こんにちは
>だったら、異種にしかくっつかないのはなんで?いつ頃からだろうか?(・・・・続く)
hiroshiさんよりバトンを受けました。
少しだけ、おさらいしましょう。
宿主細胞にくっつき、細胞内に侵入し、内部の栄養をぶん取るという行為がバイ菌(=原核細胞)の主要戦略です。
そして、この異種に「くっつく」という役割に特化した膜タンパク質が「線毛(毛タンパク)」でしたね。
しかし、バイ菌も細胞膜を介した浸透による栄養摂取が基本にあります。
(グラム陽性菌などは毛タンパクを持つものは稀なんだそうです)
なぜ積極的に異種にくっつき栄養摂取する必要があったのでしょうか?
また「くっつく」という機能は進化史上、いつ頃獲得したのでしょうか?
逸る気持ちを抑えてぽちっとお願いします。
まずは判断材料を挙げてみると
・古細菌には毛たんぱくは見当たらない。
・真正細菌でも嫌気性細菌にも毛タンパクがみあたらない(グラム陽性菌が多い)
従って、真正細菌でも好気性細菌登場以降に毛タンパクが登場した可能性が高いのです。
それでは、好気性細菌が登場してきた頃の外圧状況を押さえてみましょう。
■28億年前の地球環境(海のイメージ)
28億年前にシアノバクテリアが繁殖し、光合成により酸素の含有量が増えました。
酸素の多い海表面に適応したのが好気性細菌なのです。
生命誕生より存在した嫌気性古細菌にとって「異種」の生物が登場するのですね。
好気性細菌は酸素を燃料としてエネルギーを生成できるので運動能力=捕食能力を強めます。
その一方で代謝も増加→栄養不足という事態に陥ります。
だからタンパク質のかたまりである異種生命を捕食する(くっつく→栄養摂取)必要があったのです。
他方、嫌気性古細菌は、酸素が増えることで生存域が狭められ、運動活性も低いため後退戦を余儀なくされていたと考えられます。
(現存する古細菌は他の生物が棲めないようなところにしか棲息していません)
つまり、運動活性は高いが、栄養素に欠ける好気性細菌が、古細菌に飛び掛っていったと考えられ、毛タンパクの発生は好気性細菌が起源ではないかと劇場では提示されました
ところで、真核生物の登場は好気性細菌と古細菌との共生によって生み出されたと考えられています。
今回の「くっつく」という視点からも好気性細菌が毛タンパクをつくりだし、相手方(古細菌)に侵入したのが共生の始まりであると考えらます。
しかし、細胞膜の構造をみると
・古細菌:エーテル結合
・真正細菌:エステル結合
・真核細胞エステル結合
となっています。
古細菌が食作用により好気性細菌を取り込んだとすると辻褄があいません。
(膜を取り換える必要があります)
また、出発点は古細菌と嫌気性細菌の食い合いです。
これらをどうやって折り合いをつけたのでしょうか?
その答えはDNAの統合なんだそうです。
真核生物のDNAを紐解くと、古細菌由来が過半ですが、好気性細菌由来のものも部分的に存在しています。
つまりDNAを部分結合(交換)することで両者の機能を統合したのです
このことは、飛び掛ったのは好気性細菌でしたが、古細菌の方が、統合の主導権を握ったとも考えられます。
かくも熾烈な戦いの末、共生体たる真核生物が誕生したのですね!
こうして、機能統合した(酸素をエネルギー源できた)ことで地球環境にも適応的となり、真核生物→現在の我々へと進化をもたらしたのですね。
「共生」というと仲良くするようなイメージがありますが、その本質は機能の統合にあるのですね。
以上、異種のくっついたのはなんで?でしたが、
では、同類どうしがくっつくのはいつ頃からだったのでしょうか?
次回のレポートでお送りしたいと思います。
(Shimicho)
>だったら、異種にしかくっつかないのはなんで?いつ頃からだろうか?(・・・・続く)
hiroshiさんよりバトンを受けました。
少しだけ、おさらいしましょう。
宿主細胞にくっつき、細胞内に侵入し、内部の栄養をぶん取るという行為がバイ菌(=原核細胞)の主要戦略です。
そして、この異種に「くっつく」という役割に特化した膜タンパク質が「線毛(毛タンパク)」でしたね。
しかし、バイ菌も細胞膜を介した浸透による栄養摂取が基本にあります。
(グラム陽性菌などは毛タンパクを持つものは稀なんだそうです)
なぜ積極的に異種にくっつき栄養摂取する必要があったのでしょうか?
また「くっつく」という機能は進化史上、いつ頃獲得したのでしょうか?
逸る気持ちを抑えてぽちっとお願いします。
まずは判断材料を挙げてみると
・古細菌には毛たんぱくは見当たらない。
・真正細菌でも嫌気性細菌にも毛タンパクがみあたらない(グラム陽性菌が多い)
従って、真正細菌でも好気性細菌登場以降に毛タンパクが登場した可能性が高いのです。
それでは、好気性細菌が登場してきた頃の外圧状況を押さえてみましょう。
■28億年前の地球環境(海のイメージ)
28億年前にシアノバクテリアが繁殖し、光合成により酸素の含有量が増えました。
酸素の多い海表面に適応したのが好気性細菌なのです。
生命誕生より存在した嫌気性古細菌にとって「異種」の生物が登場するのですね。
好気性細菌は酸素を燃料としてエネルギーを生成できるので運動能力=捕食能力を強めます。
その一方で代謝も増加→栄養不足という事態に陥ります。
だからタンパク質のかたまりである異種生命を捕食する(くっつく→栄養摂取)必要があったのです。
他方、嫌気性古細菌は、酸素が増えることで生存域が狭められ、運動活性も低いため後退戦を余儀なくされていたと考えられます。
(現存する古細菌は他の生物が棲めないようなところにしか棲息していません)
つまり、運動活性は高いが、栄養素に欠ける好気性細菌が、古細菌に飛び掛っていったと考えられ、毛タンパクの発生は好気性細菌が起源ではないかと劇場では提示されました
ところで、真核生物の登場は好気性細菌と古細菌との共生によって生み出されたと考えられています。
今回の「くっつく」という視点からも好気性細菌が毛タンパクをつくりだし、相手方(古細菌)に侵入したのが共生の始まりであると考えらます。
しかし、細胞膜の構造をみると
・古細菌:エーテル結合
・真正細菌:エステル結合
・真核細胞エステル結合
となっています。
古細菌が食作用により好気性細菌を取り込んだとすると辻褄があいません。
(膜を取り換える必要があります)
また、出発点は古細菌と嫌気性細菌の食い合いです。
これらをどうやって折り合いをつけたのでしょうか?
その答えはDNAの統合なんだそうです。
真核生物のDNAを紐解くと、古細菌由来が過半ですが、好気性細菌由来のものも部分的に存在しています。
つまりDNAを部分結合(交換)することで両者の機能を統合したのです
このことは、飛び掛ったのは好気性細菌でしたが、古細菌の方が、統合の主導権を握ったとも考えられます。
かくも熾烈な戦いの末、共生体たる真核生物が誕生したのですね!
こうして、機能統合した(酸素をエネルギー源できた)ことで地球環境にも適応的となり、真核生物→現在の我々へと進化をもたらしたのですね。
「共生」というと仲良くするようなイメージがありますが、その本質は機能の統合にあるのですね。
以上、異種のくっついたのはなんで?でしたが、
では、同類どうしがくっつくのはいつ頃からだったのでしょうか?
次回のレポートでお送りしたいと思います。
(Shimicho)
今回の仮説はすごかったですね~。
古細菌と真正細菌がどのように折り合いをつけたか?
ここのあたりはもっと掘り下げて勉強しようとおもいました。
かくも熾烈な戦いの末、共生体たる真核生物が誕生したのですね!
進化の歴史は、知れば知るほど、驚きの連続ですね
DNAには、外圧に適応していくためのたくさんのヒントや可能性が詰まっています
だから、面白い