こぶとりばばぁの鬼退治日記

ぶっそうな題名でスミマセン。

『ねこの証明』

2018-07-30 21:36:38 | ひとりよがり
『ねこ新聞』にエッセイを連載している森村誠一のねこエッセイと、ねこの短編小説が三篇収録された『ねこの証明』を読んだ。

森村誠一と言えば昔、『人間の証明』が大ヒットし、「母さん、ボクのあの麦わら帽子、どうなったんでしょうね」だったか?そんなセリフも流行った。主題歌も流行ったよね。
が、あれだけ話題になったにも関わらず、なぜか私は『人間の証明』を観ていないし、ストーリーも知らない。
でも、「森村誠一=『人間の証明』」と頭の中ではなっている。その『人間の証明』の森村誠一が「人間」じゃなくて「ねこ」の証明を書いたなんて、面白い!…とこんな感じで手に取ってみた。私の人生で初の森村誠一です。と、言っても正確には『ねこ新聞』のエッセイは読んでいたけど…。

思いのほか面白くて、すぐに読んでしまった。エッセイの中には切なくて、今思い出しても切なく思う内容もあり…。まぁ、ねこに限らずだいたいの動物は、人間より寿命が短いから切ないに決まってるけど…。それを覚悟で付き合っていくんだけどね。

ねこの話ではないけど、熊谷出身の森村誠一が12歳の時、熊谷空襲で焼き出された。その時、死体で埋もれた近所の川の中に、初恋の女の子がいたそう…。1933年生まれというから、今の天皇陛下と同い齢。戦争の悲劇を体験している人の話はやはり重い。
ねこの世界から、命の重みを語りかけてくれているようだ。