七曜工房みかん島

瀬戸内海の
しまなみ海道の大三島で
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木工をして
自給自足を目指して

一人で建てる木組みの家~⑮外壁

2008年04月20日 | 『一人で建てる木組みの家』
1 外壁には、板を張る

壁の構造は、外壁と内壁に厚さ15㎜の杉板を張ることにしている。
板と板の間の空間には、断熱材は入れない。空気だけである。
高気密住宅は、目指さないので、断熱材の効果は期待しないことにした。

現在住んでいる古家は、昔からのこの辺りの家の造り方で、開口部がとても多い。
東西に細長い形で、南側に縁側があり、南側と北側に掃き出しのガラス戸。
幅の狭い側の東と西に壁と窓がある。
外周部分は壁が大変少なく、開放型のまさに夏向きの家だ。
このことからも、外壁は、この板壁で充分対応できると思っている。

市街地では、消防法上、この板壁は施工できない。
下見板張りは、施工が簡単で見た目もとても美しい。
街中では、やりたくてもできないが、田舎ならできる。
「一人で建てる木作りの家」には、ピッタリの外壁である。


下見板の源平模様


2 やってみてわかる 釘の打ち方

1ヶ月程前に息子が遊びに来た時に、
一日半かけて一緒にカンナ盤で、削っておいた杉板を張っていく。
幅180㎜ 厚さ15㎜ 長さ4mが、170枚。

板を張る前に防水紙を張っておく。
屋根のものより、薄くて軽いので張り易いと思っていたら、どうしてどうして。
平に張るのとちがって、縦に張るのは大変だ。
風にあおられると、どうしょうもない。
またはしごで上へ上れば、作業がもっと難しくなる。
やってみなければわからないものだ。
板を張る前に少しずつ先行して防水紙を張っておく。

板は下から張って行き、下端を3cm程先に張った板の上端に重ねて張る
ヨロイ張りだ。
釘は錆びないステンレスのスクリュー釘を使う。
この時、釘の打ち方に2種類ある。
横方向には、縦胴縁ごと(455㎜ピッチ)に打つが、
縦方向には、板の重ね部分に打つ方法と
重ね部分の少し上に打つ方法とがある。
強度優先の考え方の小生にとっては、
重ね部分に打つ方が断然強いと判断した。
重ね部分に打つということは、
板1枚に釘が2本打たれることになり、とても強いはずだ。
この方法で、東西南の3面を張っていったが、
ところどころで、釘を打つと板が割れた。
この方法だと、板の木端から15㎜程のところに、釘がくる。
見えてはいないが、下の板も割れているのだろう。

残る1面の北側は、もう1つの方法をとることにした。
重ね部分の少し上へ釘を打つ。
上の板で下の板を押さえつけるような打ち方になる。
これだと、木端から離れているので、割れを心配することもなく、
安心して釘打ちができ、釘の効きも良さそうだ。
感覚的には、こちらの方が合理的なような気がした。
これもやってみてわかること。




息子と下見板のカンナ削りをする。


外壁 東側から張り始める


外壁 2階部分の防水紙を張る

3 暑さに 負けずに
 
4mの板を張っている分には進捗が早いが、
窓や庇のような出張りがあると、加工に手間取る。
妻側の三角部分になると極端に進捗が遅くなる。
屋根勾配も少しずつちがうので、曲尺で寸法を測って、キッチリと写す。
はしごを上り下りする回数も増える。
そうしてうまく張れた下見板はとてもキレイだ。
ステンレス釘も銀色に光って良いアクセントだ。

妻面の最上段は足場を組まないと板が張れない。
足場丸太を組まずに、一番簡便な方法を頭の中で考えていたが、
どうしてもわからない。
とりあえず、板とロープを持ってきて、
少しずつ組みながらやっていくとうまくできた。
やりながら考える。これが一番だ。

この作業は、2006年8月の一番暑い時期だった。
終日直射日光のもと。板の上へ、顔の汗がポトポト落ちた。
水分補給はひんぱんにおこなう。
お茶、紫蘇ジュース、梅ジュース、桃、スイカ、。。
1日に2リットル以上は飲んだが、お腹をこわすことはなかった。
一番最後の北側に移った時は、強い日射しから免れてホットしたものだ。


外壁 足場を組んで最上段を張る


外壁 南側


外壁 北側


外壁 西側


4 見切り縁 この格好の良さがわからぬか

ヨロイ張りを側面から見るとギザギザしている。
このギザギザを隠すのに見切り縁をとりつける。
手の込んだ仕舞いでは、このギザギザの形に見切り縁を加工するようだが、
とてもそこまではやれない。
溝切りカンナで切り欠きをつけることにする。

この見切り縁は、
下見板の端部が出てくる4隅の柱や開口部のまわりにとりつける。
下見板のギザギザを隠して、見切り縁の縦線がスッキリと通ると
建物外観がとてもひきしまる。
柱と見切り縁の凸凹により、建物のコーナーに、荘重感が生まれる。

妻を建物のコーナーへ連れて行って、
「とてもいいだろう」と自慢するのだが、
その良さが分からないと。

見切り縁をとり付けている時に、
通りかかった近所の人が興味深げに近寄ってきたので、
これは感心してくれるのかと思いきや、
「なぜこんなものを取り付けるのか?」
と言われてしまった。

こんなにカッコウがいいのが、分からないの
 
  下見板と見切り縁で、22日かかった。
  これで、外装はほぼ完了した。


外壁 下見板のギザギザ


外壁 角柱の見切り縁



外壁 開口部の見切り縁


2006年7月、8月

付記 妻・ひろより

 キレイにカンナがけされた杉板が、どんどん張られ、
 スケスケの骨組みが、小さいながらも家の形になっていくと、  
 今にも出来上がりそうで、ワクワクした。
 
 しかししかし、やっぱり、なかなか、簡単ではない。
 几帳面な夫は、またなにやら、凝り始めた。
 
 そういえば、大三島転居当時
 築40年以上の古家をリフォームして、壁紙を貼った時も
 壁紙の端の仕舞いが気になると、細い縁取り木を何十本も作り、
 「仕舞いをきちっりすると、仕上がりが締まる
 と一人、悦に入っていた。
 
 あの時も、「いったい何が締まるのか」サッパリ分からなかったし、
 そんなことに時間をかける値打ちがあるのか、とかなり不審だった。

 どうも、四角四面、キッチリやの夫の美的センスの原点は、
 真直ぐクッキリ、境目ハッキリ、仕上がりスッキリにつきるようである。

 時間をかけて凝ったにもかかわらず、出来上がってしまうと、
 目だたたぬ、地味な、仕業やセンスには、誰も気付かず、
 その良さを、認めてもらえない夫なのです。



『一人で建てる木組みの家』のこれまでは、こちらをごらんください。








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