(なんでや劇場 資料43-2)←ここをクリックして頂くと拡大します。
●細胞内でのタンパク質合成課程をもう少し詳しく見ていくと・・・
①核内でRNA合成酵素が核DNAの一部に結合。移動しながら塩基配列を読み取り mRNA前躯体を合成。
①-1.「DNAヘリカーゼ」とよばれるタンパク質がDNAの一方の鎖に結合し
二重らせんをほどいていき「複製」が始まる。 (概念図解1~3)
①-2.どの部分からコピーを開始するかを決めるのは「転写基本因子」と
よばれるタンパク質である。これがDNAの遺伝子開始部分に結合すると、
そこにRNAポリメラーゼが結合し、コピーが始まる。RNAポリメラーゼは
DNAの塩基配列をコピーして、その情報を伝えるRNAを作る装置である。
(RNAの合成) (概念図解4)
①-3.複数のタンパク質からなる複合体であるが、全体の構造はまだ解明
されていない。RNAポリメラーゼはまず二重らせんの一部をほどく。
そしてRNAの構成単位である「リボヌクレオチド」を周囲から取り込み、
DNAの一方の鎖を元につなぎ合わせていく。
こうして出来るメッセンジャーRNA(mRNA)は、DNAのもう一方の鎖と同じ
塩基配列を持つ。 (概念図解5)
②mRNA前躯体からタンパク質合成に不要な塩基配列部分
=イントロンが除去 される。 (スプライシング)
②-1.イントロンを切り取る装置(スプライソゾーム)の二つの部品が
イントロンの始まり(GUの塩基配列が目印となる)とイントロンの終わり
(AGの塩基配列が目印となる)付近に、それぞれ結合する。 (概念図解7)
②-2.さらにほかの部品が加わってスプライソゾームが完成し、イントロン
を投げ網のような形にたぐり寄せる。そしてスプライソゾームが行う化学反応
によってイントロンがRNAから切り離される。(RNAスプライシングの完了) (概念図解8,9)
③伝令RNA(mRNA)が核膜孔から核外へ移動。
③-1.RNAスプライシングを終えたRNAに、「エクスポポーチン」とよばれる
タンパク質が結合する。エクスポポーチンは核膜孔を通過するための
“通行手形”となるタンパク質である。 (概念図解10)
③-2.エクスポポーチンが結合したRNAは、核膜孔を通過して、核の外に
運び出されるが、通過する際エクスポーチンは核内にとどまり、核の外には
出ない。 (概念図解11)
④リボソームがmRNAに結合し、コドン単位で塩基配列を読み取る。
④-1.核から出てきたmRNAはリボソームに結合し、頭部から尾部に
向かって動いていく。 (概念図解12)
⑤コドンに対応するアミノ酸を複数のtRNAがリボソームに運搬してくる。
⑤-1.アミノアシル転移RNA合成酵素の働きで、特定のアミノ酸と転移RNA
が結合する。その後、転移RNAはリボソームへと移動してメッセンジャーRNA
のコドン(三個の塩基配列)と結合する。
こうして、コドンが指定するアミノ酸がリボソームへと運ばれる。 (概念図解13)
⑥リボソームが移動しながら順々にアミノ酸を結合⇒タンパク質へ。
⑥-1.転移RNAが運んできたアミノ酸がそれまでに合成されたタンパク質の
最後尾に付け加えられる。 (概念図解14)
これが繰り返されて、アミノ酸が数珠つなぎになったものがタンパク質である。
これで完成したわけではない。この後正しく折りたたまれ完成品となる。
この際正しく折りたたまれなかったタンパク質はもう一度折りたたまれ「更正」
し、不要品はプロテアソームでアミノ酸に分解される。 (概念図解15~17)
※今までセントラルドグマを詳しく見てきた訳ですが、DNA、RNA、タンパク質が
生物にとって非常に重要である事は分かってきました。
しかし、このシステムが最初から形成されていたわけでは無いだろう、と言う
疑問がわいてきます。
タンパク質を作る為には色々な働きをするRNAが必要だが、DNAからRNAに情報 を写す為にはタンパク質が必要!?そのタンパク質をつくるためのタンパク質 はどうやってつくられたのだろうか?
この課題は次回にご期待ください。。 (mukai)
●細胞内でのタンパク質合成課程をもう少し詳しく見ていくと・・・
①核内でRNA合成酵素が核DNAの一部に結合。移動しながら塩基配列を読み取り mRNA前躯体を合成。
①-1.「DNAヘリカーゼ」とよばれるタンパク質がDNAの一方の鎖に結合し
二重らせんをほどいていき「複製」が始まる。 (概念図解1~3)
①-2.どの部分からコピーを開始するかを決めるのは「転写基本因子」と
よばれるタンパク質である。これがDNAの遺伝子開始部分に結合すると、
そこにRNAポリメラーゼが結合し、コピーが始まる。RNAポリメラーゼは
DNAの塩基配列をコピーして、その情報を伝えるRNAを作る装置である。
(RNAの合成) (概念図解4)
①-3.複数のタンパク質からなる複合体であるが、全体の構造はまだ解明
されていない。RNAポリメラーゼはまず二重らせんの一部をほどく。
そしてRNAの構成単位である「リボヌクレオチド」を周囲から取り込み、
DNAの一方の鎖を元につなぎ合わせていく。
こうして出来るメッセンジャーRNA(mRNA)は、DNAのもう一方の鎖と同じ
塩基配列を持つ。 (概念図解5)
②mRNA前躯体からタンパク質合成に不要な塩基配列部分
=イントロンが除去 される。 (スプライシング)
②-1.イントロンを切り取る装置(スプライソゾーム)の二つの部品が
イントロンの始まり(GUの塩基配列が目印となる)とイントロンの終わり
(AGの塩基配列が目印となる)付近に、それぞれ結合する。 (概念図解7)
②-2.さらにほかの部品が加わってスプライソゾームが完成し、イントロン
を投げ網のような形にたぐり寄せる。そしてスプライソゾームが行う化学反応
によってイントロンがRNAから切り離される。(RNAスプライシングの完了) (概念図解8,9)
③伝令RNA(mRNA)が核膜孔から核外へ移動。
③-1.RNAスプライシングを終えたRNAに、「エクスポポーチン」とよばれる
タンパク質が結合する。エクスポポーチンは核膜孔を通過するための
“通行手形”となるタンパク質である。 (概念図解10)
③-2.エクスポポーチンが結合したRNAは、核膜孔を通過して、核の外に
運び出されるが、通過する際エクスポーチンは核内にとどまり、核の外には
出ない。 (概念図解11)
④リボソームがmRNAに結合し、コドン単位で塩基配列を読み取る。
④-1.核から出てきたmRNAはリボソームに結合し、頭部から尾部に
向かって動いていく。 (概念図解12)
⑤コドンに対応するアミノ酸を複数のtRNAがリボソームに運搬してくる。
⑤-1.アミノアシル転移RNA合成酵素の働きで、特定のアミノ酸と転移RNA
が結合する。その後、転移RNAはリボソームへと移動してメッセンジャーRNA
のコドン(三個の塩基配列)と結合する。
こうして、コドンが指定するアミノ酸がリボソームへと運ばれる。 (概念図解13)
⑥リボソームが移動しながら順々にアミノ酸を結合⇒タンパク質へ。
⑥-1.転移RNAが運んできたアミノ酸がそれまでに合成されたタンパク質の
最後尾に付け加えられる。 (概念図解14)
これが繰り返されて、アミノ酸が数珠つなぎになったものがタンパク質である。
これで完成したわけではない。この後正しく折りたたまれ完成品となる。
この際正しく折りたたまれなかったタンパク質はもう一度折りたたまれ「更正」
し、不要品はプロテアソームでアミノ酸に分解される。 (概念図解15~17)
※今までセントラルドグマを詳しく見てきた訳ですが、DNA、RNA、タンパク質が
生物にとって非常に重要である事は分かってきました。
しかし、このシステムが最初から形成されていたわけでは無いだろう、と言う
疑問がわいてきます。
タンパク質を作る為には色々な働きをするRNAが必要だが、DNAからRNAに情報 を写す為にはタンパク質が必要!?そのタンパク質をつくるためのタンパク質 はどうやってつくられたのだろうか?
この課題は次回にご期待ください。。 (mukai)
今後の追求が益々楽しみになりました。
解説編とかの記事で図示してみてはいかがでしょうか?
仰る通りですね、、
探してアップします。。