はまあるきの東屋

 ブログ、ホームページ、釣、畑、ハイキング、園芸、読書など趣味の多い壮年の精神科医師です。奇麗な写真をおみせします。

明治維新という過ち:原田伊織著

2015-06-13 06:21:03 | 読書


 毎日ワンズ
 1500円+税
 2015年1月 


 幕末の志士といえば、英雄だ、偉人だと思っていました。
 これを読んで、見方が180度変わりました。

 自分の解釈による紹介文は、誇大や歪曲になりがちなので、この本の文中で印象に残った文を少し引用して、紹介文に変えます。

 「あの(明治維新の)時も、それまでの時代を全否定し、ひたすら欧化主義に没頭した。没頭した挙句に、吉田松陰の主張した対外政策に忠実に従って大陸侵略に乗り出したのである。」
「・・・坂本龍馬という男は、長崎・グラバー商会の“営業マン”的な存在であったようだ。薩摩藩に武器弾薬を買わせ、それを長州に転売することができれば、彼にとってもメリットがある。」
 「グラバー商会とは、清国でアヘン戦争を推進して中国侵略を展開した中心勢力ジャーディン・マセソン社の長崎(日本)代理店である」
 「そもそも長州・薩摩は徳川政権を倒すために天皇を利用しようとしたに過ぎない。そのために『尊皇攘夷』という大儀名分が必要になった。」
 「『尊皇攘夷』を便法として喚き続けているうちに本当に気狂いを起し、『王政復古』を唱え、何でもかでも『復古』『復古』となり、大和朝廷時代が本来のあるべき姿であるとなってしまった。その結果、寺を壊せ、仏像を壊せ、経典を焼け、坊主を成敗せよ、となってしまったのである。」

もし、長州・薩摩のテロを手段とした討幕が成功せず、わが国が『明治維新をいう過ち』を犯さなかったら、わが国はその後どういう時代を展開し、どういう国になっていただろうか。・・・少なくとも吉田松陰の主張通りに大陸や南方侵略に乗り出すことはなく、挙句に大東亜戦争という愚かな戦争に突入して国家を滅ぼすことだけは断じてなかったであろう。」