うっかり

電話番号はケータイに入っているし
手紙などもう書かないし　遠いから訪ねていくこともないし　とうっかりそのひとの住所を書いたものを
処分してしまった　そのひとは年賀状を書かない人なので　電話すればいいかと　月日は流れ
季節は巡り　自分が出さなくても　もらえばうれしいかもと　今年は電話で住所を聞きました

　夜勤してるんだよ　と電話の向こうの声　老人施設のヘルパーをやっているらしい
　もう70歳過ぎ　自分も老人なのに　老人のお世話
　ひとりぐらしで家にいたってボケるばかりだし　欲と道連れで働いているとのこと

あんた　がんだって言いながらずいぶん生きてるよねと憎まれ口を叩かれ
そうだよね　忘れっぽくて○○さんの住所を忘れたように病気のことも忘れてしまって　
なんだか80歳過ぎまで生きるような気がしてさあと返し

ちょっと歩いても足が痛くなったりしているひともいるのに(自分)
夜中にめんどうくさい年寄りのお世話をしているひともいるのだと
昨夜は　布団に入っても眠れず　何度も寝返り打ちました。