うろ覚えライフ。

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文壇のミステリ最長老訃報

2011年11月15日 | ブックログ

○推理小説界の最長老、土屋隆夫さん死去

 

  推理小説界の最長老で作家の土屋隆夫(つちや・たかお)さんが14日午前1時35分、心不全のため死去した。

 94歳だった。告別式は16日午後零時30分、長野県佐久市協和2361の1カームしらかば。喪主は長男、哲夫氏。

 中学校教諭だった1949年、短編「『罪ふかき死』の構図」でデビュー。江戸川乱歩の随筆に影響され、文学性と謎解きの面白さを併せ持つ推理小説を志し、新興宗教と地方政治の癒着を取り上げた「天狗の面」(58年)、千草検事シリーズ第一作の「影の告発」(63年、日本推理作家協会賞)などを発表、本格派の巨人と言われた。

 生家のある長野県立科町を拠点に創作を続けた地方在住作家の元祖的存在で、90歳で長編「人形が死んだ夜」を書き下ろすなど晩年まで執筆した。2002年に日本ミステリー文学大賞を受賞した。

 

 おう、土屋隆夫先生は水瓶座だったのだ。1917年1月25日生まれ。ええと、大正6年くらいかな。大正生まれなのは間違いない。5年前亡くなった俺の親父よりも5歳年上。ちなみにウチの親父は射手座だった。関係ないけど。いえ、僕は若い頃、西洋星占いに凝っていて、人に会うとやたら誕生日訊いて、その人を勝手に星座別分類していた。まあ、今はほとんど西洋占星術は信じてないけど、昔は今よりもっと馬鹿だったので、自分が水瓶座だということを誇りに思っていたくらいだった。16歳から読書を始めた僕は、それからずうっと読書が趣味で、20代、30代は自分なりに精力的に本を読んでいた。で、小説で読んでたのは大部分がミステリだ。生まれつき頭の出来が相当悪い僕は、情けないくらいの遅読で、本当に活字本を読むのが遅い。それでもまあ、何処へ行くでも必ず本を携帯していたし、暇があれば本を開いて活字を眺めていたので、20代30代というのは遅読なりにまあま、そこそこは冊数こなしている。まあ、世間一般に読書家と呼ばれる人たちに比べたら、多分相当に劣る冊数で、普通多分、お世辞にも僕は、読書家とは呼べない域の輩なんでしょうけど。

 ミステリ好きを名のるにしては、現在(最近)のミステリ文壇にて最長老の土屋隆夫さんを、情けなくも、よく知らなかった。昔、「危険な童話」という本格推理を文庫で1冊、購入したことがある。今から二十年以上前の話で、正直、当時はプータロー、今でいうニートで、暇だから、本屋さんに本を10冊近くまとめ買いに行ったりしてた。その当時の僕のニート生活は1年ちょっとくらいの間、家でごろごろして暮らしてたんだけど、昼間中ずっと寝ていて夜中は一晩中起きてるような生活してたから、よく本は読んでた。毎日徹夜して読んで昼間寝る。まだ30歳くらいだからけっこう精力的に読書できてた。だから読む本がなくなったら、また本屋さんにまとめ買いに行ってた。そんな中での1冊なんだけど、実はその、土屋隆夫さんの代表作の一つでもある「危険な童話」を、僕は読んではいない。手元にあったのだが、いつの間にか何処かへ行ってしまって、それきりだった。結局、日本ミステリ界では重鎮クラスの長老で、02年に亡くなられた鮎川哲也さんくらいのキャリアを持っていたであろう、土屋隆夫さんの小説は、僕は一冊も読まないきり。鮎川哲也さんの作品だって、この半生の過去生、たった1冊しか読んだことない。威張って、とてもミステリ好きだとかは言えない。まあ、僕は遅読だし、その時代その時代でファンになった作家さんの本を立て続けに読む傾向があるからね。栗本薫ばっかり読んでる時代、島田荘司ばっかり読んでる時代、森博嗣ばっかり読んでる時代、船戸与一ばっかり読んでる時代‥とか、まあ大雑把にいうとそういう感じの読書形態だから、読まない作家さんのは本当に全然読まないでいる。ま、全部エンタティンメントだけど。だから、土屋隆夫さんは日本ミステリ界ではある面有名な作家さんだったが、僕は情けなくも1冊も読んでいない。申し訳ないです‥。09年に亡くなられた泡坂妻夫さんの作品はけっこう読んでるけど。

 当時の本屋さんで文庫新刊購入した「危険な童話」は、僕は80年代前半に出た本だと思っていたんだけど、調べたら何と上梓初出は61年でした。びっくり(僕が多分87年頃購入した角川文庫版は75年初版でした)。でも、ま、結局は読んでないんだけど。済みません‥。いえ、70年代後半から80年代は角川映画などの影響もあって、横溝正史に代表されるような、昔の地方の因習の残る奥村が舞台で怪奇味溢れる、おどろおどろな雰囲気の本格推理が、ある種ブームになっていたので、「危険な童話」もあの時代に書かれた傑作長編推理かなあ、と思っていたんですけど。何と、僕が4、5歳の頃に書かれた小説だったんだ。まあ、読んでないんですけど。済みません‥。80年代後半からは島田荘司が登場して、僕はそれから名探偵御手洗潔に夢中になるんですが。そこから推理文壇は新本格の時代ですね。

 94歳はもう、大往生ですね。土屋隆夫先生、御冥福をお祈りいたします。

※泡坂妻夫さん逝く(2009-2/8)

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