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ニュースウォッチ18日:①原油安の基礎体力減衰効果②FRB金利上げは3極通貨体制への国際金融の再編へ? 

2015-12-19 02:36:56 | 日記


[原油安のブーメラン、世界経済が震える
2015年12月9日 9時23分 中央日報
 国際原油価格の自由落下が再び始まった。石油輸出国機構(OPEC)が減産合意に失敗した後遺症だ。8日のドバイ産原油は前日より4.11%落ちた1バレル当たり38.54ドルで取り引きされた。2008年12月以降で最も低い数値だ。7日のニューヨーク商品取引所で2016年1月引き渡し分のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は前取引日より5.8%下落の1バレル当たり37.65ドルで取り引きを終えた。2009年2月以降で最も低い水準だ。この2間の下落幅は8.3%に達した。
WTRGエコノミクスによると国際原油価格はすでに1970年以降の平均原油価格である1バレル当たり37.93ドル(2010年ドル基準)に近づいている。米投資銀行ゴールドマンサックスは「国際原油価格が1バレル当たり20ドルまで落ちる可能性がある」と予想する。一時原油価格が1バレル当たり100ドルを上回り1869年以降の超長期平均値である1バレル当たり25ドル以下へ急落する恐れもあるという話だ。

●減産で合意できなかったOPEC会議、原油安を仕掛けたシェールガス説
原油価格急落の最大の原因は供給過剰だ。今月4日にOPECは現在の1日生産量3000万バレルを維持することに決めた。だがOPEC加盟国が毎日産出する原油は生産クォータより150万バレルほど多い。ゴールドマンサックスのアナリストは「国際原油市場の需給均衡が2016年10~12月期前には回復しないようだ」と分析した。 米連邦準備制度理事会(FRB)の基準金利引き上げの動きが生んだドル高も原油価格下落をあおった。

●産油国の不渡り説が出るほどの財政赤字の膨張
原油価格の急騰や急落は世界経済の不安要因だ。実際にこのところ世界経済は「原油安の呪い」に苦しめられている。ブーメランを迎えた産油国の不渡りリスクは大きくなっている。ブルームバーグによるとロシアのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)プレミアムはこの2日間で9.14bp(100bp=1ポイント)急騰した。通貨価値も下落しルーブルの価値は2日間で1.96%落ちた。
産油国の政治・社会不安は加重されている。OPECの主軸で原油安を主導したサウジアラビアは財政赤字に苦しめられている。国際通貨基金(IMF)によると今年サウジ政府の赤字規模は国内総生産(GDP)の19.5%に当たる1300億ドルだ。CNBCは「サウジが財政赤字で電気と上水道、教育などに支給した補助金を減らせば社会的不満が大きくなりかねない」と報道した。原油安は産油国の政治地形も変えている。原油安による物価急騰に苦しめられたベネズエラは6日に実施された総選挙で16年ぶりに政府与党が惨敗した。
先進国も原油安の罠から自由ではない。デフレ圧力が大きくなるためだ。米国と欧州、日本などは遅々として進まない物価上昇率に頭を痛めている。原油安のため韓国の物価上昇率も今年10月まで11カ月連続0%台にとどまり、先月にようやく1%台に入った。ガーディアンは「米国が基準金利を引き上げればドルがさらに上昇し、原油価格は追加で下落しかねない」と予想した。

●バブルが実態のジャンクボンド市場を直撃?→株式市場へ波及?
世界の金融市場も原油安に苦しんでいる。主要エネルギー企業の株価が下落し投資家の損失は大きくなっている。主要エネルギー企業のBPとロイヤル・ダッチ・シェルの株価は7日に3.4%と4.2%下落した。原油安で損失を出したシェール会社の債務不履行(デフォルト)が増え債券市場の不安も大きくなっている。フィナンシャルタイムズによると今年11月までにデフォルトに陥った企業は99社で、金融危機以降で最大を記録した。このうち60%ほどが米国のシェールガス会社などエネルギー関連企業だ。これら企業は最近4~5年間にジャンクボンドを大挙発行した。これらの債務不履行はジャンクボンド市場危機に広がることもあるというのが専門家の予測だ。
ブルームバーグのコラムニストであるマーク・ギルバートは最近のコラムで、「ジャンクボンド市場危機は米基準金利引き上げとかみ合わさってバブルの様相を見せる世界の債券市場を揺さぶりかねない」と警告している。]

●原油安の原因は増産というより需要減=基礎体力は落ちたまま、つまり経済が立ち直っていないことの証左
(GG:「原油安の原因は増産」と判で押したように言うが、ぜんぜん曖昧なままだ。①なぜ増産するのか?②需要が無いことが、供給増に連鎖していることはないのか?--が不明だ。影響は大きい。とりわけ大きいのはGDPが上向かない。

●物価上昇がないのはパイの縮小の表れ、基礎体力の低下だ
物価上昇が無いのは庶民にとって有難いが、カネが回らないと言う不況が襲う。値上がりのサイクルを描けない。庶民はいずれにしてもサイクルの中にある。値上がりすれば値上がりの中で一般的に賃金も上がる(実質は貧困化かどうかはさておいて)。値下がりすれば、物価は上がらないが賃金も上がらない。いずれにしても値上がりにしても値下がりにしてもビンタを食らっている。どっちのビンタがいいいかーーという話ではない。ビンタを食らってもカネが回り、経済が回りパイが大きくなる方がパイの食い方があろうと言うものだ。パイが小さくなったら大企業は中小を食いに走る。中小は大企業に食われる。パイが大きくなる方が経済が発展していると言う意味で良いのだ。原油の値下がりはパイの縮小につながる。)

 

 

[  米ゼロ金利解除 「出口」迎えた異例の危機対応
読売社説2015年12月18日 03時02分
 リーマン・ショックに端を発した未曽有の金融危機に、米国が空前の大規模緩和で対処する事態に終止符が打たれた。
 危機の震源地である米国が、金融政策を平時の状態に戻せるまで、経済再生を果たしたことを歓迎したい。
 米連邦準備制度理事会(FRB)が、9年半ぶりの利上げを決めた。政策金利の誘導目標を年0~0・25%から年0・25~0・50%に上げ、2008年末から続く事実上のゼロ金利政策を解除した。
 米国の景気拡大局面は6年強に及び、失業率は危機前の水準に戻った。雇用安定や緩やかな物価上昇も見込める以上、異例の金融緩和を打ち切るのは妥当である。
 危機後の世界経済は、日米欧の金融緩和で潤沢な資金が流入した新興国が牽引けんいんしてきた。米国の利上げによって、この構図が大きく転換することに注意が必要だ。

 

●QEで途上国に流れたドルの還流規模は未確認。投機が加われば即クラッシュ


 世界の投資資金が、金利上昇を期待できるドルでの運用に傾くのは確実である。新興国に流れていた「緩和マネー」が、大量に米国へ逆流する恐れが指摘される。
 新興国の通貨や株価が急落し、市場に深刻な動揺を招くリスクを十分警戒せねばなるまい。
 原油価格の下落も懸念材料だ。産油国の財政逼迫ひっぱくでオイルマネーが市場から引き揚げられている。緩和マネーの逆流が重なれば、混乱に拍車がかかりかねない。
 FRBの決定の直後、日米の株価が大幅に上昇するなど、市場は利上げをおおむね好感した。
 投資家の多くが事前にゼロ金利解除を織り込んでいたうえ、FRBのイエレン議長が、今後の利上げを緩やかなペースで進める考えを表明したのも奏功した。
 だが、金融緩和の「出口戦略」の今後に、油断は禁物である。
 FRBには、繊細な舵かじ取りが求められる。「市場との対話」を慎重に重ねて、金融政策の方向性を市場関係者に徐々に浸透させることが欠かせない。
 新興国側も、過度な資金流出が起きないよう、投資先としての魅力を高める努力が大切になる。外資の参入を促す規制緩和など構造改革を加速してもらいたい。
 甘利経済再生相は、利上げの日本への影響について「中長期的にプラスだ」と強調した。円安・ドル高が進み、輸出にさらに勢いがつく効果が期待できよう。
 ただ、過度な円安が輸入物価を高騰させ、景気が悪化する危険性からも目が離せない。成長戦略を着実に実行し、内需主導の自律的な景気回復を急ぐべきである。]

 

●FRBの金利上げは原油にキツイボディーブロー

(GG:FRB金利上げ問題の重要性は①原油価格への②為替価格への③新興国への④まだ立ち上がっていないEUや円へのーー影響だ。EUは事前に金利を下げ、人民元も4日前にドル離脱を宣言した。置いてけ堀を食っているのは日本と途上国だ。①の原油価格の長期低落傾向はますます経済縮小の不況に入ることを意味する。米も含めて、全体の地盤沈下が起こるなかで米だけが比較優位にある―ーと言う構図。これはベネズエラなど途上国と中国に対するけん制ではないのか?

●世界は①原油安に耐えられるか②表立った為替安競争が激化するかーーで勝負の構図に

原油安に耐えられるかどうかが勝負になってきた。つまり、攻撃的なドル高をジンワリ仕掛けている。ロシアはマイナスの影響が大きく、半々の線上にいるのが中国だ。中国は人民元安で乗り越えようとしている。元安を投資家が評価して投資し続けるか、投資と反対行動に出て逃げ出すかが当面目が離せない、限定的であるかどうか?当然、世界経済が底割れ始めたならイエレンの責任は重いから、初めはハードにはならないように手を打つだろう。すでに金利上げは段階的とイエレン議長は釈明している。しかしこれはドルと人民元の戦いだ。従って人民元がドルの軍門に下る、いろいろな例は有り得ようが、例えば大胆な予想をすると米がAIIBの主導権を握るとかがあるかもしれない。AIIBをIMFや世銀と再編するのだ。そしてドル基軸通貨体制を支える人民元通貨体制を構築するーーなどだ。この見通しが立って初めて原油が底を打つーー?。

●中国は為替利益に敏感。ドルにゾンビ化して機会をうかがう戦力転換?

この戦略は金銭に敏感な中国にこれまでのドル対抗路線の再考を迫る最も有効な策となるだろう。中国はドルと全面対決はするつもりが今は無いから、米ドルにゾンビ化した妥協を模索することになるに違いない。政治的には香港が重視されてくるだろうか? 香港より大きなマーケットとして香港に代わりシティーが再興するかもしれない? ゆくゆくはドル・人民元・ユーロの3極通貨体制による世界金融経済の安定だ。TPPは3極体制の貿易圏版でWTOの再編だ。世界経済は貿易市場、基軸通貨による金融通貨支配の再編ーーと歴史的な50年単位の大きな曲がり角に入ってきた。

●日銀は打つ手なく緩和継続。円安の景気逆流作用がいつ始まるか

「甘利経済再生相は、利上げの日本への影響について「中長期的にプラスだ」と強調した」と言うが、円安がどれほどの物価高を齎し庶民の財布を直撃して、紐を引き締める内需減に気づかない、復興相にあるまじき発言で無知をさらけ出している。日銀黒田総裁の「追加緩和ではない」 補完措置導入発言は、出口戦略を描き得ない日銀の策ナシを露呈した。ますます金融緩和に踏み切るに違いない。円安の逆ブーメランによる景気横ばいから失墜の入り口に日本経済は立たされている。


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