「トルーマン元米大統領、長崎原爆投下を承認したこと後悔」の見出しが飛び込んできた。予定を変えて、突込みでお伝えしたい。
2015年8月11日掲載の韓国の中央日報だ。同紙は伝える「ハリー・トルーマン米国大統領が1945年8月9日、長崎への原子爆弾投下を承認した直後、これを後悔する心境をつづった個人書簡が公開されたとSBS(ソウル放送)など韓国メディアが報じた」としている。
「投下を承認した直後」が意味シンだ。プルトニウム原爆ファットマンが長崎に8月9日午前11時02分に投下されるまでまだ間に合ったのかもしれないからだ。つまりこの手紙はトルーマンの非人間性が糾弾されたことへのトルーマンのアリバイ証明で、今時発表するのは「反原爆運動」に押されて、米政府をなさせたものではないのか。アメリカは「反人道国家」の世界的糾弾を避けたい。「人道国家」として装いたいーーということではないのか。
さらに「これらメディアによると、米国国立公文書記録管理局が第2次大戦終戦70年にあたって公開した文書を見ると、トルーマン大統領は長崎への原爆投下を承認した後、ある上院議員に送った書簡の中で『個人的に一国の指導者が持つ“強情”によって全市民を死に至らしめる必要性について確かに後悔している』と明らかにした」とのことだ。続けて「トルーマンはまた、全ての書簡で『私は日本が極度に残忍で野蛮な戦争国家であることを知っている』とし『しかし、彼らが獣だからとわれわれも同じようなやり方で行動しなければならないとは思わない』と明かしていたとこれらメディアは報じた」としている。
この手紙の公開は何だろう? どうして公開したのだろう?
日本のソフトパワー(平和憲法の象徴である憲法9条に代表される)が原爆威嚇勢力を世界的に包囲しているーーと想像せざるを得ないのだ。時代は確実に変化している。これまで、理想、空想でしかなかった平和が原爆武装勢力を包囲・凌駕していると安易には断定しえないが、その芽が出てきたことは確かなようだ。つまり、現状はその凌ぎ合いの最中ではないのかーーと。世界の世論は、唯一の被爆国日本を超えて「戦争拒否=平和」に一歩一歩、歩を進めているのではないかーーと。
あと、10年もすれば優劣はハッキリするだろう。嘘と卑劣さを増した安倍内閣が守旧体制(核爆弾威嚇勢力)への先導者であることも。