七曜工房みかん島

18年間の大三島暮らしに区切りをつけ、
滋賀大津湖西で、新たに木のクラフトと笛の工房
七曜工房を楽しみます

『一人で建てる木組みの家』~30 雨樋

2009年02月24日 | 『一人で建てる木組みの家』
1 瀬戸内は雨が少ないか

 瀬戸内では雨が少ない。

関西地方では、年間降雨量が1500mm程だが、
大三島では1100mm程のようだ。

昨夏は、大変に暑くて梅雨明け後、雨が50日以上も降らなかった。
また冬は、ヒジキや干し柿や陳皮等の干し物が上手く出来上ることから
雨が少ないことが実感できる。

それでも、雨の少ないと言われる他の国に比べれば、充分に多いと言える。

雨仕舞いは、しっかりしておかないとやはり家に、支障がでてくる。

 湿気に弱い木の家には、雨は要注意。



2 雨樋

建築最終段階に至って、ようやく雨樋をつけることにした。
近くの材料店で樋と縦樋と受け金具を買ってきた。

樋を受ける金具は5個1組で、それぞれ首の曲げ角度がちがう。
1~5までの数字が刻印してあって、番号順にとりつけるのだと
店の人に教えてもらった。

持ち帰ってゆっくり調べると、それぞれが4,5mmずつ首が垂れていっている。
これを90cmピッチでとりつければ、
200分の1の勾配で樋がとりつけられることになる。
1組5本は、同じ高さの位置に取り付ければ良いことになる。
ただ、受け金具の取り付け時には、
勾配をつけた水糸にあわせていくので、
こんな細工は必要ないのではと思ったが、
よく考えると、こうすることで
樋を水平に据えることができるようだ。

勾配は本を見れば、1000分の1と書いてあるが、
屋根勾配がきついので、倍の500分の1とした。
垂木に1本おきに受金具をステンレス釘で止め、
雨樋をのせて金具のつめを折り曲げて固定する。
とてもスムーズに作業が捗る。

こうして最後の雨樋を取り付けようとしたら、20cm程足りない。
材料拾いを甘くみていたらしい。
4mの樋1本を追加買いするのは、もったいない。
余っても他への使い道がない。

材料店へ行って尋ねてみると、こういうことがよくあるようで、
ハンパ材を無料で分けてもらうことができた。
色は少し違ったが、これで充分。大いに感謝。


雨樋と受け金具


縦樋


3 地下浸透式

雨水の放流先はどこにするか。

当初は古家の雨水の排水先が海になっていたので、
この管につなぐつもりでいた。

しかし、菜園を続けていると、夏場の雨不足がいつも問題になる。
水道水を撒くのは水道料金の高い島ではもったいない。
下水道を使い始めれば、下水道の料金まで加算される。
今夏の雨不足は深刻だったので、とうとう井戸水をポンプアップして散水した。
しかし、この井戸も水位が低く、ポンプアップしても5~6分しかまけない。
水が溜るのは半日後になる。
だから、雨水を溜めて利用することを考えるのが得策だ。

いずれ雨水貯留タンクを設置することを予定して、
縦樋は融通が効くように、継手部分に接着剤を塗らなかった。
また放流先を直接海にするのは、もったいないので、
一旦地下へ返すことにして地下浸透式とした。

この雨水貯留や地下浸透式の考え方は、近頃では田舎よりも
都会でよく取り入れられている。
災害時の水の確保やヒートアイランドを防ぐために。

柱に沿わせて取り付けた縦樋は、土中に埋めた排水管へつなぎ、
この排水管の先は少し掘り下げて砂利を放り込んでおく。
これで充分地下へ吸い込んでくれる。


流末は地下浸透式


4 樋勾配はキツイ方が良かった 

その後何度か雨が降った時に、雨水の流れ具合を観察していると
普通の雨の時は順調に流れるが、雨足が強くなると
樋の途中であふれてしまう。

樋の勾配が足りなかったようだ。

その後、樋勾配をキツくした。
500分の1から200分の1へ。
また受け金具の柄も少し短くて、樋が水平でなかったこともあったので
板を継ぎ足して柄を長くした。

これでうまく流れるようになった。

樋受金具の首垂れ角が200分の1になっていたことを、思い出して感心した。



雨樋取付け完了




作業期間  2007年10月上旬
所要日数  2日


 付記;妻・ひろ

 『一人で建てる木組みの家』は、妻が猛反対したトタン屋根である。

 「やっぱり、貧相な家に見えてしまうなぁ~」
 と外観を眺めては残念がる妻を 説得するするため

 夫は、
 「黒の棟包みと雨樋をつけたら、ぐっと、良くなるから。
  黒いシャープな線が、銀色のトタン屋根を引き締め家に風格が出る」
 と、力説していた。

  棟包みも、雨樋も、ついたけれど
  どこに  どこに  風格が出たってぇ~
 




  『一人で建てる木組みの家』のこれまでは、こちら です。

  「なぜトタン屋根」かは、こちらを、どうぞ 

コメント
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