏切りつつ話は進み、、とにかく面白かったです。


朝、9時50分からの上映だったのですが約2時間、観終わって出てみたらまた館内にはお客さんがいっぱいで、それも中高年の男性がほとんど

案内係の女性が「次は、〈あゝ荒野〉の前編の上映となります。」と叫んでいたので、主演は菅田将暉だし若い人が見たがる映画じゃないのかな?と思ったのですが


そう言えば確か寺山修司の小説の映画化だったと思い出して、もしかしたらその昔寺山修司が好きだった人たちが観に来られているのかもしれないと考えました。


寺山修司と言えば、天井桟敷、〈書を捨てよ、町へ出よう〉を思い出す天才劇作家ですが、彼の唯一の小説がこの〈あゝ荒野〉だそうです。

寺山修司さんですが、私にとっては劇作家と言うより詩人(?)、新書館から出していた甘くて苦い少女向けの抒情シリーズの詩や小さなお話の数々を思い出します。

高校生だった頃このシリーズを愛読していて、出るたびに買って読みふけっていました。

挿絵は宇野亜喜良さんで詩情あふれる繊細なタッチが当時から大好きで、数多くのイラストレーターの中で今でも私の一番好きなイラストレーターです。


今読むと少々甘ったるいですが、その中から一編書いておこうかと思います。


〈翼について〉

鳥は飛ぶときに

つばさで飛ぶが

あなたは飛ぶとき

何で飛ぶのですか?


私は暮れやすいビルの

一番高い場所に立って考える

アランの「幸福論」で飛べるか?

モーツアルトのジュピターで

飛べるか?

あのひとの

愛で飛べますか?


はるかな夕焼けにむかって

両手をひろげると

私はいつでも

かなしくなってしまうのです


寺山修司抒情シリーズ〈時には母のない子のように〉から



これも捨てられなくて今でも本棚にしまってあります、もう読み返すこともないんですけどね。


〈婚約者の友人〉の感想もそのうち書くつもりです。











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