やっぱり本も好き

忘却率がUPしているのでメモとして

翻訳夜話2サリンジャー戦記 村上春樹 柴田元幸

2005年04月03日 23時22分15秒 | 
「『キャッチャー・イン・ザ・ライ』について
その魅力、謎、すべてを語り尽くす。」
というだけあって私にとっては、こちらの本の方が魅力的でした。

「社会というのは個人関係の無数の組み合わせの集積だから、
そんなに簡単には腑分けできない。
ところが社会というものを、契約の上に成り立った純粋なシステムだ
みたいに見ちゃうと、それはやはり辛くなってしまう。
ただそのシステムにスポッと入って出来合いの価値観の中で、
特に何も考えることもなく生きていけば一番楽。
主人公みたいに導き手に対してはっきり「ノー」と宣言した時、
自分がそこからどこに行くかというのは、難しいことになるでしょうね。」

キャッチャー・イン・ザ・ライ J.D.サリンジャー

2005年04月03日 23時01分55秒 | 
『ライ麦畑でつかまえて』という本の存在は
知っていましたが、読んだことはありませんでした。
村上春樹が翻訳したということで不朽の青春文学をのぞいてみました。
主人公の少年の内面的葛藤というか、
「自己存在をどこにもっていくか」という個人的な闘いの物語だそうで、
「インチキ野郎」という言葉が妙に心に残りました。
世の中は多かれ少なかれインチキで満ちあふれていますし、
自分もインチキ野郎の一員だし、そんなに厳しく生きていけるものだろうか?